- 翔田寛のシリーズ作品一覧
- 翔田寛のノンシリーズ作品一覧
- 『影踏み鬼 新装版』(初刊:2001年11月)
- 『消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿』(初刊:2004年6月)
- 『参議暗殺』(初刊:2004年12月)
- 『眠り猫 奥絵師・狩野探信なぞ解き絵筆』(初刊:2007年2月)
- 『誘拐児』(初刊:2008年8月)
- 『逃亡戦犯』(初刊:2009年7月)
- 『幽霊が返した借金 おでん屋こはる事件帖』(初刊:2010年9月)
- 『過去を盗んだ男』(初刊:2011年9月)
- 『魚売りのはつ恋に肩入れする 忍者侍☆らいぞう』(初刊:2011年12月)
- 『築地ファントムホテル』(初刊:2012年2月)
- 『十死零生の剣 愛妹草紙』(初刊:2013年6月)
- 『探偵工女 富岡製糸場の密室』(初刊:2014年8月)
- 『クライム・プランナー』(初刊:2021年2月)
- 『油絵は謎をささやく』(初刊:2022年3月)
翔田寛のシリーズ作品一覧
やわら侍・竜巻誠十郎シリーズ(7作)
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『五月雨の凶刃 やわら侍・竜巻誠十郎』(初刊:2008年11月)
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『夏至闇の邪剣 やわら侍・竜巻誠十郎』(初刊:2009年5月)
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『秋疾風の悲槍 やわら侍・竜巻誠十郎』(初刊:2009年11月)
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『寒新月の魔刃 やわら侍・竜巻誠十郎』(初刊:2010年2月)
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『炎天華の惨刀 やわら侍・竜巻誠十郎』(初刊:2010年6月)
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『精霊火の鬼剣 やわら侍・竜巻誠十郎』(初刊:2010年11月)
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『桜吹雪の雷刃 やわら侍・竜巻誠十郎』(初刊:2011年3月)
船橋署刑事課・香山亮介シリーズ(4作)
左遷捜査シリーズ(3作)
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『左遷捜査 法の壁』(初刊:2018年11月)
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『左遷捜査 2 迷宮入り事件』(初刊:2019年5月)
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『左遷捜査 3 三つの殺人』(初刊:2019年11月)
翔田寛のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)
『影踏み鬼 新装版』(初刊:2001年11月)
江戸の町で起きた奇妙な誘拐事件。若き狂言作者は、その裏に隠された筋書きを読み解こうとする。人々の言葉や振る舞いに目を凝らすほど、当たり前に見えていた出来事が別の顔を現し、事件をめぐる思惑が静かに浮かび上がってくる。小説推理新人賞を受賞した表題作をはじめ、江戸の人間模様と本格的な謎解きが交差する五編を収録。暮らしのすぐ隣に潜む不可解さを入口に、人の情と業へ踏み込む時代ミステリー短編集だ。鮮やかな仕掛けに驚かされるだけでなく、謎の向こうにある切実な思いが胸に残る。見えているものをそのまま信じてよいのか。真相へ近づくたびに物語の景色が変わり、江戸の闇に隠れた人間の姿へ読者を誘う。
『消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿』(初刊:2004年6月)
文明開化に沸く明治六年。新しい風俗と古い習わしが入り交じる日本で、特派通信員チャールズ・ワーグマンは不可思議な事件に出会う。西洋と日本の幽霊が相次いで目撃される怪異、白装束で腹に剣を突き立てた英国人、歌舞伎役者を巻き込む山高帽子の盗難。さらに鉄道開通の賑わいの中で叫ぶ女性や、教会の密室で起きた怪死が、解き明かすべき謎を投げかける。異なる文化の間に立つワーグマンは、奇妙な出来事の背後へ目を向けていく。異国の目に映る日本の変化と、人々が抱える事情を織り込んだ連作推理。怪談めいた噂も、不可解な死も、人の営みから切り離せない。五つの謎の先に、時代の波に揺れる人間の姿が見えてくる。
