歌野晶午のデビュー作から最新刊まで、全作品を出版順にまとめた完全網羅リストです。「名探偵・信濃譲二」「密室殺人ゲーム」などの人気シリーズの読む順番や、長編・短編集などの分類も分かりやすく表示しています。

あわせて読みたい

当サイトで紹介している作家さんは下のリンク先でまとめています。

歌野晶午のシリーズ作品一覧

名探偵・信濃譲二シリーズ(4作)

  1. 『長い家の殺人』
  2. 『白い家の殺人』
  3. 『動く家の殺人』
  4. 『放浪探偵と七つの殺人』

密室殺人ゲームシリーズ(3作)

  1. 『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
  2. 『密室殺人ゲーム2.0』
  3. 『密室殺人ゲーム・マニアックス』

舞田ひとみシリーズ(3作)

  1. 『名探偵、初心者ですが : 舞田ひとみの推理ノート』
  2. 『名探偵は反抗期 : 舞田ひとみの推理ノート』
  3. 『誘拐リフレイン : 舞田ひとみの推理ノート』

間宵の母シリーズ(2作)

  1. 『間宵の母』
  2. 『中にいる、おまえの中にいる。』

歌野晶午のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)

ガラス張りの誘拐

ガラス張りの誘拐

ガラス張りの誘拐 <角川文庫>

発売日:2002年5月24日

長編

世間を震撼させた連続少女誘拐殺人事件。容疑者と目された男が自殺し、事件は一応の幕引きを迎えた──はずだった。だが今度は、捜査に当たった刑事・佐原の娘が誘拐される。犯人は前代未聞、衆人環視の真っただ中で身代金を運べと要求してきた。あの連続殺人魔の仕業なのか、それとも便乗の模倣犯か。第二の事件、第三の事件、そして第一の事件へと逆向きに語り進められていく異色の章立てが、読者の信じてきたものを次々と裏切っていく。人間心理の盲点を鋭く衝く、歌野晶午が放つ仕掛けに満ちた誘拐ミステリー。

死体を買う男

死体を買う男

死体を買う男 <講談社文庫>

発売日:2001年11月15日

長編

雑誌に発表された一篇の小説『白骨鬼』が、江戸川乱歩の幻の未発表作ではないかと文壇を騒がせていた。舞台は紀伊白浜。月夜にむせび泣く女装の青年が、海辺の崖で首を吊って死ぬ。ところが警察が駆けつけたときには、強風に吹かれた死体は崖から海中へと消え去っていた──。命を救った縁で青年に思いを残す江戸川乱歩と、自作の詩が事件の現場に呼ばれていることに興味を抱く萩原朔太郎が、奇妙な符合に満ちた事件の真相を追っていく。作中作と現実が幾重にも入れ子になっていく、本格ミステリの旗手・歌野晶午の野心作。

さらわれたい女

さらわれたい女

さらわれたい女 <角川文庫>

発売日:2006年1月25日

長編

便利屋を営む男のもとに、一人の美しい女が現れる。報酬は百万円。条件は「私を誘拐して」──夫の愛情を確かめるための狂言誘拐をでっちあげてほしい、というのだ。話に乗った男は計画通りに女を匿い、首尾よく身代金を引き出すことに成功する。だが、隠れ家に戻った男が見たのは、何者かに殺害された依頼人の姿だった。誘拐犯は自分でしかない以上、警察にも頼れない──追い詰められた男の苦闘の先で、視点もまた密かに揺らいでいく。仕掛けと反転に彩られた、歌野晶午の異色サスペンス。

ROMMY : 越境者の夢

ROMMY : 越境者の夢

ROMMY : 越境者の夢 <講談社文庫>

発売日:2011年1月14日

長編

人気絶頂の歌姫ROMMYが、レコーディング・スタジオで絞殺死体となって発見された。彼女の音楽に惚れ込み、その才能を支えつづけてきたプロデューサー中村が、現場で見せる奇妙な振る舞い。ほんの一瞬、人々が目を離した隙に、ROMMYの遺体は何者かに切り刻まれ、奇妙な装飾を施されていた。誰が、何のために、こんなことを──。事件発生当日と、ROMMYが歩んできた過去とが交互に語られ、やがて天才歌手の素顔と、彼女を取り巻く人々の本当の姿が浮かび上がっていく。歌野晶午が初期に放った異色の音楽ミステリ。

