伊坂幸太郎のデビュー作から最新刊まで、全作品を出版順にまとめた完全網羅リストです。「陽気なギャング」「陣内」などの人気シリーズの読む順番や、長編・短編集などの分類も分かりやすく表示しています。
当サイトで紹介している作家さんは下のリンク先でまとめています。
伊坂幸太郎のシリーズ作品一覧
伊坂幸太郎のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)
オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り <新潮文庫>
発売日:2003年11月28日
コンビニ強盗に失敗した伊藤は、気がつくと見知らぬ島にたどり着いていた。荻島と呼ばれるその島は、江戸時代から外界と隔絶された不思議な場所だった。嘘しか言わない画家、島の法律として殺人を許された男、そして未来を見通す力を持ち人の言葉を話す案山子の優午。伊藤が島の暮らしに馴染み始めた矢先、優午が何者かに殺される事件が起きる。なぜ未来が見えるはずの優午は、自らの死を防げなかったのか。島に隠された秘密と、優午が最後に祈ったものとは。伊坂幸太郎のデビュー作にして新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。唯一無二の世界観が読む者を圧倒する、記念碑的長編ミステリー。
伊坂さんのデビュー作。未来が見えて人間とお喋りできるカカシが出てきたりします。登場人物も不思議な人が多く、謎多きミステリーです。
城山という警察官が出てくるんですが、本当に人間のクズでどうしようもない野郎なので、ぜひあなたも憤ってください(笑)
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ラッシュライフ

ラッシュライフ <新潮文庫>
発売日:2005年4月24日
泥棒を生業とする男、新進気鋭の女性画家、神に憧れる青年、不倫相手との再婚を企むカウンセラー、そして四十社連続不採用の失業者。一見何の接点もない五つの人生が、仙台の街を舞台にそれぞれの思惑で動き出す。やがて物語は交錯し、絡み合い、誰も予想しなかった結末へと加速していく。エッシャーのだまし絵のように巧みに仕組まれた構成と、伊坂幸太郎ならではの軽妙な語り口が冴え渡る群像劇。人生は思い通りにはいかない。だが、思いもよらない方向に転がることもある。読後に鮮やかな驚きが待つ、著者初期の傑作長編。
5つの視点で物語が進んでいきます。
登場人物も多いので最初はこんがらがってしまいましたが、徐々に人物がスッとイメージできるようになり、それから一気に面白くなりました。
終盤に「こういうことか!」と意味もわかるので、スッキリした読了感。
そして『オーデュボンの祈り』に登場したカカシや伊藤なども登場する場面があり、ニヤけてしまいました(笑)
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重力ピエロ

重力ピエロ <新潮文庫>
発売日:2006年6月28日
仙台の街で連続放火事件が発生する。不可解なことに、放火現場の近くには必ず奇妙なグラフィティアートが残されていた。遺伝子関連の会社に勤める兄・泉水と、芸術的センスに溢れる弟・春は、この事件に興味を持ち独自の謎解きに乗り出す。グラフィティアートの法則性と遺伝子の暗号が奇妙にリンクし始めたとき、兄弟は自分たちの過去の痛みと向き合うことになる。家族の絆、正義とは何か、そして「本当に重いものは何か」を問いかける物語。直木賞候補にもなった伊坂幸太郎の代表作。春が放つ名台詞「春が二階から降ってくる」が胸に響く。
伊坂作品の中でもとくに、家族や兄弟愛が感じられる作品です。
テーマ的には重めですが…そこはやはり伊坂ワールド!ユニークなキャラであったり、軽快な語り口だったり楽しく読めました。
なお、『ラッシュライフ』に登場した泥棒「黒澤」が探偵役で再登場します。まだ読んでない方はこちらを先に読むのもおすすめですよ。
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アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー <創元推理文庫>
発売日:2006年12月
大学入学のため仙台に引っ越してきた椎名は、隣の部屋に住む河崎という青年から突然「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけられる。同じアパートに住むブータン人留学生にプレゼントするため、広辞苑を盗もうというのだ。断り切れず巻き込まれた椎名だったが、河崎の話にはどこか腑に落ちない点があった。現在の椎名の物語と、二年前のある女性・琴美の物語が交互に語られ、やがて二つの時間軸が重なったとき、驚くべき真実が姿を現す。吉川英治文学新人賞受賞。伏線回収の妙が光る、伊坂ミステリーの真骨頂。
濱田岳と瑛太のダブル主演で2007年に映画化。
この作品は「現在」と「2年前」の物語が交互に展開されていきます。現在は大学進学で東京から東北にきた椎名視点の話。2年前はペットショップで働く琴美視点の話。
とくに「2年前」は琴美が事件に巻き込まれていくので、読んでいてヒヤヒヤする場面が多かったです。それゆえに読み進める手が止まらない作品でした。
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死神の精度