『参議暗殺』(初刊:2004年12月)
明治四年、新政府の中枢にいた太政官参議・広沢真臣が自邸で惨殺される。国の行方を左右する人物を、誰が、何のために殺したのか。刑部省逮部の佐伯謙太郎は、その死の謎を独自に追い始める。維新から間もない世には、幕末から持ち越された思いと、新しい権力をめぐる緊張が残っていた。一人の参議の死を調べることは、華やかな文明開化の陰にある時代の傷をたどることでもある。歴史に名を残す事件を入口に、明治初期の空気と捜査の手応えを描く歴史ミステリー。表に出た事実だけで、この残酷な死を説明できるのか。過去へ目を向ける佐伯の前に、維新の勝者と敗者を隔てる闇が広がる。新国家の誕生に重なった未解決の謎が、読む者を激動の時代へ引き込む。
『眠り猫 奥絵師・狩野探信なぞ解き絵筆』(初刊:2007年2月)
文化四年、徳川家に仕える若き奥絵師・狩野探信は、旧知の蔦屋重三郎から一枚の幽霊画を見てほしいと頼まれる。作者の児玉祐斎は、数日前に川へ落ちて命を失っていた。幽霊画を得意とした絵師の死には、かつて描いた役者絵がもとで幽霊に取り殺されたという不気味な噂がつきまとう。祐斎の娘は、探信が初恋を寄せた女性だった。彼女を救いたいとの思いに駆られ、探信は事件の謎に向き合う。絵の知識と鑑定の眼が、怪異に見える出来事をどう照らすのか。狩野派の絵師の世界と芝居小屋の息遣いを背景に、人の死をめぐる謎が深まっていく。絵筆を持つ青年の眼前で、描かれたものと語られたものの間に隠れた真実が、静かに輪郭を現し始める。
『誘拐児』(初刊:2008年8月)
終戦翌年の昭和二十一年夏、東京・成城で実業家の五歳の息子が誘拐される。犯人は百万円を要求し、受け渡し場所に有楽町の闇市を指定した。刑事たちが張り込む中、身代金は奪われ、子供も連れ去られたまま戻らない。手掛かりを失った事件は、やがて迷宮入りしたかに思われた。十五年後、別の殺人事件が、その閉ざされた過去を再び動かす。戦後の混乱の中で消えた子供と、時を隔てて起きた死は、どこで結びつくのか。捜査が掘り起こすのは、事件の仕掛けだけでなく、長い年月を生きた人々の事情である。失われた時間の向こうに何が残っているのか。非情な犯罪と人間の情愛を見つめ、二つの時代をつなぐ謎へ迫る、第五十四回江戸川乱歩賞受賞の長編ミステリー。
『逃亡戦犯』(初刊:2009年7月)
昭和二十年八月十五日、大江山捕虜収容所から日系二世の通訳・木島が逃走する。米軍による逮捕を恐れた彼を追うのは、同じく日系二世のマイク・ミヤタケ軍曹。容疑は国家反逆罪だった。敗戦によって立場が一変した日本で、二人は追う者と追われる者に分かれる。アメリカで生まれ育ちながら、異なる祖国を選んだ者たち。終戦の知らせは、彼らの戦いを終わらせてはくれない。敗戦直前の収容所で何があったのか。木島の逃走と執拗な追跡を通じ、国家への忠誠と個人の生が鋭く問い直される。闇市の時代を背景に、二つの国の間で引き裂かれる人間を描いた、史実に基づくサスペンス。祖国とは何か、その問いが逃亡の行方と重なり、読む者の胸に深く迫る。
『幽霊が返した借金 おでん屋こはる事件帖』(初刊:2010年9月)
天保年間の江戸・神田白壁町。おでん屋を営むこはるは、気になることがあると放っておけない。近所の夫婦喧嘩を仲裁するうちに巻き込まれたのは、死んだはずの女が借金を返したという奇妙な話だった。幽霊が金を届けるなど、あり得るのか。断片的な話をつなぎ、こはるは怪異めいた出来事の奥を見つめていく。表題作に加え、女の失踪や、放火未遂をめぐる食い違った証言など、同心も手を焼く事件が彼女の身近で起こる。町に暮らす人々の言葉には、何が隠れているのか。日々の相談事が思いがけない謎へ変わる、人情豊かな時代ミステリー。世話好きなこはるの目が、不可解さの向こうにある人の事情を照らし、江戸の暮らしの温もりとほろ苦さを伝える。
『過去を盗んだ男』(初刊:2011年9月)
江戸湾に浮かぶ人足寄場は、人々から「無宿島」と呼ばれ、脱出できない監獄として恐れられていた。その島に眠る幕府の埋蔵金を狙い、自ら犯罪者を装って潜り込む男たちがいる。浪人、元井戸掘り、調達屋、天気見。それぞれの力を頼みに大金へ手を伸ばす彼らの周囲には、役人の厳重な監視と古株たちの目が光る。入り込むことには成功しても、金を手にして生きて帰れる保証はない。閉ざされた場所でさまざまな思惑が絡み合い、一世一代の勝負が始まる。監獄に身を投じた男たちは、どこに活路を見つけるのか。埋蔵金を奪う計画と、島を出るための企てが重なる時代ミステリー。自由を失う危険を引き受けた者たちの賭けが、逃げ場のない島に張り詰めた緊張を生む。
