高田崇史の作品一覧

72作品を表示

QED 百人一首の呪 初刊:1998年12月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

百人一首カルタの蒐集家として知られる会社社長・真榊大陸が、自宅で惨殺された。手には一枚の札が握られていたが、関係者には揃ってアリバイがあり、事件は不可能犯罪の様相を呈する。捜査が行き詰まるなか、博覧強記の薬剤師・桑原崇は、藤原定家が選んだ百首の配列や歌人たちの関係に目を向ける。残された札は犯人を示す言葉なのか、それとも千年近く封じられてきた秘密への入口なのか。歌の知識が推理の装飾ではなく、犯行の見え方そのものを変えていく構成も読みどころだ。古典文学の常識を大胆に問い直す歴史推理と、現代の殺人事件が交差する、第9回メフィスト賞受賞作、QEDシリーズ第1巻。

書籍情報

QED 百人一首の呪 <講談社文庫>

発売日:2002年10月16日

QEDシリーズ 長編
QED 六歌仙の暗号 初刊:1999年5月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

「七福神は呪われている」――明邦大学で起きた連続怪死事件以来、その研究は触れてはならない禁忌となっていた。棚旗奈々の後輩・貴子は、亡き兄の遺志を継いで論文を完成させようとするが、調査を再開した周囲で新たな異変が動き出す。相談を受けた薬剤師・桑原崇は、七福神の顔ぶれと六歌仙の奇妙な共通点、歌に潜む暗号へと迫っていく。なぜ彼らは「選ばれた」のか。大学に残る恐怖と若者の執念が交差し、学問を受け継ぐことの危うさまで浮き彫りになる。知の継承が新たな死を招く皮肉にも息を呑む。古代の信仰と王権の影が現代の事件を照らし、忘れられた歴史が容赦ない論理で姿を現す、QEDシリーズ第2巻。

書籍情報

QED 六歌仙の暗号 <講談社文庫>

発売日:2003年3月15日

QEDシリーズ 長編
QED ベイカー街の問題 初刊:2000年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

シャーロック・ホームズを愛する者たちの集い「ベイカー・ストリート・スモーカーズ」。そのパーティーに参加した桑原崇と棚旗奈々は、華やかな会場で起きた連続殺人に巻き込まれる。現場に残されたのは、ホームズ譚を思わせる不可解なダイイング・メッセージ。参加者それぞれの知識と解釈が錯綜し、虚構の名探偵をめぐる議論は、やがて現実の殺意と結びついていく。犯人が物語になぞらえたものは何か。そしてホームズ像そのものに潜む秘密とは。原典を知る読者ほど先入観を試され、知らない読者も二重の謎を追う興奮に引き込まれる。愛好家たちの矜持も鋭く衝突する。文学への偏愛と本格推理が火花を散らす、QEDシリーズ第3巻。

書籍情報

QED ベイカー街の問題 <講談社文庫>

発売日:2003年9月12日

QEDシリーズ 長編
QED 東照宮の怨 初刊:2001年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

貴重な「三十六歌仙絵」を狙う連続強盗殺人が発生した。不可解な犯行を追う桑原崇は、手がかりが豪華絢爛な日光東照宮へつながっていることに気づく。陽明門、三猿、北極星、薬師如来、摩多羅神、北斗七星――境内に配された意匠や信仰を読み解くほど、徳川家康を神として祀った巨大建築の別の顔が浮かび上がる。天海僧正は東照宮に何を仕掛け、後世へ何を伝えようとしたのか。建築、天文、仏教が幾重にも重なる迷宮を歩くように、事件の風景が次々と意味を変える。豪奢な装飾の一つ一つが、やがて証言のように語り始める。現代の犯罪と江戸初期の宗教的構想を結ぶ「深秘」に崇の知性が挑む、QEDシリーズ第4巻。

書籍情報

QED 東照宮の怨 <講談社文庫>

発売日:2004年3月16日

QEDシリーズ 長編
千葉千波の事件日記 試験に出るパズル 初刊:2001年9月 千葉千波シリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

眉目秀麗、頭脳明晰な高校生・千葉千波くんのもとには、なぜか一筋縄ではいかない難問が集まってくる。語り手で従兄の浪人生「八丁堀」や仲間たちが持ち込むのは、金塊の重さ、人物の証言、奇妙な行動などを手がかりに、筋道を立てなければ答えへ届かない事件ばかり。軽妙な掛け合いの裏で、千波くんは条件を一つずつ整理し、思い込みの罠を外して鮮やかな解を示す。問題文に潜む言葉の罠を見破れるか、各編でいったん立ち止まり、千波くんと知恵比べを楽しみたい。読者も登場人物と同じ地点から挑戦できる五つの物語と解答編を収めた、笑いと知的興奮に満ちた論理パズル・ミステリー、千葉千波シリーズ第1巻。

書籍情報

千葉千波の事件日記 試験に出るパズル <講談社文庫>

発売日:2004年8月10日

千葉千波シリーズ 短編集
QED 式の密室 初刊:2002年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

陰陽師の末裔とされる弓削家で、当主・清隆が密室のなか変死した。事件は自殺として閉じられたが、三十年後、孫の和哉は「目に見えない式神による殺人」だったと訴える。相談を受けた桑原崇は、封じられた一族の記憶と現場の条件を洗い直す一方、安倍晴明をめぐる伝説がどのように形づくられたのかを辿っていく。人ならざるものは、本当に鍵のかかった部屋へ入れたのか。怪異を否定するだけでは届かない、人が伝説を必要とした理由まで視野に入れた謎解きが冴える。三十年前の沈黙を破るほど、家族の秘密もきしみ始める。過去の密室と陰陽道の闇が重なるとき、式神という言葉の意外な輪郭が現れる、QEDシリーズ第5巻。

書籍情報

QED 式の密室 <講談社文庫>

発売日:2005年3月15日

QEDシリーズ 長編
千葉千波の事件日記 試験に敗けない密室 初刊:2002年6月 千葉千波シリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

天才高校生・千葉千波くん、浪人生の「八丁堀」と慎之介は、土砂崩れで外界から閉ざされた十三塚村に取り残される。脱出の道が断たれた村では、「神裁きの土牢」や「開かずの納戸」を舞台に、常識では説明できない密室事件が次々と発生。古い因習と不安が人々を縛るなか、千波くんは超自然の仕業に見える現象を、条件と証言から冷静に組み立て直していく。村から出られない切迫感のなか、密室の条件が一つずつ反転する過程を読者も追体験できる。伝承への恐怖が、閉じ込められた人々の理性まで奪っていく。閉鎖空間そのものが巨大なパズルへ変わる緊張感と、三人のユーモラスな応酬を味わえる本格論理ミステリー、千葉千波シリーズ第2巻。

書籍情報

千葉千波の事件日記 試験に敗けない密室 <講談社文庫>

発売日:2005年9月1日

千葉千波シリーズ 短編集
千葉千波の事件日記 試験に出ないパズル 初刊:2002年11月 千葉千波シリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

天才高校生・千葉千波くんと、従兄の浪人生「八丁堀」たちの日常には、毎月のように妙な難問が立ちはだかる。有名な川渡し問題を思いがけない物語へ仕立てた「山羊・海苔・私」、図書館を舞台に暗号へ挑む「八丁堀図書館の秘密」など、冗談めいた問いがいつしか事件の核心へ変わっていく。与えられた条件は十分なのか、言葉の意味を取り違えていないか。千波くんの端正な推理を追いながら、読者自身の思考の癖まで試される。肩の力を抜いた語り口とは裏腹に、一語の読み違いが結論を左右する緻密さが心地よい。解けない悔しささえ楽しい、参加型の読み味が魅力だ。小説と論理パズルが溶け合ったユーモア短編集、千葉千波シリーズ第3巻。

書籍情報

千葉千波の事件日記 試験に出ないパズル <講談社文庫>

発売日:2005年12月1日

千葉千波シリーズ 短編集
QED 竹取伝説 初刊:2003年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

不吉な手毬唄が伝わる奥多摩の織部村で、歌詞をなぞるような猟奇殺人が起きた。「笹姫様」の悲劇を再現するかのように犠牲者が出るなか、村に招かれた桑原崇と棚旗奈々は、閉ざされた土地の因習と人間関係を探る。崇が注目したのは、誰もが知る『竹取物語』と、七夕や竹にまつわる古い信仰だった。月から来たかぐや姫とは何者で、なぜ物語はあの結末を選んだのか。唄の順序と村の過去を照合するほど、昔話を無邪気には読めなくなる不穏さが深まっていく。山村の美しい自然と凶行の対比が、さらに忘れがたい余韻を残す。童話として親しまれてきた伝承の裏側と現代の殺意が響き合う、QEDシリーズ第6巻。

書籍情報

QED 竹取伝説 <講談社文庫>

発売日:2006年3月15日

QEDシリーズ 長編
麿の酩酊事件簿 花に舞 初刊:2003年7月 麿の酩酊事件簿シリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