死神の精度 <文春文庫>
発売日:2025年2月5日
人の死を判定する仕事を淡々とこなす死神・千葉。調査部に所属する彼は、一週間の猶予で対象者を観察し、死を「可」とするか「見送り」とするかを決定する。明確な基準はなく、すべては死神の裁量に委ねられている。千葉が仕事をするときはいつも雨が降り、彼は青空を見たことがない。音楽をこよなく愛し、暇さえあればCDショップに入り浸る、どこかズレた死神が出会う六人の人生。クールでありながらどこか人間味のある千葉の視点を通して、生と死の意味が静かに問いかけられる。ユーモアと切なさが同居する珠玉の連作短編集。
千葉という名の「死神」が主人公の連作短編集。伊坂さんお得意の繋がりがあるパターンでこれまた面白かったです。
『重力ピエロ』の春が登場するシーンもあって、読んだことある人は「お~!!」となること間違いなし。(まさかのあのシーンに出くわします……)
なので先に『重力ピエロ』を読んでおくと面白さ倍増です!
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魔王

魔王 <講談社文庫>
発売日:2023年1月17日
会社員の安藤は、弟の潤也と二人暮らしをしていた。ある日、自分が心の中で念じた言葉を、相手がそのまま口にすることに気づく。「腹話術」と名付けたこの不思議な能力を携え、安藤は一人の政治家に近づいていく。国民を熱狂させるカリスマ政治家の台頭、それに流されていく社会。安藤は「考えること」をやめない一人の人間として立ち向かおうとする。五年後を描く「呼吸」では、弟・潤也がまた別の能力を手に、新たな物語を紡ぐ。何気ない日常に流されることの危うさを鋭く問いかける、伊坂幸太郎の社会派エンターテインメント。
特殊能力×兄弟×政治。これまで読んだ伊坂作品の中では個人的に読みにくさを感じました。(政治の話が多かったからだと思いますが……)
『死神の精度』の千葉さんがさり気なく登場する場面もあります(笑)
なお『モダンタイムス』が続編のような話になるので、気になったら手にとってみてはいかがでしょうか。
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砂漠

砂漠 <実業之日本社文庫>
発売日:2017年10月4日
仙台の大学に入学した北村は、どこか醒めた性格で世の中を眺めていた。そんな彼の前に現れたのは、極端に熱くまっすぐな西嶋、軽薄で女好きの鳥井、超能力が使える南、そして美人の東堂。麻雀に明け暮れ、合コンに励み、ボウリングで勝負し、通り魔に遭遇し、捨て犬を救い出す。何でもない日常の中で、五人は少しずつ絆を深めていく。やがて卒業という終わりが近づくとき、彼らは「砂漠」と呼ばれる社会へ旅立つ覚悟を固める。「その気になればね、砂漠に雪を降らせることだって、余裕でできるんですよ」。青春の眩しさと切なさが詰まった、読者から最も愛される伊坂作品の一つ。
大学で出会った男女5人の成長物語。大学入学から卒業までの4年間が描かれています。
5人の中でも西嶋という青年が抜群に魅力的で、登場シーンから推しになったほどです。だだ最終的に鳥井が好きになりました。彼は本当に強い男だ!
青春ものですが、春夏秋冬それぞれの季節ごとに何かしら事件が起こるので、それがスパイスとなって程良く緊張感を味わえました。
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終末のフール