正月十一日、鏡殺し

正月十一日、鏡殺し

正月十一日、鏡殺し <講談社文庫>

発売日:2011年12月

短編集

夫を亡くしたばかりの女が、義母を殺してしまいかねない自分から逃げるように働きに出る表題作。猫好きの恋人のために会社の金を横領した青年に降りかかる、奇妙な「呪い」を描く一編。盗聴、逃亡、駅のホームに溢れ出す混沌、美しい人形が崩れていく予感──。「鏡殺し」をはじめ全七編に通底するのは、人がそっと抱える悪意と、追い詰められた末に放たれるささやかな自衛と自滅の閃光。本格ミステリ大賞を二度受賞した歌野晶午が、犯罪小説としての凄味を静かにみなぎらせた、初期の傑作短編集。

ブードゥー・チャイルド

ブードゥー・チャイルド

ブードゥー・チャイルド <角川文庫>

発売日:2001年8月24日

長編

少年・晃士には、遠い前世の記憶がある。それは、悪霊バロン・サメディに殺された黒人少年チャーリーとして生きた、別の人生──。ある日、彼の養母が惨殺され、現場には前世の記憶と寸分たがわぬバロン・サメディの印が残されていた。義姉・麻衣とともに事件の真相を追う晃士が辿り着くのは、自分の実母をめぐるおぞましい秘密。前世の記憶と現代の連続殺人がやがて一つに収束していく、歌野晶午が初期に放ったオカルトと本格ミステリが融合する野心的長編。前世という奇想を、ロジックの力で着地させていく一作。

安達ケ原の鬼密室

安達ケ原の鬼密室

安達ケ原の鬼密室 <祥伝社文庫>

発売日:2016年4月13日

長編

太平洋戦争末期、疎開先から逃げ出した少年・梶原兵吾は、安達ヶ原の地で老婆が一人で守る不思議な屋敷に宿を借りる。やがて二階の窓には、夜ごと恐ろしい〝鬼〟の姿が浮かびあがり、虎の像にくわえられた死体が見つかる。逗留した者たちは次々と異様な死を遂げて……。戦時下の洋館連続殺人と、絵本めいた子どもの語り、留学中の女子高生、現代の不可解な心中。四つの物語がそれぞれ途中で途切れ、互いに絡み合いながら一つの真相へと収束していく。凝った構成で読み手を翻弄する、歌野晶午の本格ミステリ短編集。

生存者、一名

生存者、一名

生存者、一名 <祥伝社文庫>

発売日:2000年10月1日

中編

鹿児島沖に浮かぶ絶海の孤島・屍島に、男女六人が上陸する。東京で爆弾テロを起こしたカルト集団「真の道福音教会」の実行犯四名と、彼らを率いる幹部二名。翌日、幹部の一人が船もろとも姿を消し、残された五人は孤島に閉じ込められてしまう。組織に対する不信、底をつきはじめる食料、募っていく猜疑──。やがて一人、また一人と消えていくなかで、誰が殺し、誰が最後まで生き残るのか。アガサ・クリスティの古典に挑んだ、歌野晶午会心の孤島ミステリ中編。最後に残る「一名」の意味に、読者は静かに息を呑む。

世界の終わり、あるいは始まり

世界の終わり、あるいは始まり

世界の終わり、あるいは始まり <角川文庫>

発売日:2006年10月25日

長編

首都圏で連続して起きる、子どもばかりを狙った誘拐殺人事件。身代金が手渡される前に犠牲者は射殺され、その手口は世間を震撼させた。そんなある日、富樫修は小学六年の息子・雄介の部屋で、被害者の父親の名刺を見つけてしまう。まさか、息子が事件と関わっているのではないか──。頭をよぎった疑念は時を追うごとに確信へと変わり、父は何度も、別のありえたかもしれない結末を想像していく。ミステリの枠を踏み越え、家族の崩壊と再生に切り込んだ歌野晶午の問題作。あなたなら、わが子のために何ができるだろうか。