名門・勧修寺家の十七代目当主にして、ベンチャー企業を率いる勧修寺文麿。三十一歳の独身貴族は花嫁探しの真っ最中だが、家に伝わる理不尽な婚姻家訓が大きな壁となっている。しかも彼が心惹かれる美女たちは、そろって奇妙な事件や厄介事を連れてくる。普段はどこか頼りない文麿も、酒が入るほど頭が冴え、絡み合った証言から真相を鮮やかに導き出す。しかし事件を解決しても、恋の行方は思うように進まない。事件のたびに候補者が遠ざかる皮肉も可笑しく、華麗な暮らしの孤独にはほろ苦さが漂う。酒量に比例して冴える推理という奇抜な探偵像も痛快だ。雅な家柄と現代社会、本格推理と恋騒動を美酒で結んだ連作集、麿の酩酊事件簿第1巻。

書籍情報

麿の酩酊事件簿 花に舞 <講談社文庫>

発売日:2006年7月12日

麿の酩酊事件簿シリーズ 短編集
麿の酩酊事件簿 月に酔 初刊:2003年11月 麿の酩酊事件簿シリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

時代錯誤な家訓に阻まれ、いまだ結婚できない勧修寺家の御曹司・文麿。女医、中国語通訳、陶芸家、旅館の若女将姉妹――行く先々で魅力的な女性に一目惚れするものの、彼女たちの周囲では不可解な事件が起きてしまう。素面では調子が出ない文麿も、美酒を口にすれば観察力と推理力が目覚め、思わぬ手がかりをつないで難題を解決。ところが肝心の恋路は、酔いが醒めるより早く遠ざかっていく。銘酒の香りや旅先の空気が各事件を彩り、酔いと醒めの落差が人間味ある余韻を残す。一話ごとに異なる酒が、謎と恋の味わいを深めている。多彩な酒と土地の風情、軽妙な人間模様を本格謎解きに仕立てた連作集、麿の酩酊事件簿第2巻。

書籍情報

麿の酩酊事件簿 月に酔 <講談社文庫>

発売日:2006年11月16日

麿の酩酊事件簿シリーズ 短編集
QED 龍馬暗殺 初刊:2004年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

高知の山奥、平家の落人伝説を守る蝶ヶ谷村。大学の後輩・全家美鳥を訪ねた桑原崇と棚旗奈々たちは、土砂崩れによって外界から切り離され、殺人と自殺が続く一夜に巻き込まれる。因習に閉ざされた村で疑心暗鬼が広がる一方、幕末の英雄・坂本龍馬を暗殺した黒幕を明かすという手紙の存在が浮上する。現代の惨劇と京都近江屋の一件は、どこで結びつくのか。嵐と孤立が逃げ場を奪うなか、誰が味方なのか分からない緊張が夜明けまで続いていく。歴史上の英雄への憧れさえ疑わせる大胆な視点も鮮烈だ。落人伝説、土佐の歴史、龍馬像に潜む矛盾を崇が読み解く、山村ミステリーと歴史推理が融合したQEDシリーズ第7巻。

書籍情報

QED 龍馬暗殺 <講談社文庫>

発売日:2007年3月15日

QEDシリーズ 長編
鬼神伝 鬼の巻 初刊:2004年1月 鬼神伝シリーズ ファンタジー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

京都に暮らす中学生・天童純は、密教僧・源雲の法力によって、時空を超えた平安京へ飛ばされる。そこでは都を支配する貴族たち「人」と、討伐される「鬼」が激しく憎み合っていた。選ばれし者として雄龍霊を目覚めさせ、鬼退治へ向かった純だが、鬼の少女・水葉との出会いが正義の輪郭を揺さぶる。彼女は、鬼こそ大和の古い神々の子孫だと語るのだった。歴史を書き残したのは誰で、悪と呼ばれた者たちは何を奪われたのか。純の目を通して善悪が何度も反転し、戦う力より他者の言葉を聞く勇気が問われていく。水葉のまっすぐな言葉が、純の胸に消えない問いを残す。少年が敵味方の境界を越えて選択を迫られる歴史ファンタジー、鬼神伝〈鬼の巻〉。

書籍情報

鬼神伝 鬼の巻 <講談社文庫>

発売日:2015年5月15日

鬼神伝シリーズ 長編
鬼神伝 神の巻 初刊:2004年4月 鬼神伝シリーズ ファンタジー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

現代へ戻った天童純は、再び平安時代へ導かれ、鬼の少女・水葉や仲間たちと再会する。貴族側は鬼神を完全に封じるため、純が持つ三種の神器の一つ・草薙剣を奪おうと暗躍し、ついには禁断の計画を実行へ移す。「人」と「鬼」の戦いが苛烈さを増すなか、大切な仲間を失った純は、自分の命より守りたいものと向き合うことになる。勝者が歴史を定める世界で、彼はどちらの声を信じるのか。迫力ある合戦の一方で、喪失を抱えた純の成長と、水葉との絆の行方が物語を強く支える。戦いの果てに待つ選択は、勝敗より重い意味を持つ。神々の起源と少年の決断を壮大な戦いのなかに描く歴史ファンタジー、鬼神伝〈神の巻〉。

書籍情報

鬼神伝 神の巻 <講談社文庫>

発売日:2015年6月12日

鬼神伝シリーズ 長編
QED ~ventus~ 鎌倉の闇 初刊:2004年8月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社。鎌倉を歩く棚旗奈々と沙織の姉妹に、桑原崇は神々が生まれる三つのかたちを語り、源頼朝から実朝へ至る源氏三代の謎を紐解いていく。その旅と並行して浮上するのは、密室から忽然と消えた会社社長の不可解な失踪事件。古都に残る社寺の配置、怨霊を鎮める信仰、短命に終わった鎌倉将軍家の記憶が、現代の密室へ思わぬ光を投げかける。観光地の明るい表情から一歩奥へ入るたび、怨霊都市・鎌倉の冷たい気配が濃くなる。社寺の由緒が密室の鍵へ変わる瞬間に、大きく鮮やかな驚きがある。歴史の「闇」と事件現場の「空白」が一つの像を結ぶまでを描く、QEDシリーズ第8巻。

書籍情報

QED ~ventus~ 鎌倉の闇 <講談社文庫>

発売日:2007年9月14日

QEDシリーズ 長編
QED 鬼の城伝説 初刊:2005年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

桃太郎の鬼退治は、本当に曇りのない勧善懲悪だったのか。岡山・吉備津神社には、大和朝廷に討たれた鬼神・温羅が釜を鳴らして吉凶を告げるという「鳴釜神事」が伝わる。旅の途中で桑原崇たちが出会った旧家にも、鳴れば主が死ぬと恐れられる大釜があり、ほどなく土蔵で長男の生首が発見された。怪異を思わせる予告と凄惨な事件を前に、崇は吉備の製鉄文化と征服の記憶を辿る。英雄と悪鬼を分けたのは誰なのか。釜の音が死を告げる閉鎖的な旧家で、伝説を信じる心そのものが巧みに試される。桃太郎を信じて育った読者の記憶にも、鋭い疑問を投げかける。昔話の裏で封じられた敗者の声に迫る、QEDシリーズ第9巻。

書籍情報

QED 鬼の城伝説 <講談社文庫>

発売日:2008年3月14日

QEDシリーズ 長編
千葉千波の事件日記 パズル自由自在 初刊:2005年3月 千葉千波シリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

これは論理パズルで飾った本格ミステリーなのか、それとも本格ミステリーの姿を借りた究極の頭の体操なのか。天才高校生・千葉千波くん、平凡な浪人生の「八丁堀」、個性的な仲間たちの前に、日常の盲点を突く問いや、事件の構図を反転させる難問が次々と現れる。必要なのは膨大な知識ではなく、提示された条件を疑い、言葉を正確に読み、筋道を最後まで通すこと。日常的な設定から思いがけない難問が立ち上がるため、短い一編でも濃密な達成感が味わえる。問題を飛ばさず考えれば、登場人物と同じ爽快感に届くだろう。軽快な会話に笑いながら考え、解答の鮮やかさにもう一度ページを戻りたくなる、遊び心あふれる論理ミステリー短編集、千葉千波シリーズ第4巻。

書籍情報

千葉千波の事件日記 パズル自由自在 <講談社文庫>

発売日:2008年7月15日

千葉千波シリーズ 短編集
QED ~ventus~ 熊野の残照 初刊:2005年8月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

人には明かせない理由から故郷・熊野を離れた二十六歳の薬剤師・神山禮子は、何かに導かれるように熊野旅行へ参加する。そこで棚旗奈々や桑原崇と出会い、封じてきた過去と向き合うことになる。後鳥羽上皇らは、なぜ険しい道を越えて熊野詣を繰り返したのか。誓約の証である牛王宝印にはどんな呪が込められ、三本足の八咫烏は何を象徴するのか。霊場の歴史を崇が解くほど、禮子を縛る秘密も静かに輪郭を帯びていく。紀伊山地の静けさと禮子の揺れる心が寄り添い、謎解きの先にほのかな救いが差し込む。巡礼の道そのものが、過去を受け入れるための時間となる。熊野の深い森と再生の祈りを描く、QEDシリーズ第10巻。

書籍情報

QED ~ventus~ 熊野の残照 <講談社文庫>

発売日:2008年10月15日

QEDシリーズ 長編
QED 神器封殺 初刊:2006年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