終末のフール <集英社文庫>
発売日:2009年6月
「八年後に小惑星が地球に衝突する」と発表されてから五年が経ち、世界は残り三年の命を受け入れ始めていた。パニックと暴動の時代を経て、仙台のヒルズタウンに暮らす人々は、それぞれの終末を静かに迎えようとしている。息子の自殺に苦しむ父親、残りわずかな時間に子供を産むべきか悩む夫婦、復讐を誓う姉妹、トレーニングを続けるボクサー。八つの物語が、世界の終わりという極限状況の中で、人間にとっての「幸せ」とは何かを問いかける。絶望の中にこそ光がある。終末を前にしても変わらない人の営みの美しさに、静かな感動が広がる連作短編集。
地球に小惑星が落ちて人類が滅亡してしまうという設定の短編集。死を目前にしながらそれでも生きていく人々。
これ面白かったし、生きるということについて改めて考えさせられる一冊でした!
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フィッシュストーリー

フィッシュストーリー <新潮文庫>
発売日:2009年12月
売れないパンクバンドが最後のレコーディングで残した一曲。その音楽の無音部分に込められた叫びが、時代を超えて誰かの運命を変えていく。表題作「フィッシュストーリー」は、三十年以上の時間を自在に行き来しながら、一つの「ほら話」が奇跡を紡ぐ物語。ほかに、泥棒の黒澤が活躍する「サクリファイス」「ポテチ」、動物園を舞台にした「動物園のエンジン」を収録。過去の作品の登場人物たちも顔を覗かせ、伊坂ワールドの繋がりを楽しめる一冊。人知れず誰かに届く善意と勇気の連鎖が、読後に温かな余韻を残す短編集。
黒澤など、過去に登場したキャラが再登場する短編集。なので『ラッシュライフ』を読んでおくと楽しさが数倍アップしますよ!
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ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー <新潮文庫>
発売日:2010年12月
衆人環視の中、首相が爆殺された。犯人として報道されたのは、ごく平凡な青年・青柳雅春。身に覚えのない巨大な陰謀に巻き込まれた彼は、あらゆる証拠を捏造され、国家権力に追い詰められていく。逃走劇の中で彼を助けるのは、大学時代の友人や元恋人など、かつての人間関係で築いた信頼だった。本屋大賞と山本周五郎賞をダブル受賞し、「このミステリーがすごい!」国内編第一位にも輝いた、伊坂幸太郎の最高傑作と呼ばれるノンストップ・サスペンス。人を信じる力が生む奇跡と、権力への痛烈な批評が胸を打つ。
首相殺し犯人になってしまった主人公の逃走劇。後半は一気読みでした。700頁弱あるので、ぜひ気合を入れて読んでみてください!
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実験4号

実験4号 <単行本>
発売日:2008年4月1日
今から百年後、温暖化が進んだ地球では火星移住計画が進行していた。ロックバンドのメンバーたちは、火星へ旅立ったギタリスト・後藤の帰りを待ち続けている。彼はなぜ火星へ行ったのか、そして戻ってくるのか。待つことの意味と仲間との絆を描いた伊坂幸太郎の中編小説。映画監督・山下敦弘との共作という前代未聞の企画から生まれた、小説とDVDが一体となった実験的作品。SF的な設定の中に、伊坂らしいユーモアと人間への温かいまなざしが溢れている。
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モダンタイムス : 上

モダンタイムス : 上 <講談社文庫>
発売日:2023年2月15日
「検索から、監視が始まる」。恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海は、失踪した同僚の代わりにある出会い系サイトの仕様変更を引き受ける。だがプログラムには不明な点が多く、発注元すら判然としない。やがてプロジェクトメンバーの上司や同僚に次々と不幸が襲いかかる。彼らに共通していたのは、ある複数のキーワードを同時に検索していたこと。『魔王』から五十年後の世界を舞台に、巨大なシステムに組み込まれた社会の恐ろしさを描く。「勇気はあるか」という問いが再び響く、スリリングな近未来サスペンス上巻。
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モダンタイムス : 下