館という名の楽園で

館という名の楽園で

館という名の楽園で <祥伝社文庫>

発売日:2002年6月1日

中編

N大学推理小説研究会のかつての仲間たちが、卒業から二十年ぶりに集まることになった。場所は、新たに館を建てた同期・冬木統一郎の招きによる、瀟洒な洋館「三星館」。再会の宴の余興として冬木が提案したのは、犯人役・被害者役・探偵役を割り振って演じる古典ミステリ仕立ての殺人ゲームだった。題材は、百数十年前のイギリスで起こったとある事件──。だが、遊戯のはずの一夜は、やがて取り返しのつかない方向へと傾いていく。心理の盲点を突く不可能犯罪のトリック。本格ミステリの匠・歌野晶午が捧げる、「館」を愛するすべての読者への一冊。

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ <文春文庫>

発売日:2007年5月

長編

フィットネスクラブで日々汗を流す元探偵・成瀬将虎は、ある日、後輩の芹澤から不思議な依頼を受ける。彼が密かに想いを寄せる女性・愛子の身内が、悪徳商法業者「蓬莱倶楽部」の罠にかかって命を落としたらしい。家柄ゆえ警察を頼れないという愛子のために、証拠を掴んでほしいという。同じころ将虎は、地下鉄に身を投げようとした麻宮さくらという女性を救い、彼女と心を通わせはじめる──。第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。最後の一文に至るまで、読者をたっぷりと欺ききる、歌野晶午の代名詞となった傑作長編ミステリ。

「何か違和感がある」と思って読み進めていましたが、最後にその謎が解けました。

ミスリードにまんまと騙された感じ。思い込みや固定観念って怖いと改めて思う作品でした。

家守

家守

家守 <角川文庫>

発売日:2014年7月25日

短編集

見慣れた家のなかに、ふと得体の知れない気配が忍びよる──。誰かに見られている感覚、過去にこの家で何が起きたのかという疑い、古い屋敷に残された違和感、そして引っ越していった隣人たちのその後。「人形師の家で」「家守」「埴生の宿」「鄙」「転居先不明」、歌野晶午が「家」という器に込めた五つの悪意と謎が、静かに、しかし執拗に読み手を絡めとる。日常の地続きでこそ恐ろしくなる、じわりと染み入る読み心地。本格ミステリ大賞二度受賞作家による、傑作推理短編集。

ジェシカが駆け抜けた七年間について

ジェシカが駆け抜けた七年間について

ジェシカが駆け抜けた七年間について <角川文庫>

発売日:2008年10月25日

長編

ニューメキシコの長距離陸上クラブNMACに、ひとりのエチオピア出身ランナー・ジェシカが在籍していた。彼女は同じ日本人クラブメイトの原田あゆみが、夜ごと合宿所を抜け出して何者かを呪い殺そうとする奇怪な儀式に勤しむ姿を目撃する。あゆみは誰を、なぜ呪い続けたのか。やがて彼女の身に思いがけない出来事が起き、クラブの周辺もまた静かに揺れはじめる──。『葉桜の季節に君を想うということ』の歌野晶午が放つ、走り続ける女たちの七年間。彼女たちが駆け抜けた時間の意味が、最後にそっと立ち上がる長編ミステリ。

魔王城殺人事件

魔王城殺人事件

魔王城殺人事件 <講談社文庫>

発売日:2020年3月13日

長編

星野台小学校五年一組の佐藤翔太たちは、夏休み明けに探偵クラブ「五一分署捜査一課」を結成した。二学期最初の活動は、町外れに建つという不気味な洋館「デオドロス城」、通称・魔王城へのガサ入れ。勇気をふるって潜入したその直後、ゾンビめいた女がふいに現れ、庭の小屋の中で忽然と姿を消す。後日、再び魔王城に乗り込んだ翔太たちが見たのは、その小屋のなかに横たわる本物の死体──。「ミステリーランド」シリーズに本格ミステリの巨匠・歌野晶午が贈る、少年探偵団の冒険と本格謎解きが結晶した、子どもから大人まで楽しめる一冊。