熊野で「毒草師」を名乗る御名形史紋と出会った薬剤師・桑原崇。二人の知性が交錯するなか、病院のオーナーが日本刀で斬殺される事件が起こり、疑惑は医療の現場から古代日本へと広がっていく。犯行の背景を追う崇と史紋が注目したのは、皇位の象徴とされる三種の神器と、神々を祀るため全国に築かれた神社だった。神器は何を封じ、なぜその由来は曖昧なまま語られてきたのか。似て非なる二人の博識家が互いを測る応酬もスリリングで、知の対決が事件を加速させる。知識を武器にする二人の緊張は、最後まで一歩も譲らない。二人の異なる推理が現代の殺意と国家神話の核心を挟撃する、QEDシリーズ第11巻。

書籍情報

QED 神器封殺 <講談社文庫>

発売日:2009年5月15日

QEDシリーズ 長編
QED ~ventus~ 御霊将門 初刊:2006年10月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

花見に出かけたはずの棚旗姉妹と桑原崇は、靖国神社を皮切りに、築土神社、神田明神、首塚、兜神社、成田山新勝寺へと、平将門ゆかりの地を巡ることになる。朝廷に背いた逆賊であり、日本を代表する大怨霊とされる将門。しかし各地に残る信仰と伝承を丹念につなぐと、理不尽な支配に抗った別の姿が見え始める。なぜ人々は彼を恐れながら祀り、都市の中心にその記憶を残したのか。都心に点在する将門の痕跡を実際に歩くような臨場感と、軽妙な旅の会話も楽しい。悪名と信仰が同居する理由に、江戸と東京の本質が見えてくる。春の東京を歩きつつ、歴史の勝者が刻んだ汚名を崇が反転させる、QEDシリーズ第12巻。

書籍情報

QED ~ventus~ 御霊将門 <講談社文庫>

発売日:2009年11月13日

QEDシリーズ 長編
QED 河童伝説 初刊:2007年2月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

河童伝説が残る川で、左手首を切断された死体が見つかり、続いて左腕を失った新たな遺体が浮かぶ。相馬野馬追を見物していた棚旗奈々たちは、岩手県遠野まで足を延ばした桑原崇と合流するが、そこでも血なまぐさい事件に直面する。水辺の妖怪として親しまれる河童は、なぜ地域ごとに異なる姿で語られ、差別と畏怖の記憶を背負ったのか。切断された腕が示す意味を追ううち、二つの土地の事件と伝承が結びついていく。遠野物語の世界を思わせる土地の空気が、腕を奪う犯人の異様な執着をいっそう際立たせる。怪物の名で覆われた現実の悲劇が、胸に重く残る。民話の陰に置き去りにされた人々の痛みを掘り起こす、QEDシリーズ第13巻。

書籍情報

QED 河童伝説 <講談社文庫>

発売日:2010年3月12日

QEDシリーズ 長編
毒草師 QED Another Story 初刊:2007年4月 毒草師シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

名家・鬼田山家で、家人が「一つ目の鬼を見た」と言い残し、鍵のかかった離れから次々に姿を消す。やがて長男・柊也まで何者かに毒殺され、旧家に伝わる怪異は現実の恐怖へ変わっていく。調査に乗り出すのは、古今東西の薬と毒に精通し、「恐ろしいのは毒草ではなく人間」と言い切る御名形史紋。傲岸不遜な彼は、伊勢物語に現れる一つ目の鬼と、失踪を可能にした仕掛けを同じ視野に収める。愛想のない史紋と周囲の人物の駆け引きも鮮烈で、毒の知識が人間の欲望を容赦なく暴く。旧家を満たす疑心暗鬼が、閉ざされた離れをさらに不気味にする。伝承、密室、毒殺の三つの謎を鮮烈な論理で断ち切る、毒草師シリーズ第1巻。

書籍情報

毒草師 QED Another Story <講談社文庫>

発売日:2010年8月12日

毒草師シリーズ 長編
QED ~flumen~ 九段坂の春 初刊:2007年8月 QEDシリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

桜の木の下で、花びらを握りしめた男の遺体が発見された。中学生の桑原崇が淡い思いを寄せる教師・五十嵐弥生は、事件とどんな関わりを持つのか。崇の初恋、棚旗奈々のファーストキス、小松崎や御名形の学生時代――おなじみの人物たちの若き日を描く物語が、鎌倉宮、浅草寺、熊野灘など各地の記憶をたどりながら連なっていく。別々に見えた出会いと別れ、事件の糸は、やがて一本の美しい「縁」へ。本編では見えにくかった人物たちの原点が明かされ、後の関係を知るほど胸に残る場面が増えていく。四季の気配をまとった各編が、人物同士の距離を丁寧に映す。切なさと謎解きが青春の光のなかで響き合う、QEDシリーズ短編集。

書籍情報

QED ~flumen~ 九段坂の春 <講談社文庫>

発売日:2011年4月15日

QEDシリーズ 短編集
クリスマス緊急指令 きよしこの夜、事件は起こる! 初刊:2007年11月 単発(ノンシリーズ) ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

街が光に包まれるクリスマスにも、事件は休んでくれない。大伴黒主の歌がダイイング・メッセージとして残される「鏡影」、バーでカクテルを傾けながら相談者の謎と心を解きほぐす一編、調律を誤ったオルゴールの音色が宿泊客の人生を揺らす物語など、高田崇史が聖夜の不可思議を多彩な趣向で描く。華やかな祝祭の裏に潜む殺意、すれ違い、忘れられない思いは、どんな解答へたどり着くのか。雪や灯りといった季節の情景は、解決の驚きだけでなく、誰かを思う温かな感情も引き立てる。聖夜ならではの奇跡を感じさせる結末も待っている。歴史推理、ユーモア、ハートフルな物語が並び、短編ならではの鮮やかな余韻を楽しめるクリスマス・ミステリー集。

書籍情報

クリスマス緊急指令 きよしこの夜、事件は起こる! <講談社文庫>

発売日:2010年12月15日

短編集
QED 諏訪の神霊 初刊:2008年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

巨大な御柱が坂を滑り落ち、男たちが命がけで群がる御柱祭。七十五頭もの鹿の首を供えたという御頭祭。長野県・諏訪大社に伝わる奇祭を調べるため現地を訪れた桑原崇と棚旗奈々は、不可解な連続殺人に遭遇する。荒々しい祭礼の奥にあるのは、豊穣への祈りか、それとも長く封じられた犠牲の記憶か。御柱、御贄柱、怨念柱――似た言葉の連なりを手がかりに、崇は諏訪信仰の深層へ降りていく。巨大な柱が山を下る迫力と、静かに積もった怨念の対比が、土地の記憶を生々しく伝える。祭りを見物する高揚が、事件によって一気に恐怖へ反転する。千二百年の歴史と現代の殺意が一本の柱で結ばれる、QEDシリーズ第15巻。

書籍情報

QED 諏訪の神霊 <講談社文庫>

発売日:2011年8月12日

QEDシリーズ 長編
毒草師 白蛇の洗礼 初刊:2008年4月 毒草師シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

裏千家の茶席で、招待客の一人が毒に倒れた。事件を追う編集者・西田真規の前で、第二の被害者は吐いた血によって十字を描き、同席者が次々と命を落としていく。犯行は茶道の作法を利用したものなのか、それとも宗教的な儀式なのか。傲岸不遜で博覧強記の毒草師・御名形史紋は、毒物の性質と千利休の奇妙な経歴、茶の湯に潜むキリスト教の影を同時に見据える。閉じた茶室で誰が毒を使えたのかという本格的な問いと、利休像の再検討が緊密に絡み合う。一服の茶を口にする動作さえ、次の凶行への予兆に見えてくる。静謐な茶室に満ちる緊張のなか、歴史と毒殺を結ぶ意外な構図へ迫る、毒草師シリーズ第2巻。

書籍情報

毒草師 白蛇の洗礼 <朝日文庫>

発売日:2012年11月7日

毒草師シリーズ 長編
カンナ 飛鳥の光臨 初刊:2008年11月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

伊賀忍者の末裔で、出賀茂神社の気楽な跡取り・鴨志田甲斐。その平穏な日常は、門外不出の社伝『蘇我大臣馬子傳暦』が盗まれたことで一変する。現役東大生のアルバイト巫女・中村貴湖と飛鳥へ向かった甲斐は、古代史の痕跡を追うさなか密室殺人に巻き込まれる。社伝には、蘇我馬子や聖徳太子をめぐる「表の日本史」を覆す何が記されているのか。どこか頼りない甲斐が、貴湖との反発や協力を通して、自分に眠る忍びの力へ向き合っていく。古代の都を歩く臨場感が、密室捜査に冒険小説の速度を与える。忍びの技と歴史推理、若者たちの危うい冒険が交錯し、闇に葬られた過去への扉が開く、カンナシリーズ第1巻。

書籍情報

カンナ 飛鳥の光臨 <講談社文庫>

発売日:2012年1月17日

カンナシリーズ 長編
カンナ 天草の神兵 初刊:2009年1月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