モダンタイムス : 下 <講談社文庫>
発売日:2023年2月15日
「検索から、監視が始まる」。恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海は、失踪した同僚の代わりにある出会い系サイトの仕様変更を引き受ける。だがプログラムには不明な点が多く、関わった者たちに次々と不幸が襲いかかる。ある複数のキーワードを同時に検索した者が狙われるという恐ろしい仕組みの正体とは。『魔王』から五十年後の世界を舞台に、巨大なシステムに支配された社会の恐怖を描く下巻。拓海が持つ「腹話術」の能力が明らかになり、物語は衝撃の結末へと向かう。
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あるキング

あるキング <新潮文庫>
発売日:2015年4月30日
弱小地方球団・仙醍キングスの熱狂的なファンである両親のもとに生まれた山田王求。「王が求め、王に求められる」ようにと名づけられた少年は、チームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。期待以上に飛び抜けた才能を持つ王求だが、その圧倒的な力は周囲との軋轢をも生んでいく。シェイクスピアの「マクベス」に登場する三人の魔女と「フェアはファウル」の台詞をモチーフに、才能と孤独、運命と自由意志を描いた異色の野球小説。群像劇版・寓話版・ユーモア版の三篇を収めた完全版。
山田王求という天才野球少年の生涯を描いた伝記的なミステリー。そして伊坂ワールド満載の作品。
『完全版』には単行本版・雑誌版・文庫版の3篇が収録されています。単行本版と文庫版は結構似たような雰囲気ですが、雑誌版はそれよりライトな感じ。
気になる方は「文庫版」だけでも読めばいいと思います。
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SOSの猿

SOSの猿 <中公文庫>
発売日:2012年11月
家電量販店の店員・遠藤二郎には、イタリアで修行した「エクソシスト」というもう一つの顔がある。他人の発するSOSを見過ごせない性格の遠藤は、知人から引きこもりの息子の悪魔祓いを依頼される。一方、IT企業の社員・五十嵐真は、二十分間で三百億円の損失を出した株誤発注事故の調査を命じられる。少年の部屋で見つかった「西遊記」、五十嵐の前に現れる異形の猿。二つの物語が並行して進み、現実と幻想の境界が揺らぎ始める。漫画家・五十嵐大介との競作企画から生まれた、不思議な読書体験をもたらす異色作。
世界観が凄い……!しかし今作は途中で挫折する人、はたまた読破して2度読みする人がきっぱり分かれそうな感じ。
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オー!ファーザー

オー!ファーザー <新潮文庫>
発売日:2013年6月26日
高校生の由紀夫には父親が四人いる。ギャンブラーの鷹、大学教授の悟、中学教師の勲、バー経営者の葵。母親の知代と四人の父親に囲まれた賑やかな家庭で育った由紀夫は、ある日クラスメートに家庭の秘密を知られてしまう。さらに友人の鱒二との関わりから、知事選の候補者や裏社会の人物との事件に巻き込まれていく。個性豊かな四人の父親たちがそれぞれの得意分野を活かして息子を守る姿は、痛快そのもの。「家族とは何か」を型破りな設定で問いかける、笑いと驚きに満ちたエンターテインメント。
4人の父親がいる高校生が主人公のお話。毎回とばっちりでトラブルに巻き込まれていくんだけど、初期の伊坂作品を読んでいるような感じで好きだった。終盤に怒涛の伏線回収。ゆえに後半は一気読み。
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バイバイ、ブラックバード

バイバイ、ブラックバード <双葉文庫>
発売日:2021年2月10日
星野一彦の最後の願いは、何者かに「あのバス」で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。彼の見張り役として現れたのは、辞書の中の「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」を黒く塗り潰すような粗暴な大女・繭美。太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」へのオマージュとして書かれた本作は、女性たちとの別れの旅を通して、星野と繭美の間に生まれる不思議な関係を描いていく。切なくも温かい「さよなら」の物語は、読む者の心にそっと寄り添う。最も伊坂幸太郎らしいと評される、優しさに溢れた一冊。
"あのバス"に乗ることになった五股男が一人ずつに別れを告げに行く話。
これは面白かった!今までクスッとすることはよくあったけど吹き出して笑ったのは初めて。しかも何回も。
星野一彦と繭美のコンビ最高。破壊力ヤバいわ(笑)
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3652 : 伊坂幸太郎エッセイ集

