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佐々木譲のシリーズ作品一覧

第二次大戦三部作シリーズ(3作)

  1. ベルリン飛行指令』(初刊:1988年10月)
  2. エトロフ発緊急電』(初刊:1989年10月)
  3. ストックホルムの密使 上』(初刊:1994年10月)
    ストックホルムの密使 下』(初刊:1994年10月)

蝦夷地三部作シリーズ(3作)

  1. 五稜郭残党伝』(初刊:1991年1月)
  2. 雪よ荒野よ』(初刊:1994年10月)
  3. 北辰群盗録』(初刊:1996年11月)

五稜郭三部作(箱館戦争後日譚)シリーズ(3作)

  1. 五稜郭残党伝』(初刊:1991年1月)
  2. 北辰群盗録』(初刊:1996年11月)
  3. 婢伝五稜郭』(初刊:2011年1月)

幕末四部作シリーズ(4作)

  1. 武揚伝 上』(初刊:2001年7月)
    武揚伝 中』(初刊:2001年7月)
    武揚伝 下』(初刊:2001年7月)
  2. くろふね』(初刊:2003年9月)
  3. 英龍伝』(初刊:2018年1月)
  4. 左太夫伝』(初刊:2024年8月)

道警シリーズ(13作)

  1. 笑う警官 道警・大通警察署』(初刊:2004年12月)
  2. 警察庁から来た男 道警・大通警察署』(初刊:2006年12月)
  3. 警官の紋章 道警・大通警察署』(初刊:2008年12月)
  4. 巡査の休日 道警・大通警察署』(初刊:2009年10月)
  5. 密売人 道警・大通警察署』(初刊:2011年8月)
  6. 人質 道警・大通警察署』(初刊:2012年12月)
  7. 憂いなき街 道警・大通警察署』(初刊:2014年4月)
  8. 真夏の雷管 道警・大通警察署』(初刊:2017年7月)
  9. 雪に撃つ 道警・大通警察署』(初刊:2020年12月)
  10. 樹林の罠 道警・大通警察署』(初刊:2022年12月)
  11. 警官の酒場 道警・大通警察署』(初刊:2024年2月)
  12. 佐伯警部の油断 道警・函館方面本部』(初刊:2026年10月)

駐在警官・川久保篤シリーズ(2作)

  1. 制服捜査』(初刊:2006年3月)
  2. 暴雪圏』(初刊:2009年2月)

特命捜査対策室シリーズ(3作)

  1. 地層捜査』(初刊:2012年2月)
  2. 代官山コールドケース』(初刊:2013年8月)
  3. 秋葉断層』(初刊:2024年11月)

抵抗都市シリーズ(3作)

  1. 抵抗都市』(初刊:2019年12月)
  2. 偽装同盟』(初刊:2021年12月)
  3. 分裂蜂起』(初刊:2025年12月)

佐々木譲のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)

『鉄騎兵、跳んだ』(初刊:1980年8月)

鉄騎兵、跳んだ

鉄騎兵、跳んだ <文春文庫>

発売日:2010年5月7日

短編集
あらすじ

モトクロスに人生のすべてを賭けてきた貞二は、思うような成績を残せず、若い天才ライダーの台頭にも焦りを募らせていた。恋人・洋子との将来を考え、引退を決めた彼は、最後のレースへ向かう。表題作を中心に、勝負に身を焦がす若者たちが青春の終わりに立ち、誇りや恋、次の人生と向き合う姿をみずみずしく描いた五編を収める。一度きりの季節を駆け抜ける若者たちの姿が、鮮やかな余韻を刻む。旅と出会いが若者たちの心を揺らし、ほろ苦い余韻を残す。風景と心情が響き合い、夢を追うことの眩しさと痛みが伝わる。軽やかな会話の奥に、すれ違う思いと成長の気配がにじむ。疾走感のある場面と繊細な恋心の描写が鮮やかに交わる。

『振り返れば地平線』(初刊:1982年9月)

振り返れば地平線

振り返れば地平線 <集英社文庫>

発売日:1986年10月1日

長編
あらすじ

六年前、バイク仲間たちは「八月の満月の夜、開陽台で会おう」と約束した。慎平の呼びかけを受けた久志は、苫小牧で彼と落ち合い、フェリーで知り合った涼子を加えて北海道を走り始める。広い空と地平線の先に待つのは、かつての仲間との再会か、それとも過ぎ去った青春との別れか。三人のツーリングを通して、約束の意味と変わりゆく心を描く青春ロードノベル。風景と心情が響き合い、夢を追うことの眩しさと痛みが伝わる。軽やかな会話の奥に、すれ違う思いと成長の気配がにじむ。疾走感のある場面と繊細な恋心の描写が鮮やかに交わる。一度きりの季節を駆け抜ける若者たちの姿が、鮮やかな余韻を刻む。

『あこがれは上海クルーズ』(初刊:1984年4月)

あこがれは上海クルーズ

あこがれは上海クルーズ <新書>

発売日:1997年9月26日

長編
あらすじ

いつも少し離れた場所から人を見ていた祐二は、小さな劇団の公演で十七歳の奈美に出会う。早く有名な女優になろうと焦り、夢へ一直線に進む奈美。その危ういほどの情熱を見守るうち、祐二自身の時間も動き始める。七〇年代末から八〇年代の東京を背景に、演劇の世界に憧れる少女と、彼女のそばで成長していく青年のまぶしく切ない歳月を描く青春小説。疾走感のある場面と繊細な恋心の描写が鮮やかに交わる。一度きりの季節を駆け抜ける若者たちの姿が、鮮やかな余韻を刻む。旅と出会いが若者たちの心を揺らし、ほろ苦い余韻を残す。風景と心情が響き合い、夢を追うことの眩しさと痛みが伝わる。軽やかな会話の奥に、すれ違う思いと成長の気配がにじむ。

『死の色の封印』(初刊:1984年5月)