盗まれた秘密の社伝『蘇我大臣馬子傳暦』を追い、伊賀忍者の血を引く鴨志田甲斐は、巫女の中村貴湖らと九州・天草へ向かう。そこでは児童養護施設「ロザリオ園」のシスターが撲殺され、神父が犯人を匿っているとの疑いが広がっていた。真相を探る甲斐の前に立ちはだかるのは、島原・天草一揆を率いた「神の子」天草四郎の出生と、キリシタン史に残る空白。天草の美しい海と閉ざされた共同体を背景に、救済を掲げる者たちの嘘と痛みが浮かび上がる。祈りと暴力が隣り合う島で、信じることの危うさも問われる。信仰の島で起きた現代の殺人と、英雄化された少年の秘密が重なり始める、カンナシリーズ第2巻。

書籍情報

カンナ 天草の神兵 <講談社文庫>

発売日:2012年4月13日

カンナシリーズ 長編
カンナ 吉野の暗闘 初刊:2009年3月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

失踪した諒司を捜すため、鴨志田甲斐と中村貴湖たちは奈良・吉野の山中へ入る。危機に陥った一行を山岳ガイドの光昭が救うが、時を同じくして彼の母が何者かにさらわれてしまう。事件の背後に見え隠れするのは、吉野に眠る黄金をめぐる争いと、修験道の祖・役小角の伝説。なぜ吉野の山は桜で覆われ、流罪となった呪術者は何を探していたのか。金色の欲望が人を動かす一方、流罪の英雄をどう記憶するかという問いが山の歴史に響く。桜の名所が隠す鉱山の記憶は、現在の争いにも暗い影を落とす。険しい山道で敵の襲撃をかわしながら、甲斐たちは宝の正体と誘拐の目的へ近づいていく、カンナシリーズ第3巻。

書籍情報

カンナ 吉野の暗闘 <講談社文庫>

発売日:2012年7月13日

カンナシリーズ 長編
カンナ 奥州の覇者 初刊:2009年7月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

勝者によって消された歴史を記す秘密の社伝を持ったまま、諒司は姿を消した。彼から届いた連絡を頼りに岩手・水沢へ急ぐ鴨志田甲斐だが、肝心の社伝はすでに修験者たちの手へ渡っていた。追跡の先で浮かぶのは、この地の先住民・蝦夷を率いた英雄アテルイの生涯。圧倒的な力で朝廷軍に抗った彼は、なぜ坂上田村麻呂へ突然降伏したのか。英雄と反逆者の呼び名が勝者の都合で入れ替わることを、甲斐たちは身をもって知っていく。雪深い奥州を進む追跡は、社伝を狙う敵との距離をさらに急速に縮める。忍びの一派が社伝を奪い合う現在と、征服者が書き換えた奥州の過去が激しく交差する、カンナシリーズ第4巻。

書籍情報

カンナ 奥州の覇者 <講談社文庫>

発売日:2012年10月16日

カンナシリーズ 長編
QED 出雲神伝説 初刊:2009年10月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

奈良・初瀬川沿いのマンションで起きた密室殺人と、その一週間前、橿原神宮で発生したひき逃げ。一見無関係な二つの現場には、古の忍び集団「出雲神流」の紋様が残されていた。調査に関わる桑原崇は、奈良に「出雲」の地名が点在し、三輪山の神が蛇の姿で語られてきた理由へ目を向ける。出雲は島根だけの土地ではなく、古代王権に抗した人々の記憶なのか。密室の論理と古代の地名研究が互いを補い、身近な奈良の風景が別の地図へ塗り替えられる。地名を手がかりに神話の勢力図を組み直す知的興奮が味わえる。現代の犯罪を解く鍵が神話の地理を塗り替え、出雲臣の呪いを呼び覚ます、QEDシリーズ第16巻。

書籍情報

QED 出雲神伝説 <講談社文庫>

発売日:2013年1月16日

QEDシリーズ 長編
カンナ 戸隠の殺皆 初刊:2010年2月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

伊賀服部流の鴨志田甲斐、伊勢服部流の中村貴湖、甲賀の柏木竜之介、そして忍者犬ほうろく。秘密の社伝を追う一行は長野・戸隠へ向かい、敵対する波多野村雲流の襲撃を受ける。追う者と追われる者の戦いが激しさを増すなか、甲斐は戸隠に残る鬼女・紅葉と天岩戸、二つの伝説の不自然な重なりに気づく。高天原を率いた天照大神には、語られていない最期があったのか。甲斐の力が覚醒へ向かうなか、仲間を守る決断と秘められた恋心も大きく動き始める。霧深い戸隠の景観が、忍びの気配と神話の恐怖を濃密に包み込む。山岳信仰の聖地で忍び同士の死闘と神話の再解釈が火花を散らす、カンナシリーズ第5巻。

書籍情報

カンナ 戸隠の殺皆 <講談社文庫>

発売日:2013年5月15日

カンナシリーズ 長編
カンナ 鎌倉の血陣 初刊:2010年6月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

婚約者・聡美に誘われ、茶会へ出席するため鎌倉を訪れた鴨志田甲斐。二人きりの旅のはずが、中村貴湖と柏木竜之介も現れ、恋の火花が散るさなか、主催者の加賀美宗朝と息子・範夫が相次いで殺害される。宗朝が生前に調べていたのは、源頼朝が開いた鎌倉幕府で、源氏将軍がわずか三代で滅んだ理由だった。親子を狙った現代の殺意と、北条氏が実権を握った歴史の転換にはどんな共通点があるのか。茶席の静けさとは対照的に、若者たちの感情と源氏の血脈をめぐる疑惑が激しくぶつかる。二人の女性の間で揺れる甲斐の鈍さが、緊迫した物語に笑いも添える。古都の血塗られた権力史へ踏み込む、カンナシリーズ第6巻。

書籍情報

カンナ 鎌倉の血陣 <講談社文庫>

発売日:2013年9月13日

カンナシリーズ 長編
鬼神伝 龍の巻 初刊:2010年10月 鬼神伝シリーズ ファンタジー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

高校生になった天童純は、鎌倉・長谷寺で、死んだはずの水葉に生き写しの少女を見かける。追いかけた純は突然意識を失い、遠い時代の呼び声に包まれていく。一方、鎌倉時代。刀鍛冶を志す十五歳の王仁丸は、処刑される仲間を救いに来た鬼の少女と、彼女が携える異形の大太刀「鉄丸」に出会う。平安の戦いから時を隔て、再び人と鬼の運命が動き出した理由とは。過去と現在が交互に進む構成が、鉄丸に刻まれた記憶と水葉の面影を少しずつ近づけていく。刀を打つ火の音が、鬼と人の新たな戦いの到来を告げる。二人の少年、失われた少女、一本の刀をめぐる物語が時空を越えて結びつく歴史ファンタジー、鬼神伝〈龍の巻〉。

書籍情報

鬼神伝 龍の巻 <講談社文庫>

発売日:2015年7月15日

鬼神伝シリーズ 長編
カンナ 天満の葬列 初刊:2011年3月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

『蘇我大臣馬子傳暦』をめぐる忍び同士の争いは、ついに身近な者たちへ牙をむく。中村貴湖の祖父・丹波が襲撃され、貴湖と忍者犬ほうろくも傷つき、鴨志田甲斐自身まで繰り返し命を狙われる。追い詰められるなか、眠っていた力を目覚めさせつつある甲斐は、学問の神として祀られる菅原道真が、なぜ日本屈指の大怨霊と恐れられたのかを探る。傷ついた仲間を前に、普段は飄々とした甲斐が何を選ぶのか、その覚悟から目が離せない。天満宮に満ちる梅の香と怨霊の気配が、物語を妖しく濃密に彩る。道真の流転と社伝に秘められた計画が結びつくとき、仲間たちの関係も大きく揺れ始める、カンナシリーズ第7巻。

書籍情報

カンナ 天満の葬列 <講談社文庫>

発売日:2014年5月15日

カンナシリーズ 長編
カンナ 出雲の顕在 初刊:2011年7月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

秘密の社伝を奪って逃走中の諒司に呼び出され、柏木竜之介は一人で出雲へ向かう。そこで告げられたのは、現在の天皇家「金烏」とは別に、裏の系譜「玉兎」が存在し、竜之介自身も関係者だという驚くべき話だった。彼を追って島根へ入った鴨志田甲斐と聡美も、出雲大社から素戔嗚尊が追放された理由を探るうち、激しい抗争へ巻き込まれる。竜之介の出生をめぐる疑惑が友情を揺さぶり、誰を信じるかという選択が戦い以上に重く迫る。出雲の神々の系譜が、竜之介自身の存在理由に重なっていく。敵味方の境界が崩れ、社伝を争う勢力の正体と目的が現れ始める、歴史アドベンチャー激動のカンナシリーズ第8巻。

書籍情報

カンナ 出雲の顕在 <講談社文庫>

発売日:2014年9月12日

カンナシリーズ 長編
QED 伊勢の曙光 初刊:2011年10月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