3652 : 伊坂幸太郎エッセイ集 <新潮文庫>
発売日:2015年5月28日
デビューから十五年にわたり発表された百六編のエッセイを収めた、伊坂幸太郎初のエッセイ集。愛する小説や映画、音楽のこと、苦手なスピーチのこと、憧れのヒーローのこと。自ら「エッセイは得意ではない」と語る著者だが、趣味を語る文章にも脈々と流れる伊坂的思考と、日常を鮮やかに切り取る独特の文体が光る。小説の裏話満載のインタビュー脚注に加え、文庫版には幻の掌編「定規」「ソウルステーション」をボーナストラックとして収録。作品の背景にある著者の人柄と創作の源泉に触れられる、ファン必読の一冊。
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仙台ぐらし

仙台ぐらし <集英社文庫>
発売日:2015年6月25日
タクシーが多すぎる、見知らぬ知人が多すぎる、ずうずうしい猫が多すぎる。仙台に暮らす心配性の小説家が、身の回りで起きたちょっとおかしな出来事を軽妙な筆致で綴るエッセイ集。二〇〇五年から十年にわたる日々の記録には、地方都市ならではの人との距離感や、街角の小さな発見が愛おしく描かれている。そして東日本大震災を経験し、都市機能がマヒした仙台での暮らしと再生への思いも率直に綴られる。短編小説「ブックモビール」も特別収録。伊坂幸太郎が愛してやまない仙台の魅力が詰まった、温かくて少しおかしなエッセイ集。
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PK

PK <講談社文庫>
発売日:2023年3月15日
ある男が落下する子供を間一髪で救い出した。その勇気に触発された少年が、数年後、自らの試練に立ち向かう。心理学者アドラーの言葉「臆病は伝染する。そして勇気も伝染する」を貫く三つの中編が、緩やかに繋がりながら壮大な物語を紡いでいく。一つ一つの小さな決断がドミノのように倒れ、やがて歴史を動かす。臆病と勇気の連鎖がもたらす因果の妙。三つの物語を読み解いたとき、ある世界が見えてくる。伊坂幸太郎が人間の勇気と選択の重みを描いた、知的興奮に満ちた連作中編集。
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夜の国のクーパー

夜の国のクーパー <創元推理文庫>
発売日:2022年1月27日
仙台の港から釣りに出かけた「私」は、嵐に遭い意識を失う。目覚めると見知らぬ土地で蔓に縛られ身動きが取れない。そこに一匹の猫が現れ、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と語りかけてきた。猫が語るのは、戦争に負けた国の占領、ネズミとの奇妙な対話、そして国に語り継がれる「クーパー」と「クーパーの兵士」の伝説。やがて明らかになる、その国に隠された驚くべき秘密とは。猫が語り手という斬新な設定で、物語の構造そのものに仕掛けを施した、伊坂幸太郎の書き下ろし長編。世界の見方が反転する瞬間の鮮やかさが圧巻。
これぞ伊坂ワールド!猫が喋るので、ま~ファンタジー強めな作品です。『オーデュボンの祈り』のような世界観があります。
ラストに怒涛の伏線回収があって、これは本気でネタバレ厳禁なやつです。しかし、今回もよくだまされました。
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残り全部バケーション

残り全部バケーション <集英社文庫>
発売日:2015年12月17日
当たり屋や強請りなど、あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。ある日、足を洗いたいと申し出た岡田に、先輩の溝口が出した条件は「適当な携帯番号にかけて、その相手と友達になること」。デタラメな番号で繋がったのは、離婚寸前の男だった。こうして岡田は、崩壊間際の一家とドライブすることになる。離婚、虐待、拉致など、予想外の出来事に遭遇しながら、裏稼業コンビは型破りな方法で事態を切り開いていく。全五編の連作短編が、どこかでさりげなく繋がる仕掛け。読後に「あっ」という驚きと温かさが残る一冊。
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ガソリン生活