死の色の封印

死の色の封印 <徳間文庫>

発売日:1989年6月15日

長編
あらすじ

根拠のないスキャンダルで東京の大学を追われた進藤恭介は、妻子とともに札幌近郊の私立大学へ移る。住まいは、八十年前に米国人教頭ベーカーが建てた古い洋館。そこで不可解な出来事が続き、ベーカーの足跡を調べ始めた進藤に大学側から圧力がかかる。家に封じられた過去と、学園が隠そうとする秘密が結びつくとき、白い雪の街に不穏な影が広がっていくホラーサスペンス。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。

『新宿のありふれた夜』(初刊:1984年11月)

新宿のありふれた夜

新宿のありふれた夜 <角川文庫>

発売日:1997年10月23日

長編
あらすじ

新宿で十年間任されてきた酒場を畳む夜、郷田克彦は血染めのシャツを着た少女メイリンを店にかくまう。監禁先から逃げる際に地回りの組長を撃った彼女は、暴力団と警察の双方に追われていた。難民として流れ着き、過酷な労働を耐えてきた少女の姿に自分を重ねた郷田は、欲望と暴力が渦巻く歌舞伎町で二重の包囲網を突破しようとする。都会の夜を駆ける緊迫の逃走劇。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。

『そばにはいつもエンジェル』(初刊:1984年12月)

そばにはいつもエンジェル

そばにはいつもエンジェル <新書>

発売日:1997年9月26日

長編
あらすじ

季節外れの北信濃にあるペンションを訪れた小泉を迎えたのは、孤独な少女と、エンジェルという名の犬だけだった。静かな山あいの宿で過ごすうち、小泉は少女の周囲で不可解な事故死が相次いでいることを知る。偶然では片づけられない出来事と、何も語ろうとしない少女、いつもそばにいる犬。優しさと不穏さが同居する風景の中、隠された因縁へ近づいていく青春ホラー。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『ラストラン』(初刊:1985年4月)

ラストラン

ラストラン <ポプラ文庫>

発売日:2009年4月1日

短編集
あらすじ

風を切って走る自由、勝負に挑む高揚、そして若さゆえの無謀さ。表題作「ラストラン」をはじめ、バイクを愛する若者たちの血気と情熱を描いた五編を収める。レースにすべてを賭ける者、旅の途中で自分の心に気づく者、それぞれがアクセルを開けながら人生の分岐点へ向かう。機械の鼓動と生身の感情を重ね、疾走の果てに訪れる青春の光と影を鮮烈に刻む短編集。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。切なさと温もり、そして意外な緊張が同居する読み応えある作品集だ。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。

『夜を急ぐ者よ』(初刊:1986年8月)

夜を急ぐ者よ

夜を急ぐ者よ <集英社文庫>

発売日:2010年7月16日

長編
あらすじ

違法組織に追われる原口泰造は、台風で荒れる那覇空港へ降り立ち、寂れたホテルに身を隠す。そこで支配人として働く東恩納順子は、かつて深く愛し合いながら別れた女性だった。待ち続けた女と、過去を抱えて逃げる男。南国の激しい風雨の中で劇的な再会を果たした二人に、執拗な追っ手が迫る。七〇年代の音楽や映画の気配をまとい、恋と逃走が交差する甘く危険な青春サスペンス。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。

『湾岸道路は眠らない』(初刊:1986年12月)

湾岸道路は眠らない

湾岸道路は眠らない <新書>

発売日:1997年9月26日

長編
あらすじ

夏の終わりの土曜日、湾岸道路で真澄は淳と出会う。ふとした行き違いにすぎなかったはずの出来事は、周囲の若者たちを巻き込み、海沿いの道路を熱いデッドヒートの舞台へ変えていく。車とバイクが飛び交う夜、互いを知らなかった二人の距離も急速に変わり始める。週末の都市を貫くスピードと恋の予感を乗せ、一触即発の時間を駆け抜けるドラマチックな青春ロードアクション。風景と心情が響き合い、夢を追うことの眩しさと痛みが伝わる。軽やかな会話の奥に、すれ違う思いと成長の気配がにじむ。疾走感のある場面と繊細な恋心の描写が鮮やかに交わる。一度きりの季節を駆け抜ける若者たちの姿が、鮮やかな余韻を刻む。

『白い殺戮者』(初刊:1986年12月)

白い殺戮者

白い殺戮者 <徳間文庫>

発売日:1991年8月1日

長編
あらすじ

作家の大坪拓也は、北海道の北士別町史を執筆するため、四十年前に起きた大量射殺事件「オンネベツ血の婚礼」を調べ始める。折しも町では、零下二十度を下回る夜ごとに老人の凍死が相次いでいた。二週間で七人という異常な死、犬を追う竜巻のような地吹雪、語られない土地の記憶。取材が過去と現在をつなぐにつれ、白い荒野そのものが殺意を帯びて迫る寒冷地パニックホラー。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『南の風にモーニン』(初刊:1987年3月)

南の風にモーニン

南の風にモーニン <集英社文庫>

発売日:1991年2月1日

長編
あらすじ

二十一歳の拓也は、ひとりで生きることを身につけた不器用な青年。旅先のバリ島でオートバイを駆り、気が強くどこか翳りを抱えた二十八歳のイラストレーター・美樹と出会う。年齢も生き方も異なる二人は、熱帯の風景と土地の文化に触れながら、少しずつ互いの孤独へ近づいていく。三週間の旅を舞台に、異国で芽生える静かで熱い恋と、若者の心の変化を描く青春小説。旅と出会いが若者たちの心を揺らし、ほろ苦い余韻を残す。風景と心情が響き合い、夢を追うことの眩しさと痛みが伝わる。軽やかな会話の奥に、すれ違う思いと成長の気配がにじむ。疾走感のある場面と繊細な恋心の描写が鮮やかに交わる。一度きりの季節を駆け抜ける若者たちの姿が、鮮やかな余韻を刻む。

『犬どもの栄光』(初刊:1987年8月)