伊勢の小村から秘宝の鮑真珠を運んでいた神職が、不審な墜落死を遂げた。事件解決への協力を求められた桑原崇は、棚旗奈々とともに伊勢へ向かうが、二人を待っていたのはかつてない危機だった。天照大神を祀る内宮と豊受大神を祀る外宮、式年遷宮、神域に積み重なる禁忌。現代の死を追う崇の推理は、やがて日本史上最大級の「深秘」とされる伊勢神宮の成立へ迫っていく。神はなぜこの地に鎮まり、何を覆い隠してきたのか。崇と奈々の関係にも一つの節目が訪れ、歴史の大謎と二人の歩みが響き合う余韻も深い。長年積み上げられた伏線が重なり、完結編ならではの厚みを生む。長い旅路の答えが曙光のなかに現れる、QEDシリーズ完結巻。

書籍情報

QED 伊勢の曙光 <講談社文庫>

発売日:2014年1月16日

QEDシリーズ 長編
千葉千波の怪奇日記 化けて出る 初刊:2011年11月 千葉千波シリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

永遠の浪人生と思われた「八丁堀」と慎之介がついに大学へ合格し、国際江戸川大学へ通い始める。ところが校内には、恐怖の七不思議「江戸七」が語り継がれ、二人の周囲でも怪奇現象が相次ぐ。助けを求められた天才高校生・千葉千波くんは、幽霊や祟りを思わせる出来事を、証言と条件に分けて検討していく。夜のキャンパス、学生たちの噂、居酒屋「ちの利」で交わされる推理。怖さの裏に隠れた論理が見えたとき、人の思惑も姿を現す。酒場での肩の凝らない会話と、怪談を論理へ変える鮮やかな転換が、シリーズらしい味わいを生む。懐かしい顔ぶれのその後を知る楽しさも、各編に詰まっている。全五編を収めたユーモア怪談ミステリー、千葉千波シリーズ第5巻。

書籍情報

千葉千波の怪奇日記 化けて出る <講談社文庫>

発売日:2018年7月13日

千葉千波シリーズ 短編集
カンナ 京都の霊前 初刊:2012年7月 カンナシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

偽書とされる『蘇我大臣馬子傳暦』を、なぜ複数の忍び集団が命懸けで奪い合うのか。「乙巳の変」は中大兄皇子と中臣鎌足による天皇へのクーデターだったのか。そして聖徳太子は藤原氏が創り出した架空の人物なのか。すべての謎に決着をつけるため、鴨志田甲斐と中村貴湖は因縁の地・京都へ向かう。表と裏、金烏と玉兎、それぞれの正義が衝突するなか、甲斐は受け継いだ血と自らの意志を試される。長く続いた旅で結ばれた友情と恋、裏切りの行方も重なり、最後まで緊張を途切れさせない。第一巻から続く社伝争奪の意味が、京都の地で一つに結び直される。日本史の根幹を覆す争いが終局へ雪崩れ込む、カンナシリーズ完結巻。

書籍情報

カンナ 京都の霊前 <講談社文庫>

発売日:2015年1月15日

カンナシリーズ 長編
毒草師 パンドラの鳥籠 初刊:2012年12月 毒草師シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

丹後半島で二年前、生薬学者が忽然と姿を消した。土地には三百歳の魔女が棲むと噂される洋館があり、近くでは首のない遺体まで発見されている。編集者・西田真規は、唯我独尊の毒草師・御名形史紋と助手の神凪百合に同行し、閉ざされた館と失踪の謎を追う。手がかりとして浮上するのは、浦島太郎が持ち帰った玉手箱と、ギリシャ神話のパンドラの箱。遠く離れた二つの伝説が同じ構図を描くとき、魔女の正体と事件へ通じる道が開く。霧に包まれた海辺と古びた洋館の幻想的な空気が、学者の失踪をめぐる不安をじわじわと育てる。史紋の尊大な物言いと百合の冷静さが、怪異に翻弄される西田を導く。知的スリルに満ちた毒草師シリーズ第3巻。

書籍情報

毒草師 パンドラの鳥籠 <新潮文庫>

発売日:2015年9月29日

毒草師シリーズ 長編
軍神の血脈 楠木正成秘伝 初刊:2013年4月 単発(ノンシリーズ) ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

薬剤師の早乙女瑠璃は、神風特攻隊の生き残りである祖父・修吉から一冊の『太平記』を託され、楠木正成の記述を読むよう告げられる。直後、修吉は何者かに毒の矢で襲われ、瀕死の重体に。背後には正成の秘密を守る結社「南木の会」の影があった。祖父を救うため、瑠璃は元同級生の作家・京一郎と、鎌倉幕府を揺るがした軍略家の足跡を追う。忠臣として神格化された正成は、湊川で何を守り、どんな真実を未来へ残したのか。祖父と孫を結ぶ戦争の記憶も重なり、忠義という言葉が時代ごとに持つ残酷さを問いかける。毒の種類を見極める現在の謎も、歴史探訪と並行して緊張を保つ。現代の追跡劇と南北朝史が交差する歴史ミステリー。

書籍情報

軍神の血脈 楠木正成秘伝 <講談社文庫>

発売日:2016年3月15日

長編
QED ~flumen~ ホームズの真実 初刊:2013年9月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

シャーロキアンの展覧会へ招かれた桑原崇と棚旗奈々は、再びホームズをめぐる事件に巻き込まれる。会場となった館の二階から参加者の槿遼子が墜落し、その手には一輪のスミレが握られていた。残された花は告発なのか、それとも物語への合図なのか。崇は事件の鍵を「紫」だと指摘し、コナン・ドイルの名探偵と、千年前に『源氏物語』を書いた紫式部を大胆につないでいく。名探偵を信じる心と物語を生み出す力が、犯人の仕掛けた演出を読み解く重要な手がかりとなる。遼子が握った花の可憐さが、墜落現場の残酷さを強く印象づける。虚構と現実、作者と登場人物の境界が揺らぐ謎解きにガイド企画も併録した、QEDシリーズ特別編。

書籍情報

QED ~flumen~ ホームズの真実 <講談社文庫>

発売日:2016年9月15日

QEDシリーズ 長編
神の時空 鎌倉の地龍 初刊:2014年3月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

由比ヶ浜で意識不明の重体となって発見された女子高生・辻曲摩季が、収容先の病院から忽然と消えた。直後に地震が起こり、鶴岡八幡宮の鳥居が倒壊。さらに源氏ゆかりの修善寺でも異変が続く。摩季の兄姉と友人の陽一は、人知を超えた存在の影を感じ、鎌倉に刻まれた殺戮の歴史を調べ始める。災害は偶然なのか、怨霊を呼び起こそうとする者がいるのか。摩季を取り戻したい家族の切実さが、超常の危機を歴史研究だけではない人間の物語に変える。地震で揺れる古都の描写が、目覚めつつある地龍の脅威を肌で感じさせる。巫女の血を引く兄妹が、土地に封じられた声と現代の陰謀に立ち向かう、神の時空シリーズ第1巻。

書籍情報

神の時空 鎌倉の地龍 <講談社文庫>

発売日:2017年3月15日

神の時空シリーズ 長編
神の時空 倭の水霊 初刊:2014年7月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

横浜の赤レンガ倉庫近くで、会社員の涙川紗也は、自分につきまとっていた男の刺殺体を発見する。その頃、東海地方は終わりの見えない豪雨に覆われ、各地に異変が広がっていた。無関係に見える殺人と天災の背後に何かを感じ取った辻曲兄妹は、古代の英雄・日本武尊と、海へ身を投じて彼を救った弟橘媛の伝説を追う。英雄譚の陰に消された悲劇と水の記憶を利用し、怨霊を目覚めさせようとする企みとは。絶え間ない雨の圧迫感のなか、紗也の事件と古代の入水伝説が少しずつ同じ流れへ合流する。水に守られ、水に奪われた女性の記憶が、現代の紗也へ迫ってくる。巫女の末裔たちが歴史の濁流へ挑む、神の時空シリーズ第2巻。

書籍情報

神の時空 倭の水霊 <講談社文庫>

発売日:2017年7月14日

神の時空シリーズ 長編
神の時空 貴船の沢鬼 初刊:2014年12月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

縁結びの神を祀る一方、男を呪う丑の刻参りでも知られる京都・貴船神社。次女・摩季を蘇らせる清らかな霊水を求め、辻曲姉妹たちは貴船へ向かうが、般若のような顔をした犯人による連続殺人に遭遇する。人目のある場所から消えた凶行者は、本当に鬼なのか。宇治の橋姫伝説と、貴船に祀られた姫神の悲しみを辿るうち、愛と呪いが同じ根から生まれた歴史が見えてくる。霊水を求める姉妹の願いが切実だからこそ、橋姫の嫉妬と喪失も時代を越えた痛みとして迫る。山あいの冷気と川音が、姿の見えない敵への不安をさらにいっそう募らせる。水源の聖地を揺らす怨念と事件の真相へ迫る、神の時空シリーズ第3巻。

書籍情報

神の時空 貴船の沢鬼 <講談社文庫>

発売日:2017年11月15日

神の時空シリーズ 長編
毒草師 七夕の雨闇 初刊:2015年6月 毒草師シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