ガソリン生活 <朝日文庫>
発売日:2016年3月7日
この物語の語り手は、望月家の愛車・緑のデミオである。聡明な弟の亨とのんきな兄の良男が、ドライブ中に乗せたある女優が翌日急死した。事故か、事件か。一家は謎に巻き込まれ、思わぬ騒動に発展していく。車同士が楽しくおしゃべりし、人間たちの行動を観察するという唯一無二の視点で描かれる、愛すべき家族の冒険譚。車ならではの目線から見る人間社会は、どこかおかしくて、どこか温かい。ミステリーとユーモアが絶妙に溶け合った、伊坂幸太郎の新境地を拓くオフビートな長編小説。
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死神の浮力

死神の浮力 <文春文庫>
発売日:2025年3月5日
幼い娘を殺された山野辺夫妻。容疑者は逮捕されるも、一審で無罪判決が下される。良心を持たないサイコパスとしか思えないその男への復讐を誓う夫婦の前に、音楽好きでどこかとぼけた男・千葉が現れる。彼の正体は、『死神の精度』で活躍した死神だった。千葉の調査対象は夫の山野辺。果たして山野辺は「可」と判定されるのか。死神が傍らにいるとも知らず、復讐へと突き進む夫婦の姿を描く長編サスペンス。千葉の独特のズレた言動がシリアスな物語に不思議な浮力を与え、重厚でありながら軽やかな読後感をもたらす。
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首折り男のための協奏曲

首折り男のための協奏曲 <新潮文庫>
発売日:2016年11月29日
被害者は一瞬で首を捻られ、殺された。殺し屋の名は「首折り男」。テレビ報道を見て隣人の彼が犯人ではないかと疑う老夫婦、いじめに遭う中学生は彼に助けられ、合コンの席では首折り殺人が話題に上る。一方、泥棒の黒澤は恋路の調査に盗みの依頼と大忙し。首折り男と黒澤、二人の男を軸に七つの物語が絡み、繋がり、やがて驚きの結末へと至る。もともと別々に書かれた短編を再構成し、全体として一つの物語に仕立て上げた、伊坂幸太郎の技巧が光る贅沢な連作集。予想を裏切る展開の連続に、最後まで目が離せない。
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アイネクライネナハトムジーク

アイネクライネナハトムジーク <幻冬舎文庫>
発売日:2017年8月4日
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL。日常のふとした瞬間に訪れる出会いと別れ。運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、小さな奇跡が静かに起こる。六つの短編に登場する人々の人生が緻密に交差し、最終話「ナハトムジーク」ですべての登場人物が一堂に会したとき、物語は一つの大きな奇跡を生み出す。シンガーソングライター斉藤和義の依頼から生まれた、「出会い」と「人の繋がり」をテーマにした温かな連作短編集。映画化もされた珠玉の恋愛群像劇。
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キャプテンサンダーボルト

キャプテンサンダーボルト <新潮文庫>
発売日:2020年9月29日
借金返済のため一攫千金を狙う相葉時之と、かつての級友・井ノ原悠。二人の再会が、巨大な陰謀の渦に巻き込まれるきっかけとなる。蔵王の御釜が発生源とされる謎の感染症「村上病」、同地に墜落したB29爆撃機、そして公開中止になった特撮映画。深まる謎と追走劇の果てに明かされる真相とは。伊坂幸太郎と阿部和重という現代文学を代表する二人の作家が、構想・執筆に四年をかけた合作長編。二つの才能が化学反応を起こした、問答無用のノンストップ・サスペンス。
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火星に住むつもりかい?