犬どもの栄光

犬どもの栄光 <集英社文庫>

発売日:1990年8月18日

長編
あらすじ

倶知安町郊外の古い廃工場で、関口啓子は背中に強い衝撃を受けて倒れる。目を覚ました彼女の前にいたのは、大工をしながらひっそり暮らし、通称「丸秀」と呼ばれる男だった。過去を問われても口を閉ざす丸秀は、見えない何かにおびえている。やがて遠い過去から復讐者の影が迫り、二人は理由も知らぬまま逃走へ追い込まれる。北海道を縦横に駆ける追跡のハードボイルド。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『きみの素敵なサクセス』(初刊:1987年10月)

きみの素敵なサクセス

きみの素敵なサクセス <集英社文庫>

発売日:1987年10月1日

短編集
あらすじ

仕事、恋、夢、そして成功。都会で生きる男と女が、華やかな日常の裏で抱える迷いや焦りを描いた短編集。思い描いた未来へ手を伸ばす人、すれ違いの中で大切なものに気づく人、選んだ道の代償を引き受ける人。それぞれの人生に訪れる小さな転機を、軽やかさとほろ苦さをたたえた筆致ですくい取る。八〇年代の都市の空気と、時代が変わっても揺るがない心の機微が響き合う。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。

『仮借なき明日』(初刊:1989年1月)

仮借なき明日

仮借なき明日 <集英社文庫>

発売日:2010年4月20日

長編
あらすじ

大手農機メーカーの企画室に勤める原田亮平は、胸の奥に暴力への衝動を秘めた男。フィリピンのサンビセンテ工場で不良品が異常発生しているとの報告を受け、実情を監査するため現地へ向かう。待っていたのは、総責任者に支配された工場と、ギャングや汚職警官が横行する街だった。企業の論理とむき出しの暴力が絡む中、原田は自らのやり方で悪を追い詰めていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『マンハッタンの美徳』(初刊:1989年8月)

マンハッタンの美徳

マンハッタンの美徳 <集英社文庫>

発売日:1989年8月1日

短編集
あらすじ

ニューヨークに暮らす日本人カメラマンと雑誌レポーターの間に揺れる愛の深層を描く表題作。さらに、オリンピック出場の夢を骨折で断たれた元スキー選手が、かつてのコースをもう一度滑り、過去と訣別しようとする「北の峰ダウンヒル」など六編を収める。都市と雪山、仕事と恋を背景に、傷を抱えた大人たちが自分なりの一歩を踏み出す瞬間を端正に切り取った中短編集。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。切なさと温もり、そして意外な緊張が同居する読み応えある作品集だ。

『愚か者の盟約』(初刊:1991年7月)

愚か者の盟約

愚か者の盟約 <ハヤカワ文庫>

発売日:2009年9月9日

長編
あらすじ

一九七〇年十二月、社会党の若手代議士・寺久保浩也のもとへ、同郷同年の野崎が秘書として現れる。理想を掲げる二世政治家と、表に出ない交渉や策謀を引き受ける男。二人は自民党分裂と野党連立の可能性を見据え、政権交代へ向けて動き始める。政策、派閥、選挙、密かな取引が絡む政治の最前線で、理念と野望はどこまで両立するのか。権力の座をめぐる迫真のポリティカルスリラー。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『ハロウィンに消えた』(初刊:1991年9月)

ハロウィンに消えた

ハロウィンに消えた <角川文庫>

発売日:1996年10月22日

長編
あらすじ

シカゴ郊外の町パクストン。日本企業クラタに買収されたオルネイ社では、日本式経営をめぐって従業員や市民との亀裂が深まっていた。脅迫状や不審火が続き、ハロウィンの日には工場への爆弾予告の直後、日本人の少年が姿を消す。誘拐か、事故か。調査に来た経営コンサルタントの田畑は、企業と町、日米双方の家族の間に横たわる不信へ踏み込んでいく社会派サスペンス。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。

『サンクスギビング・ママ』(初刊:1992年1月)

サンクスギビング・ママ

サンクスギビング・ママ <扶桑社文庫>

発売日:2008年6月27日

短編集
あらすじ

著者がアメリカ西海岸と中西部を車で旅し、紙ナプキンやホテルの便箋、コースターに書き留めた情景から生まれた十四の物語。サンクスギビング、ハロウィン、クリスマス、ニューヨーク、サンタフェ、ロサンゼルス――土地と季節の匂いをまといながら、旅先ですれ違う人々の孤独や親切、再出発を描く。異国の日常に宿る温もりと苦みを、短いドラマに凝縮した作品集。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。

『夜にその名を呼べば』(初刊:1992年3月)

夜にその名を呼べば

夜にその名を呼べば <ハヤカワ文庫>

発売日:2008年5月8日

長編
あらすじ

一九八六年のベルリン。商社駐在員の神崎は、親会社の共産圏向け不正輸出を隠すため命を狙われ、殺人の濡れ衣まで着せられる。彼は壁を越えて東側へ亡命し、そのまま消息を絶った。五年後、事件関係者に謎の手紙が届き、公安警察も動き出す。ベルリンと雨の小樽を結ぶ過去が再び開かれ、追う者たちは一か所へ集められていく。冷戦の影を引く復讐サスペンス。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『ネプチューンの迷宮』(初刊:1993年8月)

ネプチューンの迷宮

ネプチューンの迷宮 <ポプラ文庫>

発売日:2011年2月1日

長編
あらすじ

赤道直下の小国ポーレア共和国では、大統領派と反大統領派が激しく対立し、その背後で国際的な陰謀が進んでいた。元海上保安庁特殊救難隊長の宇佐美は、思いがけず政変の渦中へ巻き込まれる。海と救難の経験を武器に、どちらが味方かも分からない島で生き残りを図る宇佐美。南国の美しい風景の裏に潜む権力争いと謀略を、息詰まる行動力で描く国際冒険小説。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『きょうも舗道にすれちがう』(初刊:1994年2月)

きょうも舗道にすれちがう

きょうも舗道にすれちがう <中公文庫>

発売日:2000年9月1日

短編集
あらすじ

ふとした言葉の行き違い、伝えられなかった思い、もう戻れない時間。乾いた都会の舗道を行き交う男女が抱える、ささやかな心のずれを描く十編を収める。華やかなバブル期の街を背景にしながら、物語が見つめるのは誰にも気づかれない孤独や後悔、偶然の出会いが残す小さな希望だ。日常の一瞬に人生の岐路を映し出し、切なくほろ苦い余韻を残す短編集。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。