『魚売りのはつ恋に肩入れする 忍者侍☆らいぞう』(初刊:2011年12月)
文政元年、みちのく白河から江戸へやって来た竜巻雷蔵は、忍者の修行を積んだ侍。里の女忍者たちに惚れられ、嫉妬した元締めに追い出されたという、少々困った事情を抱えていた。染井稲荷近くの植木屋へ見習いとして居候することになったが、老主人は大の世話好きで人遣いも荒い。雷蔵は植木の仕事の合間に、人探しまで命じられてしまう。相手は純情な魚屋が初恋を寄せる女性。面倒だと文句を言いながら探し始めると、思いがけない展開が待っていた。正義感も使命感もない男が、なぜか頼りになる。忍びの技を身につけた侍と、おせっかいな主人が織りなす江戸の事件と人情。雷蔵の気ままな暮らしが謎へつながる、忍者侍☆らいぞうシリーズ第1巻。
『築地ファントムホテル』(初刊:2012年2月)
明治五年、日本初の西洋式ホテル「築地ホテル」が火災で焼失する。その焼け跡から見つかったのは、宿泊客の刺殺体だった。炎に包まれたホテルで、なぜ殺人が起きたのか。事件を追うのは、歴史的な報道写真を数多く残した英国人写真家フェリックス・ベアト。日本人助手とともに調べ始めるが、二人の前には幾重もの罠が張られていた。文明開化を象徴する建物の消失と、一人の宿泊客の死。その重なりが、捜査を複雑な謎へ導いていく。異国から来た写真家の眼は、焼け跡に残された出来事をどう捉えるのか。新しい時代の息遣いを背景に、失われたホテルの闇をたどる歴史ミステリー。目に見える証拠の先に潜む仕掛けが、読む者を明治の事件現場へ引き込む。
『十死零生の剣 愛妹草紙』(初刊:2013年6月)
天保十一年、牛久藩の勘定方下役・岡部隼人は、藩の特産品の取引に不正があると気づく。不審な働きかけが続く中、決定的な証拠を得た彼は、藩主への直訴を決意した。だが、その行く手を阻むのは、剣の腕を競ってきた悪徳の侍だった。隼人の前には、道場で筆頭の者だけに伝えられる秘奥義がある。敵を必ず倒す一方で、使った者の命まで奪うという外道の剣。正しいことを訴えるために、己の命を賭けなければならないのか。不正を見逃せぬ侍の志と、逃れがたい危機が重なっていく。直訴の道を選んだ隼人は、何を守り、どのように剣と向き合うのか。藩の暗部に踏み込んだ青年を追い、必殺の技がもたらす重い問いを描く、緊迫した長編時代小説。
『探偵工女 富岡製糸場の密室』(初刊:2014年8月)
明治新政府が近代化の原動力として築いた富岡製糸場。開業間もない大規模な器械式工場で、若い工女が惨殺死体となって発見される。現場には密室の謎が残り、さらに別の工女が忽然と姿を消した。働く女性たちの不安が高まり、工場には暴動の危機が迫る。被害者の仲間である若き工女は、何が起きたのかを突き止めようと立ち上がる。新しい産業への期待が集まる場所で、なぜ悲劇は起きたのか。仲間の死を他人事にできない彼女の眼が、閉ざされた事件の奥へ向かう。密室殺人と失踪を通じ、近代日本の幕開けに生きる人々の事情を描く歴史ミステリー。工場を覆う疑念と緊張の中、働く者の目線から追う真相は、華やかな時代の表情をどう変えるのか。
『クライム・プランナー』(初刊:2021年2月)
渋谷ののんべい横丁で、ホットドッグとビールだけを出す店を営む大柳。彼には、知恵を使って悪人を罠へ誘い、自滅へ追い込む「クライム・プランナー」としての過去があった。いじめ、詐欺、パワハラ。道理や理屈を説くだけでは解決できない問題に、影から働きかける存在である。そんな彼のもとへ、友人が血まみれで高速道路に放置されていたという知らせが入る。穏やかな店の暮らしと、かつて身につけた企ての技。友を襲った出来事を前に、大柳はどう動くのか。悪意に対して知略を巡らせる男の姿を通じ、きれいごとでは救えない現実に踏み込む犯罪小説。誰かを守るための計画は、どこまで許されるのか。日常の裏へ足を踏み入れる物語が、正義と制裁の境を揺さぶる。
『油絵は謎をささやく』(初刊:2022年3月)
日本文化史の大学教授・小宮山香織に、教え子から相談が持ち込まれる。山形の実家にある油彩画に、贋作の疑いがかけられたという。明治を代表する洋画家・高橋由一の作とされる《隧道図》は、真筆に近い特徴を備えながら、いくつもの謎をはらんでいた。鑑定を進める香織は、描かれた当時の事件が鍵を握ると気づく。不可解な失踪、道路事業をめぐる百姓一揆、そして新たな殺人。一枚の絵の真贋を探る問いが、過去と現在をまたぐ謎へ広がっていく。画面に残されたものは、何を伝えようとしているのか。美術の知識と歴史への眼差しを通じ、絵に秘められた事情を追う長編ミステリー。明治の風景と現代の事件が重なる時、油彩画の見え方が静かに変わり始める。