「……り……に、毒を」――被害者は奇妙な言葉を残し、正体不明の毒で命を落とした。親戚にあたる星祭家では独特の七夕祭が行われ、周囲で異様な事件が連続する。編集者・西田真規と毒草師・御名形史紋らは京都へ乗り込み、和歌に織り込まれた言霊を手がかりに調査を始める。笹、砂々、金、星。似た音と文字を読み替えた先に浮かぶのは、日本人を千三百年にわたり縛ってきた祭りの呪い。雨に閉ざされた京の街で、音の似た語が次々と別の意味を帯び、犯行の輪郭を形づくっていく。毒物学と民俗学の知見がかみ合い、七夕の夜空は禍々しい表情を見せる。ロマンチックな七夕伝説の暗部と毒殺を結ぶ、毒草師シリーズ第4巻。

書籍情報

毒草師 七夕の雨闇 <新潮文庫>

発売日:2018年6月28日

毒草師シリーズ 長編
神の時空 三輪の山祇 初刊:2015年7月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

奈良・大神神社近くの河原で高校生が殺され、「蛇が……」と言い残して息絶えた。友人の田村暁は、その言葉に戦慄する。数日前、二人は神体山である三輪山へ入り、決して破ってはならない禁忌を犯していたのだ。一方、京都にいる辻曲姉妹も不吉な気配を察し、怨霊を鎮めるため奈良へ向かう。姿を持たない三輪の神は、なぜ蛇として語られるのか。神聖な山へ入った罪悪感と蛇への恐れが暁を追い詰め、禁忌を破ることの代償を突きつける。古代から続く神と蛇の結びつきが、被害者の最期の言葉を別の角度から照らす。若者の死と古代豪族の記憶、山を駆け下りる強大な怨念が重なっていく、神の時空シリーズ第4巻。

書籍情報

神の時空 三輪の山祇 <講談社文庫>

発売日:2018年3月15日

神の時空シリーズ 長編
神の時空 嚴島の烈風 初刊:2015年11月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

突風、竜巻、地震が続発し、嚴島神社の大鳥居まで大きく揺らぐ宮島。天変地異のさなか、神社の社務員が何者かに刺殺される。各地の神社を破壊し、封じられた怨霊を目覚めさせようとする勢力の仕業だと感じた辻曲彩音は、急ぎ現地へ向かう。海に浮かぶ社殿を持つ宮島は、なぜ島全体が「神」とされてきたのか。島を渡る強風と海面の不穏な揺れが迫る危機を可視化し、彩音たちに一刻の猶予も与えない。人と神の境界である海上の社殿が傷つくたび、日本全体を守る結界にも深い亀裂が走っていく。平清盛の信仰と、表の歴史から消された存在を辿るうち、烈風の奥に潜む意志が姿を現す、神の時空シリーズ第5巻。

書籍情報

神の時空 嚴島の烈風 <講談社文庫>

発売日:2018年11月15日

神の時空シリーズ 長編
神の時空 伏見稲荷の轟雷 初刊:2016年3月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

京都・伏見稲荷大社の千本鳥居に、四人の遺体が吊るされた。狐憑きの家筋に生まれた樒祈美子は「お山」の気の歪みを感じて巡拝するが、朱い鳥居は次々と倒れ、雷鳴が鳴りやまない。稲荷山へ入ろうとする辻曲彩音たちには、無数の狐が襲いかかる。なぜ稲荷神は狐と結びつき、商売繁盛の神として全国へ広まったのか。おなじみの信仰に潜む大きな誤解を解かない限り、連続殺人も山の異変も止められない。果てなく続く鳥居の赤と稲妻の白が交錯する舞台で、祈美子の血筋と力も試されていく。殺された四人の共通点を探る捜査と、稲荷信仰の起源をたどる旅が一つに重なる。神域を揺るがす企みに迫る、神の時空シリーズ第6巻。

書籍情報

神の時空 伏見稲荷の轟雷 <講談社文庫>

発売日:2019年3月15日

神の時空シリーズ 長編
神の時空 五色不動の猛火 初刊:2016年7月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

東京都内の各所で、放火による殺人が同時多発的に発生した。犠牲者は全員十六歳、同じ高校に通う一年生。犯人の狙いは、目黒、目赤、目青、目黄、目白の「五色不動」が守る東京の結界を破壊することなのか。現場を巡る辻曲彩音の前には、江戸を焼き尽くした大火と、名も残らぬ遊女たちの影が浮かぶ。災害と復興を繰り返した都市は、誰の死を土台に築かれたのか。炎で結ばれた少年少女の共通点を追うほど、都市計画の陰で忘れられた声が近づいてくる。五つの色を追って東京を横断する構成が、巨大都市を一枚の呪術図へ変えていく。炎に封じられた鎮魂の歴史と現在の凶行が重なる、神の時空シリーズ第7巻。

書籍情報

神の時空 五色不動の猛火 <講談社文庫>

発売日:2019年7月12日

神の時空シリーズ 長編
QED ~flumen~ 月夜見 初刊:2016年11月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

京都・月読神社で女性の絞殺体が発見され、翌朝にはその兄が近くの松尾大社の鳥居に吊るされていた。京都を旅していた桑原崇と棚旗奈々は、事件を追う小松崎良平から謎解きを頼まれる。夜を照らし、暦や潮の満ち引きを司る月は、なぜ古代の日本で不吉なものとされ、太陽神ほど表立って祀られなかったのか。月読命をめぐる乏しい神話と、兄妹を狙った連続殺人の構図を崇が静かに重ね合わせる。兄妹を結ぶ情と月の満ち欠けが重なり、静かな神社の夜に張り詰めた哀しみが満ちていく。夜ごと姿を変える月のように、証言の意味も見る角度によって反転していく。月光の下で忘れられた神の姿が立ち上がる、QEDシリーズ。

書籍情報

QED ~flumen~ 月夜見 <講談社文庫>

発売日:2019年11月14日

QEDシリーズ 長編
鬼門の将軍 平将門 初刊:2017年2月 単発(ノンシリーズ) ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

触れた者は呪われ、不審死さえ招くと恐れられてきた東京・大手町の将門首塚。その塚が壊され、現場に男の生首が転がった。同じ頃、京都・宇治川では首を失った遺体が見つかる。将門の首が東国へ飛んだという伝説を再現した連続事件なのか。二つの土地を結ぶ謎を追ううち、成田山新勝寺と神田明神、鬼門を守る信仰、朝廷に反逆した武将の実像が次々と問い直される。首のない身体と身体のない首という対照的な現場が、伝説を利用する者の意図を鋭く示す。東京と京都を隔てる距離が消え、飛ぶ首の伝説が現実味を帯びる展開も圧巻だ。怨霊として畏れられ、庶民の英雄として愛された将門の二つの顔から、現代の殺意を照らす歴史ミステリー。

書籍情報

鬼門の将軍 平将門 <新潮文庫>

発売日:2020年5月28日

長編
神の時空 京の天命 初刊:2017年4月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

松島、天橋立、宮島。日本三景と呼ばれる名勝が次々に倒壊し、炎上する。各地の神社を破壊して封じられた怨霊を揺り起こしてきた高村皇が、ついに最大の仕掛けを動かしたのだ。八年前、天橋立で発生した観光バス転落事故も彼の計画だったのか。日本列島を包む結界が崩れゆくなか、辻曲兄妹と仲間たちは神々を鎮めるため全国へ散る。誰が歴史から切り捨てられ、何のために怨霊とされたのか。離れた土地で同時に進む仲間たちの行動が、崩壊までの時間を刻むように緊張を高めていく。兄妹が背負ってきた喪失と使命にも、避けられない決着の時が訪れる。積み重ねた謎と因縁が京都へ収束する、神の時空シリーズ完結巻。

書籍情報

神の時空 京の天命 <講談社文庫>

発売日:2020年2月14日

神の時空シリーズ 長編
神の時空 前紀 女神の功罪 初刊:2017年9月 神の時空シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

異端の歴史学者・潮田誠教授が主催した天橋立へのバスツアーは、乗員全員が死亡する惨事となった。その事故から遡ること二年、研究室では関係者の怪死が続き、「研究室は災厄に見舞われる」と記した不気味な手紙も届いていた。助手の永田遼子は、教授が追っていた研究を密かに調べ、神功皇后について通説を根底から覆す記述を見つける。日本三景を襲った悲劇はいかに準備され、怨霊をめぐる戦いはどこから始まったのか。結末を知る読者には悲劇の起点が新たな意味を帯び、初読でも独立した研究室ミステリーとして楽しめる。遼子の調査記録は、後に起きる大事件の見え方まで静かに変えていく。本編へつながる因縁を描く、神の時空シリーズ前日譚。

書籍情報

神の時空 前紀 女神の功罪 <講談社文庫>

発売日:2020年5月15日

神の時空シリーズ 外伝 長編
QED ~ortus~ 白山の頻闇 初刊:2017年11月 QEDシリーズ ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