『勇士は還らず』(初刊:1994年10月)

勇士は還らず

勇士は還らず <文春文庫>

発売日:2011年8月4日

長編
あらすじ

アメリカ・サンディエゴで日本人男性が射殺され、妻子と高校時代の友人たちが現地へ向かう。しかし妻は警察への協力を拒み、遺留品からは一九六九年に南ベトナムで起きた日本人爆死事件の記事が見つかる。二つの死を結ぶ鍵は、札幌の新設高校に集った男女六人の青春時代にあった。政治の季節を生きた若者たちの理想と、その後の人生に残った影をたどる長編ミステリー。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。

『昭南島に蘭ありや 上』(初刊:1995年8月)

昭南島に蘭ありや 上

昭南島に蘭ありや 上 <中公文庫>

発売日:2008年7月1日

長編
あらすじ

昭和十六年、シンガポール在住の日本人に引き揚げ命令が下る。台湾生まれの客家の青年・梁光前は、中華の民なのか大日本帝国の臣民なのか、自らの帰属を問い始める。どちらでもあり、どちらにもなり切れない彼は、ふとしたことから中華義勇軍へ加わる。日本軍の侵攻が迫る国際都市で、民族、国家、家族への思いが激しく揺さぶられていく上巻。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。

『昭南島に蘭ありや 下』(初刊:1995年8月)

昭南島に蘭ありや 下

昭南島に蘭ありや 下 <中公文庫>

発売日:2008年7月1日

長編
あらすじ

昭和十七年、日本軍はシンガポールを占領し、昭南島と改名する。過酷な軍政のもとで華僑の抵抗が続く中、客家の青年・梁光前は、自分が何者かを自らの行動で示そうと決意する。やがて東条英機暗殺計画が密かに動き始め、個人の選択は戦争と国家の巨大な歯車へ結びついていく。日本人、中国人、現地の人々が交錯する占領地の緊張を描く下巻。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。

『飛ぶ想い』(初刊:1995年11月)

飛ぶ想い

飛ぶ想い <扶桑社文庫>

発売日:2008年11月26日

短編集
あらすじ

ニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガス。きらびやかなアメリカの都市を舞台に、男と女の駆け引きと再会を描く五編のロマンティックサスペンス。表題作では、裏切りの末に詐欺事件の容疑者となった男が、かつての女のもとへ戻ってくる。消えない記憶、疑う心、それでも惹かれ合う思い。短編の切れ味の中に長編さながらの波乱と余韻を宿す作品集。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。切なさと温もり、そして意外な緊張が同居する読み応えある作品集だ。

『総督と呼ばれた男 上』(初刊:1997年6月)

総督と呼ばれた男 上

総督と呼ばれた男 上 <集英社文庫>

発売日:2000年8月18日

長編
あらすじ

大正期のシンガポール。日本人娼婦の子として日本人街で育った木戸辰也は、伯父・孝作に引き取られ、マレーの鉄鉱山で働き始める。だが労働争議のさなか孝作を殺され、報復した辰也は矯正院へ送られる。出所後、彼はシンガポールの暗黒街で頭角を現し、裏社会に自分の居場所を築いていく。植民地都市の混沌と戦争の影が迫る中、一人の男の上昇を描く上巻。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。

『総督と呼ばれた男 下』(初刊:1997年6月)

総督と呼ばれた男 下

総督と呼ばれた男 下 <集英社文庫>

発売日:2000年8月18日

長編
あらすじ

シンガポールの暗黒街で名を上げた木戸辰也は、ハリマオと組んだ列車強盗、日本人組織との抗争、混血女性シンディとの恋を経て、「裏総督」と恐れられる存在になる。だが日中戦争が中国系組織との対立を激化させ、太平洋戦争と日本軍の占領が彼の築いた世界を揺さぶる。終戦までの時代の波に翻弄されながら、誇りと愛を守ろうとする男の流転を描く下巻。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。

『ワシントン封印工作』(初刊:1997年12月)

ワシントン封印工作

ワシントン封印工作 <文春文庫>

発売日:2010年10月8日

長編
あらすじ

一九四一年、日米開戦直前のワシントン。コロンビア大学で医学を学ぶ大竹幹夫は、人手不足の日本大使館に臨時雇用され、日系人タイピストのミミ・シンプソンに一目で惹かれる。だが彼女は、国務省高官が大使館の動きを探るため送り込んだ協力者だった。一触即発の和平交渉と諜報活動の裏で、国家への忠誠と個人の愛が交錯する外交ミステリー。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。

『ステージドアに踏み出せば』(初刊:1998年5月)

ステージドアに踏み出せば

ステージドアに踏み出せば <集英社文庫>

発売日:2002年6月20日

長編
あらすじ

ある劇団の新作舞台オーディションに、四人の女性が集まる。女優デビューに野心を燃やす真紀、次の段階へ進みたい薫子、心の病を抱えるあでや、演技を諦めるべきか迷う純子。同じ役をめぐる競争の中で、技術だけでなく、それぞれが背負う人生と覚悟までが試されていく。舞台の扉を開こうとする女性たちの熱く静かな闘いを、ほろ苦くみずみずしく描く青春小説。風景と心情が響き合い、夢を追うことの眩しさと痛みが伝わる。軽やかな会話の奥に、すれ違う思いと成長の気配がにじむ。疾走感のある場面と繊細な恋心の描写が鮮やかに交わる。一度きりの季節を駆け抜ける若者たちの姿が、鮮やかな余韻を刻む。

『牙のある時間』(初刊:1998年8月)