女王様と私

女王様と私

女王様と私 <角川文庫>

発売日:2009年9月25日

長編

髪はぼさぼさ、服のセンスは絶望的、無職で独身、それでも自分を「ひきこもり」とは認めない男。週に一度のレンタルビデオ屋通いと、月に一度の秋葉原参りだけが世界とのか細い接点。そんな彼の日常を、可愛い妹との楽しいデートが彩るはずだった──「女王様」と出会ってしまうまでは。彼女との邂逅をきっかけに、男の生活はじりじりと悪夢の様相を帯びはじめていく。予測不能な物語の振れ幅と、強烈な癖を放つ登場人物たち。ページを繰る手が止まらないまま、読者は脳をつかまれ揺さぶられる──歌野晶午が仕掛ける、前代未聞の衝撃サスペンス長編。

そして名探偵は生まれた

そして名探偵は生まれた

そして名探偵は生まれた <祥伝社文庫>

発売日:2009年2月

中編集

雪深い山荘で、絶海の孤島で、洋館の一室で──閉ざされた舞台で起こる不可解な事件と、それに挑む者たちの姿を描いた短編集。名探偵という存在そのものを問い直す表題作「そして名探偵は生まれた」、テロ集団六人の運命を追う「生存者、一名」、卒業から二十年ぶりに集った大学時代の仲間たちを描く「館という名の楽園で」、そして文庫版にだけ収められた「夏の雪、冬のサンバ」。短い枚数の中に凝縮された四つのトリックと、それぞれに用意された後味の鮮烈さ。本格ミステリ大賞二度受賞作家・歌野晶午の真骨頂が詰まった一冊。

ハッピーエンドにさよならを

ハッピーエンドにさよならを

ハッピーエンドにさよならを <角川文庫>

発売日:2010年9月25日

短編集

「望みどおりの結末なんて、現実ではめったにないと思いませんか?」──。この一行から始まる、ブラックユーモアと企みに満ちたアンチ・ハッピーエンドの物語集。夏休みに母の実家へ向かった少年が見たもの、合コンで出会った内気な男との、じわじわと薄気味悪い方向へ転がっていく日々。短いショートショートから中編まで、形も読み心地もさまざまな十一編が、いずれも甘い余韻とは無縁のバッドエンドへと読者を案内していく。歌野晶午の毒気と仕掛けがほどよくブレンドされた、ひと癖もふた癖もある大人のための短編集。

絶望ノート

絶望ノート

絶望ノート <幻冬舎文庫>

発売日:2012年8月

長編

中学二年生の少年は、苛烈ないじめに苛まれた日々を、「絶望ノート」と名付けた一冊の日記に書きつけていた。ある日、頭ほどの大きさの石を拾った彼は、それを「神」としてあがめ、自らの血を捧げて、いじめの中心人物の死を願う。すると、本当にその少年が死んだ──。それでもいじめが止まないと知った彼は、神にさらなる殺人を、次々と願いはじめる。クラスメイトたちが続けて命を落とし、警察の捜査が動き出す。ノートに綴られた絶望と願いはどこへ向かうのか。歌野晶午が、少年の閉じた世界の暗がりを抉るように描いた、衝撃の長編ミステリ。

春から夏、やがて冬

春から夏、やがて冬

春から夏、やがて冬 <文春文庫>

発売日:2014年6月10日

長編

スーパーの保安責任者・平田誠は、店で万引きを働いた若い女性・末永ますみを取り押さえる。本来なら情け容赦なく警察へ突き出すはずが、運転免許証の生年月日を目にして、ふと気が変わった。ますみの歳が、轢き逃げ事故で失った娘・春夏とちょうど同じだったのだ。見逃したことがきっかけで、二人のあいだに細く頼りない交流が生まれていく。やがて平田は、これまで誰にも語らずに来た己の身の上を、ますみに少しずつ打ち明けはじめる──。偶然の出会いは神の思し召しか、悪魔の罠か。第146回直木賞候補作。歌野晶午が描き出す、絶望と救済のミステリ。

ずっとあなたが好きでした

ずっとあなたが好きでした

ずっとあなたが好きでした <文春文庫>

発売日:2017年12月5日

短編集

アルバイト先の女の子へのささやかな片思い、転校してきた美少女への淡い憧れ、年上の劇団員と過ごした熱い日々、崖っぷちで芽生えたつかのまの想い、そして人生の黄昏に訪れた静かな愛おしさ──。様々な恋を綴った十三編の物語は、それぞれ独立した短編として読めるはずだったのだが、ページを繰るうちに、散らばっていたピースが思わぬ形で一つに繋がっていく。幼少から老境までを、気づかぬうちに辿らされていた読者を待つのは、歌野晶午印の壮大な仕掛け。六百ページ超、ひと夏の物語にして一人の男の一生を綴る、忘れがたい長編。