火星に住むつもりかい? <光文社文庫>
発売日:2018年4月12日
「安全地区」に指定された仙台を、「平和警察」が監視する。市民の密告と監視カメラにより「危険人物」と見なされた者は、即座に逮捕され公開処刑される。一度捕まれば無実を証明する術はない。この不条理な世界で、黒ずくめの「正義の味方」だけが、窮地に陥った人々を救い出していく。ディストピア小説でありながら、伊坂幸太郎ならではのユーモアと皮肉が随所に散りばめられた異色作。「火星に住むつもりかい?」という問いは、この理不尽な世界で生き抜くのか、それとも逃げ出すのかを読者に突きつける。
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ジャイロスコープ

ジャイロスコープ <新潮文庫>
発売日:2015年6月26日
デビュー十五年の節目に贈る、七つの短編を収めた万華鏡のような一冊。スーパーの駐車場で「相談屋」を営む稲垣さんの下で働くことになった青年の物語「浜田青年ホントスカ」、バスジャック事件の「もしも」を描く「if」、新幹線の清掃員たちの仕事を描いた「彗星さんたち」など、バラエティ豊かな世界が展開される。タイトルの「ジャイロスコープ」は回転するコマを三つの輪で支える装置のこと。軸を同じにしながら、それぞれが驚きと意外性に満ちた個性を放つ、伊坂幸太郎の魅力が凝縮された短編集。
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ホワイトラビット

ホワイトラビット <新潮文庫>
発売日:2020年6月24日
仙台の住宅街で人質立てこもり事件が発生。SITが出動するも、犯人からの要求は予想外のものだった。事の発端は、誘拐グループに所属する兎田の新妻・綿子が別の組織に誘拐されたこと。兎田は綿子を取り戻すため、ある人物を連れてくるよう要求される。警察、犯人、泥棒。まったく異なる立場の人々の物語が同時進行で語られ、複数の事件が少しずつ絡み合い、最後に見事に結びつく。伊坂幸太郎が誘拐と立てこもりを題材に、群像劇の妙を極めた長編ミステリー。二転三転する展開に、最後まで翻弄される快感がある。
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フーガはユーガ

フーガはユーガ <実業之日本社文庫>
発売日:2021年10月7日
常盤優我は、ファミレスで一人の男に向かって語り始める。双子の兄弟・風我との不幸な子供時代、父親からの理不尽な暴力、そして誕生日にだけ起こる不思議な現象のことを。二時間おきに双子の体が入れ替わるその能力は、五歳のとき、風我が父の暴力から優我を救うために初めて発動した。成長した二人は大切な人々と出会い、やがてその特別な力を武器に、巨大な悪に立ち向かう決意をする。双子の絆と成長を描いた、伊坂幸太郎史上「最も切なく、最も温かい」と評される感動作。
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シーソーモンスター

シーソーモンスター <中公文庫>
発売日:2022年10月21日
バブルに沸く昭和後期、北山家では元情報員の嫁・宮子と姑のセツが熾烈な争いを繰り広げていた。板挟みの夫・直人は右往左往するばかり。一方、アナログに回帰した近未来では、配達人の水戸が一通の手紙をきっかけに事件に巻き込まれ、因縁の相手に追われる。「海族」と「山族」の対立を軸にした二つの中編が、時代を超えて響き合う。八人の作家が参加した「螺旋プロジェクト」の一作として書かれた本作は、運命を変えることはできるのかという普遍的な問いを、伊坂らしいユーモアとスピード感で描き出す。
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クジラアタマの王様

クジラアタマの王様 <新潮文庫>
発売日:2022年6月27日
製菓会社の広報部に勤める岸は、異物混入のクレーム対応に追われる日々を送っていた。ある日、奇妙な男が岸のもとを訪れ、それを境に日常が非日常へと変貌していく。夢の中で巨大な怪物、矢を投げる人々、動かない鳥に遭遇する岸。それは現実の危機を象徴するものなのか。やがて一人の政治家の登場によって状況は一変し、思いがけない繋がりが明らかになる。文章の中にサイレント漫画のコマが挿入されるという斬新な手法を取り入れた、伊坂幸太郎の挑戦的な長編。現実と夢が交差する不思議な読書体験を味わえる。
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逆ソクラテス