牙のある時間

牙のある時間 <ハルキ文庫>

発売日:2000年7月1日

長編
あらすじ

画家の守谷順一と妻の久美は、北海道の小さな町へ移り住む。隣人は、農場で隠遁生活を送る謎めいた円城夫妻。彼らとの出会いを境に、守谷たちは退廃と官能、暴力の気配へ引き寄せられていく。森から聞こえるのは、絶滅したはずの狼の叫び。さらに少女の失踪事件が起こり、順一の目には円城の姿が狼と重なり始める。二つの視点から狂気の輪郭を描くホラーサスペンス。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『鷲と虎』(初刊:1998年10月)

鷲と虎

鷲と虎 <角川文庫>

発売日:2001年9月21日

長編
あらすじ

一九三七年七月、日中の軍事衝突は全面戦争へ広がる。帝国海軍航空隊の麻生哲郎は中国大陸へ向かい、アメリカ人飛行士デニス・ワイルドは中国義勇航空隊の一員として出撃する。上海、南京、漢口、重慶――長江上空で幾度も交戦するうち、二人は互いを名前を持つ敵として意識し始める。国籍と大義を背負った戦闘機乗りたちの誇りと友情を描く航空冒険小説。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。

『屈折率』(初刊:1999年12月)

屈折率

屈折率 <光文社文庫>

発売日:2018年3月8日

長編
あらすじ

やり手の元商社マン・安積啓二郎は、兄に代わって経営の傾いた実家のガラス工場の社長になる。当初は工場を売却するつもりだったが、ガラス工芸作家・野見山透子との出会いから、素材と職人技の奥深さに魅せられていく。資金難、旧い体質、ものづくりへの誇り。難題の山を前に、啓二郎は商社で培った手腕を工場再建へ注ぐ。仕事と恋、再起を描く長編企業小説。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『黒頭巾旋風録』(初刊:2002年8月)

黒頭巾旋風録

黒頭巾旋風録 <徳間文庫>

発売日:2011年3月4日

長編
あらすじ

天保八年の蝦夷地。国泰寺へ向かう臨済宗の僧・恵然は、アイヌの青年が処刑されようとする場に遭遇する。そこへ全身黒ずくめの騎馬の男が現れ、鞭一本で武士たちを退けて青年を救う。松前藩の役人や利益に溺れた商人が民を苦しめる北の地で、黒頭巾は正義のために駆け続ける。覆面の男の素顔と、彼が守ろうとするものを追う痛快な歴史冒険活劇。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。

『冒険者カストロ』(初刊:2002年9月)

冒険者カストロ

冒険者カストロ <集英社文庫>

発売日:2005年11月18日

長編
あらすじ

一九五九年、三十二歳でキューバ革命を成功させたフィデル・カストロ。その指導力とカリスマはどこから生まれたのか。生い立ち、革命へ傾いた学生時代、シエラ・マエストラ山中のゲリラ戦、盟友チェ・ゲバラとの関係、キューバ危機とその後までをたどる。英雄や独裁者という一面的な像を離れ、二十世紀の世界政治を動かした革命家の実像に迫るノンフィクション。現地へのまなざしと確かな構成が、時代の複雑さを分かりやすく伝える。人物と土地の両面から歴史を見直す、読み応えある一冊だ。激動の歴史と一人の人間の歩みを結び直し、その実像に迫る。豊富なエピソードを通じて、伝説の背後にある葛藤と決断を描き出す。

『疾駆する夢 上』(初刊:2002年10月)

疾駆する夢 上

疾駆する夢 上 <小学館文庫>

発売日:2006年7月1日

長編
あらすじ

終戦直後の焼け跡で、多門大作は「国産の自動車を作る」という夢を抱き、横浜の小さな整備工場から出発する。米軍車両の修理で資金を稼ぎ、原動機付自転車、オート三輪へ挑み、仲間たちと乗用車生産への道を切り開いていく。資金も設備も乏しい時代、技術への情熱と経営の現実は何度も衝突する。日本の復興とともに疾走する自動車会社の創業期を描く上巻。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。

『疾駆する夢 下』(初刊:2002年10月)

疾駆する夢 下

疾駆する夢 下 <小学館文庫>

発売日:2006年7月1日

長編
あらすじ

乗用車生産を実現した多門自動車は、ル・マン二十四時間レース、スポーツクーペ、新エンジン開発、アメリカ市場へと夢を広げていく。だが会社が巨大化し、モータリゼーションとバブルの波に乗るほど、創業時のものづくりの精神は遠のいていく。仲間との確執、経営権をめぐる策動、挫折。それでも多門大作は再び夢をつかめるのか。戦後産業の光と影を描く下巻。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『帰らざる荒野』(初刊:2003年4月)

帰らざる荒野

帰らざる荒野 <集英社文庫>

発売日:2006年4月25日

長編
あらすじ

明治の北海道開拓期。友近克也は、父・善次郎が築いた馬牧場と、兄嫁になる女性への思いを後にして旅立つ。帰る場所も行くあてもない流浪の先で、町々にはびこる悪党と対峙しながら、生きる道を探していく。牧場の興亡、家族の絆、叶わぬ恋、荒野の暴力。愛するものを守るため過酷な運命へ立ち向かう人々を、連作の形で描いた北海道ウェスタン。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。

『ユニット』(初刊:2003年10月)

ユニット

ユニット <角川文庫>

発売日:2023年11月24日

長編
あらすじ

十七歳の少年に妻と子を奪われた真鍋は、消えない喪失と復讐心を抱えて生きている。祐子は警察官の夫による暴力から息子を連れて逃れ、真鍋と同じ職場で働き始める。傷ついた三人は少しずつ家族のようなつながりを築くが、服役を終えた加害者の出所と、祐子を追う夫の影が迫る。少年犯罪、復讐する権利、家族の意味を鋭く問う長編サスペンス。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。

『天下城 上』(初刊:2004年3月)

天下城 上

天下城 上 <新潮文庫>

発売日:2006年9月28日

長編
あらすじ

武田軍に故郷の志賀城を落とされた戸波市郎太は、軍師の弟子となって戦略を学ぶが、師の死でその道を断たれる。流転の末に出会ったのは、近江の石積みを担う穴太衆。戦を見る目と最高峰の技術を身につけた市郎太は、武将たちが求める城造りの才能を開花させていく。戦う者ではなく築く者の視点から乱世をとらえ、天下一の築城師への歩みを描く上巻。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。