霊峰白山から流れる手取川で、首のない遺体が発見された。棚旗奈々と桑原崇は、全国に三千社を数える白山神社の総本宮を訪れ、異様な殺人事件に巻き込まれる。『日本書紀』にわずか一行だけ現れる姫神は何者で、白山信仰はなぜ広大な地域へ根を張ったのか。崇が山岳信仰の本質をたどるほど、犯人が遺体から首を奪った意図も見え始める。首を奪う残酷な犯行と、名を奪われた女神の歴史が照応し、白山の深い霧に不穏さが募る。白山の雪と川の流れを背景に、二編それぞれが信仰の始まりを問い直していく。大学生時代の奈々が崇の博覧強記に触れる別編も収録し、二つの時代から闇を照らすQEDシリーズ特別編。

書籍情報

QED ~ortus~ 白山の頻闇 <講談社文庫>

発売日:2020年9月15日

QEDシリーズ 短編集
卑弥呼の葬祭 天照暗殺 初刊:2018年2月 単発(ノンシリーズ) ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

高千穂の夜神楽の最中、男性の首なし死体が発見された。一方、宇佐神宮では御霊水の井戸に禍々しいものが投げ込まれる。従弟・漣が「卑弥呼の調査に行く」と告げたまま九州で消息を絶ち、萬願寺響子はその足取りを追う。凶首塚古墳、百体神社、土地ごとに異なる天岩戸伝説。点在する奇妙な痕跡をつなぐと、この国の始まりに隠された事件と、天皇家が鎮魂の儀式を続ける理由が浮上する。響子の焦りを追う現在のサスペンスと、邪馬台国をめぐる大胆な仮説が息つく間もなく展開する。行方不明者の捜索が時間との戦いとなり、歴史談義にも切迫した熱が宿る。卑弥呼と天照大神の像を大胆に読み替える古代史ミステリー。

書籍情報

卑弥呼の葬祭 天照暗殺 <新潮文庫>

発売日:2019年6月26日

長編
古事記異聞 鬼棲む国、出雲 初刊:2018年6月 古事記異聞シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

日枝山王大学の民俗学研究室に所属する橘樹雅は、研究テーマの出雲について、指導教官・御子神伶二から「ほとんど理解できていない」と厳しく突き放される。傷つきながらも現地へ旅立ち、出雲大社や佐太神社を巡る雅は、『古事記』や『日本書紀』が語る神話と、土地に残る伝承のずれに気づく。縁結びの地という明るいイメージの下には、征服され「鬼」と呼ばれた者たちの歴史が眠っているのか。知識不足を思い知らされた雅が、現地の声を聞きながら研究者として成長する姿も清々しい。出雲の風景と人々の言葉が、書物だけでは得られない答えを雅へ手渡していく。若き研究者が敗者の声を求めて歩き始める、古事記異聞シリーズ第1巻。

書籍情報

古事記異聞 鬼棲む国、出雲 <講談社文庫>

発売日:2021年1月15日

古事記異聞シリーズ 長編
古事記異聞 オロチの郷、奥出雲 初刊:2018年10月 古事記異聞シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

出雲での調査を終えた橘樹雅は、指導教官・御子神伶二の「出雲の本質は奥出雲にある」という一言に導かれ、さらに山深い土地へ向かう。たたら製鉄の痕跡、斐伊川の流れ、素戔嗚尊と八岐大蛇の伝説。縁結びの神々の国だと思っていた景色は、資料を重ねるほど血なまぐさい別の姿へ変わっていく。大蛇は自然災害の比喩なのか、それとも滅ぼされた人々の記憶なのか。鉄を生む炎と川を走る水という対照が、豊かな土地を奪われた人々の怒りを象徴していく。現地でしか見えない地形と産業の痕跡が、神話の怪物に生々しい実体を与える。正史に記されなかった敗者の運命に雅が戦慄する、古事記異聞シリーズ第2巻。

書籍情報

古事記異聞 オロチの郷、奥出雲 <講談社文庫>

発売日:2021年5月14日

古事記異聞シリーズ 長編
試験に出ないQED異聞 高田崇史短編集 初刊:2019年1月 単発(ノンシリーズ) ミステリー 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

歴史の裏側を博覧強記の薬剤師・桑原崇が暴く「QED」、天才高校生・千葉千波くんが条件を操る「千葉千波の事件日記」、大学院生・橘樹雅が神話に隠された敗者の声を追う「古事記異聞」。高田崇史の三つの人気世界を一冊で行き来できる短編集。重厚な歴史推理から軽妙な論理パズルまで、異なる探偵役と語り口が、それぞれの方法で常識の盲点を突いていく。シリーズ同士のつながりや作風の幅も見渡せ、一冊を読み終える頃には次の扉を開きたくなる。意外な人物の再登場もあり、各世界を知る読者には特別な喜びが用意されている。著者自身による作品解説も収め、長年の読者には意外な交差を、初めて読む人には各シリーズへの入口を用意した贅沢な作品集。

書籍情報

試験に出ないQED異聞 高田崇史短編集 <講談社文庫>

発売日:2023年1月17日

短編集
源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義 初刊:2019年6月 小余綾俊輔シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

平治の乱に敗れた源義朝の嫡男・頼朝は、六波羅に囚われ斬罪を待っていた。後の災いになると分かりながら、平清盛はなぜ義母・池禅尼の嘆願を受け入れ、源氏の棟梁を救ったのか。そして平氏を滅亡へ追い込んだ源義経は、非業の死の後、本当に怨霊となったのか。民俗学者・小余綾俊輔の講義は、人気武将をめぐる二つの疑問から、源氏と平氏の通説を反転させていく。講義を聞くような明快さのなかに、名を残せなかった者たちへの鎮魂が静かに流れている。頼朝と義経という兄弟の明暗も、怨霊という視点から新たな意味を帯びる。英雄譚の陰に隠された血縁、信仰、鎮魂の構図を鮮やかに読み解く歴史ミステリー、小余綾俊輔シリーズ第1作。

書籍情報

源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義 <講談社文庫>

発売日:2022年1月14日

小余綾俊輔シリーズ 長編
QED 憂曇華の時 初刊:2019年11月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

安曇野・穂高の天祖神社で夏祭りを控えるなか、神楽衆の舞い手が怪死した。遺体は耳を削がれ、傍らには「S」の血文字。数日後には第二の犠牲者が出る。鵜飼見物で石和を訪れていた桑原崇と棚旗奈々は、小松崎良平からの連絡で事件へ引き込まれる。海人の一族・安曇族は、なぜ海から遠い信州へ移り住み、この地に信仰を残したのか。祭りの華やぎとは裏腹に、身体を傷つける犯行が続き、土地に根を張る秘密が緊迫感を増す。祭神の系譜をたどるにつれ、三千年に一度咲く花という題名の意味も不穏に深まっていく。神楽、耳、血文字の意味を辿る崇の推理が、古代の移住と現代の哀しい因果を結びつけるQEDシリーズ。

書籍情報

QED 憂曇華の時 <講談社文庫>

発売日:2022年9月15日

QEDシリーズ 長編
古事記異聞 京の怨霊、元出雲 初刊:2020年7月 古事記異聞シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

出雲を研究する大学院生・橘樹雅は、新たな手がかりを求めて京都へ向かう。下鴨神社の周辺には、かつて出雲族の集落があったとされ、出雲寺、出雲路橋、出雲井於神社など、今も「出雲」の名が点在していた。糺の森で起きた殺人事件をきっかけに、雅は言葉が人を縛り、歴史を塗り替える「言霊」の力を知る。朝廷は、従わぬ民である出雲族にどんな呪いをかけたのか。学び直す雅の視点を通じ、観光で見慣れた京都の社寺が征服の痕跡を刻む場所へ変わっていく。事件を追う緊張が、資料調査中心のフィールドワークに鋭い速度を与えている。華やかな古都の地下に眠る元出雲の記憶を掘り起こす、古事記異聞シリーズ第3巻。

書籍情報

古事記異聞 京の怨霊、元出雲 <講談社文庫>

発売日:2021年9月15日

古事記異聞シリーズ 長編
古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲 初刊:2020年11月 古事記異聞シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

出雲大社から始まった橘樹雅のフィールドワークは、いよいよ大詰めを迎える。大神神社の主祭神・大物主神も素戔嗚尊と同じ出雲の神だと知った雅は、在野の研究者・金澤千鶴子と奈良へ向かい、大和に残る出雲族の痕跡を探す。だが二人の行動を監視する何者かの影が迫り、調査は危険を帯びていく。大和に存在した出雲村と、相撲の祖とされる野見宿禰の伝説は何を伝えるのか。研究の完成を前にした雅の高揚と不安が、監視者の気配によって息詰まる追跡劇へ変わる。大和朝廷の中心に残る『出雲』という矛盾が、長い旅の核心へと、まっすぐ雅を導いていく。征服と融合の核心へ進む、古事記異聞シリーズ第4巻。

書籍情報

古事記異聞 鬼統べる国、大和出雲 <講談社文庫>

発売日:2022年5月13日

古事記異聞シリーズ 長編
QED 源氏の神霊 初刊:2021年3月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