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは

Dの殺人事件、まことに恐ろしきは <角川文庫>

発売日:2019年10月24日

短編集

渋谷の道玄坂で「私」が出会ったのは、利発で生意気な少年・聖也。ダイニングバーで世間話に花を咲かせていた二人は、向かいの薬局の様子が妙だと気づく。踏み込んで見たそこには、半裸の女性が無造作に横たわっていた──。事件を追ううちに「私」が思い至るのは、もう元の世界には戻れないという冷たい予感だった。「人間椅子」「押絵と旅する男」「D坂の殺人事件」「お勢登場」「赤い部屋」「陰獣」「人でなしの恋」──。江戸川乱歩の名作群を、歌野晶午が現代の意匠で大胆に再構築した、企みに満ちた短編集。

ディレクターズ・カット

ディレクターズ・カット

ディレクターズ・カット <単行本>

発売日:2017年9月

長編

テレビのワイド情報番組で人気を博すコーナー「明日なき暴走」。そこに映し出される若者たちの無軌道で過激な振る舞いの正体は、下請け制作会社の有能な突撃ディレクターが仕組んだ、巧妙なやらせの数々だった。そのからくりにふと気づいてしまった無口で不器用な美容師の青年は、やがて静かなる殺人鬼へと変貌を遂げていく。視聴率という蜜の味を覚えたディレクターもまた、暴走を加速させずにはいられない。警察の裏をかきながら、生中継のカメラの前に殺人鬼を引き出そうと企てる男──。メディアと殺意が複雑に絡み合う、歌野晶午のクライムサスペンス長編。

明日なき暴走

明日なき暴走

明日なき暴走 <幻冬舎文庫>

発売日:2020年10月7日

長編

テレビのワイド情報番組で人気を集めるコーナー「明日なき暴走」。そこで放送される若者たちの過激な行状は、すべて下請け制作会社の有能な突撃ディレクター・長谷見が仕組んだやらせだった──そのからくりに気づいた無口で不器用な美容師の青年が、静かなる殺人鬼へと変貌していく。視聴率を狙ってさらに暴走するディレクターと、番組打ち切りの危機。長谷見は警察の裏をかきながら殺人鬼に接触し、その凶行を映像へと収めようと画策していく──。歌野晶午が描く、メディアと殺意のクライムサスペンス長編、単行本『ディレクターズ・カット』を改題した文庫版。

首切り島の一夜

首切り島の一夜

首切り島の一夜 <講談社文庫>

発売日:2025年8月8日

長編

壮年に差しかかった男女と、かつての恩師である元教師が、四十年ぶりに修学旅行を再現する同窓会を企画した。行き先は、濤海灘に浮かぶ離島・弥陀華島──別名、星見島。宴の席で、出席者の一人・久我陽一郎が、当時自分たちの高校をモデルにミステリ小説を書いていたと告白する。そしてその夜、宿泊先で久我は首を切られた死体となって発見された。折悪しく荒天で船は出せず、捜査員が島に渡れる気配はない。宿に閉じ込められた七人は、それぞれの記憶のなかに身を沈める──。孤島ミステリの系譜に新たな一頁を刻む、歌野晶午の濃密な一夜の物語。

それは令和のことでした、

それは令和のことでした、

それは令和のことでした、 <単行本>

発売日:2024年4月11日

短編集

極端な価値観を貫く親のもとに生まれ、いじめにあった末にそのみじめな姿を世界中のSNSに晒される少年。立ちのぼる煙の向こうで、ある女性の苦しみがかすかに晴れていく瞬間──。SNS、コロナ禍、過剰な正義、孤独な親、行き場のない若者。息苦しさが日常に染み込んでしまった令和という時代の歪みを縦横に切り取りながら、そのなかでこそ生まれる、ささやかであたたかな感情の交わりまでをそっと掬いあげる全八編。日常の風景がふと別の意味を帯びる瞬間と、鋭い社会観察が同居した、歌野晶午が「いま」を見据える短編集。