『天下城 下』(初刊:2004年3月)

天下城 下

天下城 下 <新潮文庫>

発売日:2006年9月28日

長編
あらすじ

名高い城造りとなった戸波市郎太に、織田信長は「天下城」の建設を求める。多聞山城や長篠城で経験を積み、戦略と石積みを一体にした技を磨く市郎太。やがて乱世の覇者となった信長は、近江に前例のない巨城を築くことを決める。権力者の夢と職人の理想は重なるのか。伝説の安土城の建設と栄枯盛衰を通して、鬼才の生涯を描き切る下巻。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。

『駿女』(初刊:2005年11月)

駿女

駿女 <中公文庫>

発売日:2008年11月22日

長編
あらすじ

十二世紀の奥州。馬を巧みに操る十六歳の少女・相馬由衣は、糠部の地で従弟の八郎丸や家族と穏やかに暮らしていた。だが八郎丸が源義経の遺児だと明かされ、頼朝の奥州征討へ巻き込まれていく。村を焼かれ、大切な人々を失った由衣は、愛馬とともに戦乱の大地を駆ける。武士の権力争いを、北の民と一人の少女の目から描いた歴史長編。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。

『警官の血 上』(初刊:2007年9月)

警官の血 上

警官の血 上 <新潮文庫>

発売日:2009年12月24日

長編
あらすじ

昭和二十三年、安城清二は警察官となり、谷中の天王寺駐在所で町の人々に寄り添って働く。だが五重塔が炎上した夜、彼は不可解な死を遂げる。父の背を追って警察官になった長男・民雄には、大学生として新左翼運動へ潜入する過酷な任務が命じられる。戦後から高度成長へ移る社会を背景に、警官であることの誇りと代償を二代にわたって描く上巻。複数の捜査線が交わる構成と、現場で揺れる警察官たちの矜持が読みどころ。組織の論理と一人ひとりの正義がぶつかり、緊張が途切れない。北海道の季節と街の表情が、事件の切迫感をいっそう際立たせる。地道な聞き込みと鋭い推理が、隠された因果を少しずつ掘り起こす。

『警官の血 下』(初刊:2007年9月)

警官の血 下

警官の血 下 <新潮文庫>

発売日:2009年12月24日

長編
あらすじ

潜入任務で深い傷を負った安城民雄は、父・清二が愛した谷中へ駐在警官として戻る。町に尽くす中、立てこもり事件へたった一人で踏み込むことになる。やがて民雄の息子・和也も警察官となり、組織犯罪と対峙しながら密命を帯びる。祖父と父の死に残る謎、受け継がれる使命、組織への忠誠。三代の警官の血と魂が交差する大河ミステリー下巻。北海道の季節と街の表情が、事件の切迫感をいっそう際立たせる。地道な聞き込みと鋭い推理が、隠された因果を少しずつ掘り起こす。事件の向こうにある人間の弱さと覚悟を、重厚な筆致で見つめる。複数の捜査線が交わる構成と、現場で揺れる警察官たちの矜持が読みどころ。

『わが夕張わがエトロフ ルポ・エッセイ集』(初刊:2008年9月)

わが夕張わがエトロフ ルポ・エッセイ集

わが夕張わがエトロフ ルポ・エッセイ集 <単行本>

発売日:2008年9月1日

あらすじ

炭鉱町として栄え、衰退と再生を経験した故郷・夕張。戦争と国境の記憶を抱える択捉。著者が歩き、見つめ、書き留めてきた北海道の土地と人々を中心に、小説の背景へつながる歴史、風景、取材の記憶を収めた初のルポ・エッセイ集。個人的な郷愁にとどまらず、変わりゆく地域社会や、中央の歴史からこぼれ落ちた声へ目を向け、作家の原点と問題意識を伝える。激動の歴史と一人の人間の歩みを結び直し、その実像に迫る。豊富なエピソードを通じて、伝説の背後にある葛藤と決断を描き出す。現地へのまなざしと確かな構成が、時代の複雑さを分かりやすく伝える。人物と土地の両面から歴史を見直す、読み応えある一冊だ。

『幻影シネマ館』(初刊:2008年12月)

幻影シネマ館

幻影シネマ館 <単行本>

発売日:2008年12月18日

あらすじ

もしも黒澤映画がハリウッドで作り直されていたら。もしも人気俳優や名監督に、実在しない代表作があったなら。著者が創り上げた三十六本の「幻の映画」を、物語、スタッフ、キャスト、演出の魅力まで本物の映画評論さながらに論じる。読んだことのない筋書きなのに、名場面まで目に浮かぶ。映画への深い愛情と遊び心が生んだ、存在しない映画だけを集めた異色のシネマ館。切なさと温もり、そして意外な緊張が同居する読み応えある作品集だ。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。

『廃墟に乞う』(初刊:2009年7月)

廃墟に乞う

廃墟に乞う <文春文庫>

発売日:2012年1月4日

長編
あらすじ

北海道警捜査一課の敏腕刑事・仙道孝司は、事件で負ったPTSDのため休職中。警察手帳も拳銃も持たない彼のもとへ、それでも事件の相談が持ち込まれる。十三年前の殺人と同じ手口で起きた新たな死を追う表題作をはじめ、旧炭鉱町、リゾート村、倉庫、競走馬牧場など北海道各地で、仙道が人間の心に潜む光と闇を見つめる六編の連作警察小説。組織の論理と一人ひとりの正義がぶつかり、緊張が途切れない。北海道の季節と街の表情が、事件の切迫感をいっそう際立たせる。地道な聞き込みと鋭い推理が、隠された因果を少しずつ掘り起こす。事件の向こうにある人間の弱さと覚悟を、重厚な筆致で見つめる。複数の捜査線が交わる構成と、現場で揺れる警察官たちの矜持が読みどころ。

『北帰行』(初刊:2010年1月)