逆ソクラテス <集英社文庫>
発売日:2023年6月20日
「僕はそうは思わない」。小学校を舞台にした五つの短編で、子供たちは大人の先入観や固定観念に立ち向かう。学力も運動もそこそこの少年が転校生の安斎と共に仕掛ける痛快な作戦、運動音痴の少年がくじ引きでリレー選手に選ばれてしまう物語など、どの話にも「敵は先入観」というメッセージが貫かれている。逆境に立ち向かう小さなヒーローたちの姿は、子供だけでなく大人の心にも響く。本屋大賞候補作。伏線の回収と各話の繋がりが鮮やかな、伊坂幸太郎による新たな傑作短編集。
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ペッパーズ・ゴースト

ペッパーズ・ゴースト <朝日文庫>
発売日:2024年12月6日
中学の国語教師・檀には、他人の未来が少しだけ見える不思議な力があった。ある日、生徒から渡された小説原稿には、猫を愛する奇妙な二人組「ネコジゴハンター」の物語が書かれていた。現実世界で檀が巻き込まれていく事件と、小説の中のネコジゴハンターの冒険が並行して進み、やがて二つの物語は思いがけない形で交わっていく。小説内小説という入れ子構造を駆使し、虚構と現実の境界を揺るがす伊坂幸太郎の集大成的長編。物語を読むこと、書くことの意味を問いかける、知的興奮に満ちた一冊。
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マイクロスパイ・アンサンブル

マイクロスパイ・アンサンブル <幻冬舎文庫>
発売日:2025年8月7日
振られたばかりの社会人一年生、居場所のないいじめられっ子、いつも謝ってばかりの頼りない上司。いま見えていることだけが世界のすべてじゃない。知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり。残業中のオフィスで、事故現場で、フェス会場で、小さな奇跡が起きる。猪苗代湖畔の音楽フェス「オハラ☆ブレイク」のために七年にわたり書き下ろされた連作短編をまとめた一冊。目に見えない繋がりが紡ぐ優しさと驚きに満ちた、現代版おとぎ話。伊坂ワールドの温かさが凝縮された短編集。
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楽園の楽園

楽園の楽園 <単行本>
発売日:2025年1月22日
大規模停電、強毒性ウイルスの蔓延、飛行機墜落事故。世界が立て続けに混乱に陥った原因は、謎の人工知能「天軸」の暴走と考えられた。選ばれし三人の旅人――五十九彦、三瑚嬢、蝶八隗は、人工知能の開発者が残した巨大な樹の絵画「楽園」を手がかりに、暴走する天軸の所在を探る旅に出る。西遊記を想起させる冒険譚を、気鋭のアーティスト井出静佳の装画・挿絵が彩る。伊坂幸太郎デビュー二十五周年記念の書き下ろし長編にして、「伊坂幸太郎史上最も美しい一冊」と称される物語。
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パズルと天気

パズルと天気 <単行本>
発売日:2025年5月30日
マッチングアプリでしか出会えない「名探偵」に悩みを相談する青年、仙台七夕まつりで出荷した竹にかぐや姫が混入する騒動、動物園でシロクマ好きの姉の元恋人と再会する女性、犬たちの記憶を刺激する謎の男、友人の結婚式で新婦からある相談を持ちかけられる男。「他人のことはパズルだと思うよりも、天気だと思ったほうがいい」。伊坂幸太郎デビュー二十五周年に贈る、五つの短編を収めた「幸せ」な一冊。単著未収録作品に完全書き下ろしを加えた、伊坂ワールド全開の短編集。
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さよならジャバウォック

さよならジャバウォック <単行本>
発売日:2025年10月22日
結婚直後の妊娠と夫の転勤をきっかけに、夫は別人のように冷たくなった。暴言に耐え息子を育ててきた量子だが、ついに暴力を振るわれた日、自宅の浴室で夫が倒れている。途方に暮れる量子のもとに、大学時代の後輩・桂凍朗が訪ねてくる。やがて量子は、破魔矢と絵馬と名乗る若い夫婦と行動を共にすることになり、夫に取り憑いた「ジャバウォック」なる存在と、その研究をする桂の秘密を知らされる。振り回されているうちに二十年の時が流れていた。衝撃の「この物語の正体」に気づいたとき、世界が一変する。伊坂幸太郎デビュー二十五周年の書き下ろし長編ミステリー。
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