平安末期、源頼政は宮中を恐怖に陥れた妖怪・鵺を退治し、武芸と和歌の才によって平清盛の政権下で従三位にまで昇った。ところがわずか二年後、恩ある平家を敵に回して挙兵する。老境の頼政は、なぜ勝算の乏しい戦いへ身を投じたのか。頼政ゆかりの地で連続殺人が起こり、桑原崇と棚旗奈々は、現代の犯行を追いながら源平合戦の発火点を見直していく。華やかな武功と晩年の決起の落差が、頼政という人物を英雄とも反逆者とも言い切れなくする。頼政を祀る社と伝承を訪ねる旅が、現代の被害者たちを結ぶ線を浮かび上がらせる。鵺、以仁王、武士の系譜が一本につながるとき、頼政の決断に秘められた神霊の謎が浮かぶQEDシリーズ。

書籍情報

QED 源氏の神霊 <講談社文庫>

発売日:2023年9月15日

QEDシリーズ 長編
采女の怨霊 小余綾俊輔の不在講義 初刊:2021年11月 小余綾俊輔シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

奈良・猿沢池のほとりに鎮座する采女神社は、池に背を向け、普段は固く門を閉ざしている。入水した采女の霊を慰める祭りの夜だけ門が開くというが、なぜ一人の下級女官の鎮魂が千年以上も続くのか。民俗学者・小余綾俊輔の推理は、春日大社、壬申の乱、皇位継承の闇、平城京を守る怨霊封じへと広がっていく。宮廷で仕えた采女とは、本当はどのような存在だったのか。池の水面に映る古都の美しさと、女性たちが背負わされた政治的役割の暗さが鮮やかに対照をなす。不在の小余綾が残す思考の道筋をたどる趣向も、謎解きに独特の余白を生む。神社の向きと祭礼に残された手がかりから、古代国家の秘密を読み解く歴史ミステリー、小余綾俊輔シリーズ第2作。

書籍情報

采女の怨霊 小余綾俊輔の不在講義 <新潮文庫>

発売日:2024年7月29日

小余綾俊輔シリーズ 長編
QED 神鹿の棺 初刊:2022年3月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

茨城県の山中にある寂れた神社で、大きな瓶に収められた白骨死体が見つかった。由緒も祭神もはっきりしないその神社に興味を抱いた桑原崇は、友人の小松崎良平から話を聞き、棚旗奈々と現地へ向かう。ところが到着前、別の瓶から新たな遺体が発見されたとの知らせが入る。崇は断片的な情報だけで「水死」を予見するが、彼には何が見えているのか。到着前から次の死を読む崇の異様な洞察に驚かされ、奈々たちと同じ焦りで現場へ引き込まれる。祭神不明という空白が、犯人に利用された土地の忘却と深く結びついていく。瓶、白骨、名を失った神、そして神鹿の伝承をたどり、連続する死の構図を解くQEDシリーズ。

書籍情報

QED 神鹿の棺 <講談社文庫>

発売日:2024年5月15日

QEDシリーズ 長編
古事記異聞 陽昇る国、伊勢 初刊:2022年11月 古事記異聞シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

「伊勢を知らなければ、出雲の半分しか分からない」。日枝山王大学で民俗学を学ぶ橘樹雅は、学会のため三重へ向かう准教授・御子神伶二に同行し、伊勢を歩く。男神を祀る造りなのに女神が鎮まる社、御神籤や注連縄など伊勢神宮には存在しない五つのもの、明治以前の天皇が参拝しなかった事実。素朴な疑問を重ねるほど、最高神・天照大神の像は揺らぎ始める。素直な疑問を口にする雅と、簡単には答えを渡さない御子神の師弟関係にも味わいがある。伊勢の明るい陽光の下で、勝者の神話が抱えた影はいっそう濃く見える。出雲と伊勢、敗者と勝者の物語を結び直し、長い研究の答えへ進む、古事記異聞シリーズ第5巻。

書籍情報

古事記異聞 陽昇る国、伊勢 <講談社文庫>

発売日:2024年11月15日

古事記異聞シリーズ 長編
江ノ島奇譚 初刊:2023年5月 単発(ノンシリーズ) 歴史・時代 短編集 Amazonで見る
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あらすじ

江戸時代の藤沢宿。飯盛り遊女のお初は、顔のない坊主が暗闇から手招きする悪夢に三晩続けてうなされていた。恋人で破戒僧の勝道と厄落としのため江島明神へ向かい、稚児の白菊が身を投げたという稚児ヶ淵から島の奥へ進む。二人を待ち受けるのは、波音の響く岩屋と、血まみれの坊主の姿。弁財天信仰や島に残る伝説が、身分に縛られた二人の運命と絡み合う。江の島の潮と洞窟の闇を生かした怪談の趣に、報われにくい恋の哀切が重なっていく。身分を越えた二人の願いが、島に封じられた因縁へ思いがけず触れてしまう。怪異と人の情念を濃密に描く表題作に、歌舞伎台本「稲荷山恋者火花―小狐丸異聞」を収録した時代作品集。

書籍情報

江ノ島奇譚 <講談社文庫>

発売日:2025年7月15日

短編集
猿田彦の怨霊 小余綾俊輔の封印講義 初刊:2023年12月 小余綾俊輔シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

天孫降臨で神々を先導する大役を果たしながら、謎めいた死を遂げた猿田彦。その後は『古事記』『日本書紀』の中心から姿を消し、道祖神、庚申待ち、括り猿など、民間伝承の片隅へ形を変えて現れる。なぜ重要な神は神話から抹殺され、滑稽な「猿」と結びつけられたのか。民俗学者・小余綾俊輔は、道端の石神や祭りに残る断片を拾い、古代国家が封じた記憶へ切り込んでいく。講義のように明晰な語りを追ううち、身近な習俗が国家神話への抵抗の記憶に見えてくる。橙子ら聞き手の疑問が読者を導き、複雑な古代史にも自然に入り込める。親しまれてきた神の像を反転させ、常識の奥から失われた役割を呼び戻す歴史ミステリー、小余綾俊輔シリーズ第3作。

書籍情報

猿田彦の怨霊 小余綾俊輔の封印講義 <新潮文庫>

発売日:2025年10月29日

小余綾俊輔シリーズ 長編
QED 恵比寿の漂流 初刊:2025年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

神々が坐す国境の島・対馬。深い緑と海に包まれた土地で連続殺人が起き、最初の二人は首を斬り落とされていた。さらに第三の犠牲者は「さいきょう、くぎょう」という不可解な言葉を残す。桑原崇と棚旗奈々は、八月に行われる奇妙な無言の祭りや、島の社に祀られた神々を調べ始める。大陸と日本の間で多くの利害に巻き込まれてきた対馬で、海から来る神はなぜ「漂着するもの」として迎えられたのか。島の地理と国境の歴史が捜査を左右し、海を越えて流れ着くものへの畏れと祈りが胸に残る。首を奪う残虐さと声を出さない祭礼が、不気味な対照を形づくっている。ダイイング・メッセージと恵比寿信仰の本質を結ぶQEDシリーズ。

書籍情報

QED 恵比寿の漂流 <講談社文庫>

発売日:2026年4月15日

QEDシリーズ 長編
QED 天河伝説、桜舞い 初刊:2026年1月 QEDシリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

能を大成した世阿弥には、父・観阿弥や自らをもしのぐ才を持つ嫡男・元雅がいた。しかし元雅は若くして不審な死を遂げ、観世家の主流は世阿弥の弟の子・音阿弥へ移っていく。一介の能楽師が、なぜ命を狙われなければならなかったのか。弔問のため奈良・天川を訪れる小松崎良平に、桑原崇と棚旗奈々も同行。桜が舞う天川の美しさと、芸の継承をめぐる権力の冷酷さが、父子の悲劇を際立たせる。能の詞章を読み解く知的な高揚と、若き天才を失う哀しみが読後の胸にも長く深く響き合う。元雅が最後に舞を奉納した天河大弁財天社から南北朝の争いを辿り、世阿弥が傑作のなかへ封じた暗号に迫るQEDシリーズ。

書籍情報

QED 天河伝説、桜舞い <講談社ノベルス>

発売日:2026年1月21日

QEDシリーズ 長編
かぐや姫の怨霊 小余綾俊輔の実地講義 初刊:2026年9月 小余綾俊輔シリーズ ミステリー 長編 Amazonで見る
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あらすじ

宗像大社の千木に違和感を覚えた編集者・橙子は、博覧強記の民俗学者・小余綾俊輔とともに丹後半島へ向かう。天橋立を中心とする土地には、浦島太郎、羽衣天女、七夕、徐福、かぐや姫と、海や天上界に関わる伝説が不思議なほど集まっていた。別々のおとぎ話に見える物語は、系図や神社の形を手がかりに重ねると、一つの古代史へつながるのか。机上の推論を現地で検証する二人の旅は、やがて伊勢神宮の「真の意味」にまで届いていく。橙子の素朴な疑問と小余綾の大胆な連想がかみ合い、現地を歩くたび伝説の景色が反転する。刊行時点の最新作として、シリーズの歴史推理をさらに大きな海の物語へ広げる。伝承の奥から悲劇を発掘する、小余綾俊輔シリーズ第4作。

書籍情報

かぐや姫の怨霊 小余綾俊輔の実地講義 <単行本>

発売日:2026年9月30日

小余綾俊輔シリーズ 長編
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