北帰行

北帰行 <角川文庫>

発売日:2012年9月25日

長編
あらすじ

ロシア圏専門の旅行会社を営む関口卓也は、美しい女性ターニャの案内を引き受ける。だが彼女の来日目的は、妹を殺した暴力団への復讐だった。組長を殺された舎弟の藤倉が執拗に追い、警視庁の寒河江は事件の背後にロシアンマフィアの動きを察知する。逃げる二人と追う双方の視点が交錯し、東京から新潟、稚内へ千キロを超える北への逃走が始まる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『カウントダウン』(初刊:2010年9月)

カウントダウン

カウントダウン <新潮文庫>

発売日:2013年10月29日

長編
あらすじ

財政破綻が目前に迫る北海道の幌岡市。二十年にわたって市政を握る大田原市長に対し、最年少市議の森下直樹は改革派の仲間から市長選への出馬を促される。炭鉱閉山後の公共事業、膨らむ借金、しがらみで動く議会。残された時間はわずかしかない。市民の暮らしを守るため、若い政治家は巨大な既得権と選挙戦へ挑む。地方自治の現実を描く政治エンターテインメント。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『警官の条件』(初刊:2011年9月)

警官の条件

警官の条件 <新潮文庫>

発売日:2014年1月29日

長編
あらすじ

『警官の血』から九年。警部に昇任し、組織犯罪対策部の係長となった安城和也は、覚醒剤の新たな流通経路を追うチームを率いていた。だが捜査の過程で重大な失策を犯し、組織の空気は重く沈む。そこへ、かつて悪徳警官として追われた加賀谷仁が戻ってくる。警官としての能力と倫理、家族から受け継いだ血、組織への忠誠が再び鋭く問われる長編警察小説。複数の捜査線が交わる構成と、現場で揺れる警察官たちの矜持が読みどころ。組織の論理と一人ひとりの正義がぶつかり、緊張が途切れない。北海道の季節と街の表情が、事件の切迫感をいっそう際立たせる。地道な聞き込みと鋭い推理が、隠された因果を少しずつ掘り起こす。

『回廊封鎖』(初刊:2012年8月)

回廊封鎖

回廊封鎖 <集英社文庫>

発売日:2015年10月20日

長編
あらすじ

見せしめのような殺人が連続し、被害者はいずれも破綻した大手消費者金融「紅鶴」の元社員だった。刑事の久保田が共通点を追う一方、紅鶴に人生を壊された者たちの復讐は、元専務・紅林伸夫という最大の標的へ近づく。舞台は六本木の巨大ビルで開かれる映画祭。閉ざされた回廊に警察、標的、復讐者の思惑が集まり、事件は時間との競争に変わっていく犯罪小説。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。

『獅子の城塞』(初刊:2013年10月)

獅子の城塞

獅子の城塞 <新潮文庫>

発売日:2016年3月29日

長編
あらすじ

織田信長の密命を受け、穴太衆の若き石工・戸波次郎左は天正遣欧使節とともにリスボンへ渡る。戦火の欧州で西洋式城塞の技術を学んだ彼は、イタリアで才能を認められ、やがてスペインに抵抗するネーデルラントの城造りへ関わる。異国の戦争、宗教、建築に向き合いながら、故郷の技と新たな知識を結びつける。海を越えた築城師の冒険を描く歴史長編。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。史実の骨格に大胆な想像力を重ね、時代の息遣いを生々しく描き出す。

『砂の街路図』(初刊:2015年7月)

砂の街路図

砂の街路図 <小学館文庫>

発売日:2018年11月6日

長編
あらすじ

母の四十九日を終えた岩崎俊也は、幼い自分を捨てた父がなぜ失踪し、北海道の運河町で溺死したのかを確かめる旅へ出る。父は死の直前、大学漕艇部時代の女性の密葬に参列していたという。さらに昭和四十四年、漕艇部で起きた事件を境に、快活だった父の人柄が変わったことを知る。町に残る記憶の断片をつなぎ、家族にも語らなかった苦悩へ迫るミステリー。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『警官の掟』(初刊:2015年9月)

警官の掟

警官の掟 <新潮文庫>

発売日:2018年3月28日

長編
あらすじ

東京湾岸で男の射殺体が発見され、蒲田署の刑事たちが捜査を開始する。同じ頃、警視庁捜査一課の刑事には「所轄より先に犯人を挙げよ」という内偵の密命が下る。女医の不審死、中学教師の溺死、記録に現れる不可解な警官の名。別々に見えた事件がつながるにつれ、捜査する側の内部にも疑いが向く。緊迫の四十時間で警察組織の死角を追う長編。事件の向こうにある人間の弱さと覚悟を、重厚な筆致で見つめる。複数の捜査線が交わる構成と、現場で揺れる警察官たちの矜持が読みどころ。組織の論理と一人ひとりの正義がぶつかり、緊張が途切れない。北海道の季節と街の表情が、事件の切迫感をいっそう際立たせる。

『沈黙法廷』(初刊:2016年11月)

沈黙法廷

沈黙法廷 <新潮文庫>

発売日:2019年10月29日

長編
あらすじ

独り暮らしの初老男性が絞殺され、家事代行で出入りしていた地味な女性が捜査線上に浮かぶ。彼女の周囲では複数の六十代男性が不審死を遂げ、金も動いていた。世間は連続殺人と決めつけるが、女性は一貫して無実を主張する。やがて公判の証言台で、彼女は突然沈黙を選ぶ。警察、報道、法廷それぞれの視点から、語られない事実と裁かれる真実を問うミステリー。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。

『図書館の子』(初刊:2020年7月)

図書館の子

図書館の子 <光文社文庫>

発売日:2023年5月10日

短編集
あらすじ

猛吹雪の夜、北の国の図書館に少年が一人取り残される。暖房が壊れた極寒の館内へ現れた謎の男は、少年を救いながら大切なことを語り始める。表題作のほか、一九三七年の東京で未来の戦禍を知るような記憶喪失の男、満洲のダンスホールで危険な計画を抱く青年に恋する女性など、時とたたかい、時に翻弄される人々を描く六編を収める。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。切なさと温もり、そして意外な緊張が同居する読み応えある作品集だ。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。

『降るがいい』(初刊:2020年8月)

降るがいい

降るがいい <河出文庫>

発売日:2024年4月8日

短編集
あらすじ

再就職の採用を突然取り消された男、余命わずかな相手とあえて籍を入れた女、金を返さない元上司と向き合う人。本番当日に消えた舞台女優と数年ぶりに再会する脚本家を描く「不在の百合」をはじめ、都会の片隅で暮らす人々の過去の小さな過ちが、ありふれた日常を切り裂く十三編。何が真実で何が嘘か、静かな焦燥が積み上がる短編集。切なさと温もり、そして意外な緊張が同居する読み応えある作品集だ。都市や旅先の風景が、忘れがたい人間模様を静かに照らし出す。多彩な題材を貫くのは、人生の岐路に立つ人々へのまなざしだ。舞台も境遇も異なる人物たちを通して、人生の小さな転機をすくい取る。短い物語の一つひとつに、長編を思わせる余韻と奥行きが宿る。

『帝国の弔砲』(初刊:2021年2月)

帝国の弔砲

帝国の弔砲 <文春文庫>

発売日:2023年12月6日

長編
あらすじ

日露戦争に敗れたもう一つの日本。ロシア沿海州へ渡った日本人開拓農民の次男・小條登志矢は、鉄道工科学校で学び、念願の鉄道技能士になる。だが第一次世界大戦でロシア帝国軍に徴兵され、激戦の前線へ送られる。生きて戻った祖国では革命が始まり、帝国の秩序は崩れつつあった。日本とロシアの狭間に生きる青年の目で、戦争と革命の時代を描く改変歴史冒険小説。理想と現実の狭間で選択を迫られる人々の姿が、胸に迫る。広大な舞台と緊密な人物描写が響き合う、骨太の歴史冒険小説だ。技術や戦略の細部まで描き込み、歴史が動く瞬間を鮮やかに見せる。敗者や無名の人々にも光を当て、教科書とは異なる歴史の顔を示す。

『裂けた明日』(初刊:2022年8月)

裂けた明日

裂けた明日 <新潮文庫>

発売日:2026年5月28日

長編
あらすじ

テロと銃撃が頻発し、国が二つに裂けた近未来の日本。独り暮らしの元公務員・沖本信也のもとへ、幼い少女を連れた逃亡中の女性が現れる。二人を安全圏へ送り届けると決めた沖本は、役所勤めで得た知識を頼りに、福島から東京まで検問や武装勢力を避ける道を探す。戦う力を持たない男が、経験と判断を武器に命をつなぐ決死のロードノベル。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。

『闇の聖域』(初刊:2022年11月)

闇の聖域

闇の聖域 <角川文庫>

発売日:2025年11月25日

長編
あらすじ

満州事変直前の大連。東京から赴任した警察官・川村修平は、駅近くで頸動脈に不可解な傷を残す遺体を目にする。それはかつて東京で遭遇した死体と酷似していた。一方、運命に抗う画家は異国の街で最後の恋に身を投じていく。連続する猟奇殺人の捜査と、芸術家たちの愛が交差し、租界都市の華やかさの裏に潜む闇が開かれるサスペンスロマンス。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『時を追う者』(初刊:2023年5月)

時を追う者

時を追う者 <光文社文庫>

発売日:2026年2月10日

長編
あらすじ

一九四九年、終戦から四年後の東京。陸軍中野学校出身の元破壊工作員・藤堂直樹は、歴史学者と物理学者から、過去へ遡る方法を発見したと告げられる。依頼は、戦争を始めた者たちを排除し、満州事変を阻止すること。二人の男女を仲間に加え、藤堂は歴史を変える決死行へ向かう。目的を果たせば未来は良くなるのかという問いが、任務の一歩ごとに重く迫る時間冒険小説。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。

『遥かな夏に』(初刊:2025年1月)

遥かな夏に

遥かな夏に <単行本>

発売日:2025年1月16日

長編
あらすじ

祖父を探す若い女性から話を聞いた裕也は、彼女の亡き祖母・安西早智子の名に遠い記憶を揺さぶられる。未婚で子を産み、父親について何も語らなかった早智子。一九七六年、ベルリン国際映画祭の熱気に包まれた夏、彼女に何が起きたのか。現在の探索と半世紀前の青春が交互に開かれ、封じられていた家族の記憶へつながっていく人生探しのミステリー。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。

『横浜共同租界』(初刊:2026年5月)

横浜共同租界

横浜共同租界 <単行本>

発売日:2026年5月27日

長編
あらすじ

第二次世界大戦後、横浜はアメリカ、中国、ロシア、イギリス、オランダが共同統治する租界となった。現代、その租界警察を退職した長堂和樹は、免許を持たず探偵稼業を続けている。ある女性から、拉致されたかもしれない弟を捜してほしいと依頼された彼の前に、各国の領事館警察と手段を選ばない謎の組織が立ちはだかる。混沌の街を歩く私立探偵シリーズ開幕作。人生の分岐点に立つ人々を見つめる、余韻深い一作だ。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。

『路上の輝き』(初刊:2026年9月)

路上の輝き

路上の輝き <単行本>

発売日:2026年9月29日(予約商品)

長編
あらすじ

盛岡で暮らす修平は、若き日に東京の小劇場と音楽の周辺で夢を分かち合った友人・冬樹の病を知る。二人は東京から京都、広島へと旅し、服飾を学んでいた奈津美ら、かつての仲間を訪ねていく。半世紀を経ても残る歌、閉じようとする店、語れなかった思い。老いと別れを前に、路上で輝いていた青春の日々をたどり直す、大人たちの友情と記憶の物語。静かな伏線が幾重にも重なり、先の読めない展開が続く。乾いた筆致のなかに、人物たちの迷いと決断がくっきりと立ち上がる。土地の匂いまで伝わる描写が、物語に確かな奥行きを与えている。追う者と追われる者の思惑が交錯し、緊張は一歩ずつ高まっていく。