荻原規子の作品一覧
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勾玉三部作第1作。神々が地上を歩いていた古代の日本。〈輝〉の大御神の双子の御子と〈闇〉の氏族が争う世で、十五歳の村娘・狭也は、まばゆい〈輝〉に憧れていた。ところが〈闇〉の一族から空色の勾玉を渡され、自分こそ〈闇〉の巫女姫だと告げられる。運命を拒んで〈輝の宮〉へ逃れた彼女が出会ったのは、宮の奥に囚われた不思議な少年・稚羽矢。彼はすべてを滅ぼすと恐れられる〈大蛇の剣〉の主だった。光と闇、善と悪という単純な境界が揺らぐなか、狭也は誰かに決められた役目ではなく、自分の目で世界を見定めようとする。日本神話の息吹と少女の成長を壮大に織り上げた和風ファンタジーの名作。
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白鳥異伝 上
勾玉三部作第2作・上巻。勾玉を守る橘の里で、巫女の血を引く遠子と拾われ子の小倶那は、双子のように育った。活発でまっすぐな遠子と、心やさしく控えめな小倶那。二人の穏やかな日々は、都から大碓皇子が訪れたことで大きく動き出す。やがて小倶那は、人を超えた力を秘める〈大蛇の剣〉の主となり、大王の命を受けて各地を平定する道へ。剣の力と策謀は、ついに遠子の故郷まで焼き尽くしてしまう。大巫女の託宣を胸に、遠子は小倶那を止めるため、死をもたらすという勾玉の首飾りを求めて旅立つ。ヤマトタケル伝説を下敷きに、引き裂かれた幼なじみの絆と、神代から受け継がれた力をめぐる選択を描く古代ファンタジー。
白鳥異伝 下
勾玉三部作第2作・下巻。〈大蛇の剣〉に選ばれ、大王の武器として征討を続ける小倶那。その圧倒的な力は敵だけでなく、彼自身の心と体をもむしばんでいく。一方、故郷を失った遠子は、小倶那を倒すという決意を抱きながら、剣を封じる手がかりとなる勾玉を追って諸国を巡る。旅の途上で出会う人々や、〈輝〉と〈闇〉の末裔たちの思惑が絡み合い、二人の道は再び近づいていく。恐るべき力から大切な人を救うことと、その人を信じ抜くことは両立するのか。ヤマトタケルの白鳥伝説を大胆に読み替え、遠子と小倶那が自らの意志で運命に向き合う姿を、戦乱の古代を舞台に描いた壮大な物語。深い余韻を残す。
白鳥異伝 上
白鳥異伝 下
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失恋の痛手を抱えた十五歳の上田ひろみは、「今の自分ではないものになりたい」と願った途端、見知らぬ砂漠の世界で魔神族ジンの姿になっていた。少年ハールーンに助けられ、ジャニと名付けられたひろみは、彼とともに都を目指す。だがハールーンの正体は、王位継承争いから逃れてきた王子。行く手には追っ手が迫り、王国の命運を左右する「かぎ」と、行方知れずの兄王子をめぐる謎が待ち受けていた。『アラビアン・ナイト』の物語世界を舞台に、変身した少女が自分の力と心を見つめ直す冒険ファンタジー。異国の都、空飛ぶじゅうたん、魔法と陰謀を軽やかに織り込み、恋と成長を描く。短編「王子の打ち明け話」も収録。
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薄紅天女 上
勾玉三部作完結作・上巻。奈良時代末、東国の坂東で、阿高は同い年の叔父・藤太と兄弟同然に育った。仲間たちと野山を駆け回る日々のなか、阿高の内に眠っていた、人ならぬものを退ける力が目覚め始める。その出自には、朝廷と戦い続ける蝦夷の民と、北の大地に伝わる巫女の血が深く関わっていた。自分が何者なのかを知らされぬまま、阿高は都と蝦夷、双方の思惑に巻き込まれ、藤太との固い絆にも揺らぎが生じていく。力を利用しようとする者たちから逃れ、仲間を守るにはどうすればよいのか。若者たちの友情と葛藤を軸に、史実の人物も交えながら、王朝の始まりへ向かう時代のうねりを鮮やかに描く和風ファンタジー。
薄紅天女 下
勾玉三部作完結作・下巻。病に伏した皇太子が口にしたのは、東から来る勾玉の天女が都を救うという不思議な予言だった。都では怪異が相次ぎ、帝の娘・苑上は兄を救うため、少年の姿に身を変えて予言の意味を追う。一方、東国で自らの出生と力に向き合った阿高も、仲間たちと離れて都へ向かうことになる。蝦夷との戦い、皇位をめぐる思惑、古い神々の気配が重なるなか、薄紅色に輝く勾玉が二人の運命を結びつけていく。坂上田村麻呂や藤原仲成らが生きる歴史の転換期を舞台に、阿高と苑上がそれぞれの立場から大切な人と都を守ろうとする姿を描く。日本神話と史実を融合した壮麗な古代ファンタジーの完結編。
薄紅天女 上
薄紅天女 下
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西の善き魔女シリーズ第1巻。北辺のセラフィールドで、天文学者の父と離れて育った十五歳の少女フィリエル。初めての舞踏会に臨む彼女へ、父は亡き母の形見だという青い石の首飾りを贈る。ところがその石は、王位継承者を見定める「女王の試金石」と同じものだった。平凡だと思っていた出生に重大な秘密があると知った直後、父は姿を消し、フィリエルの日常は一変する。幼なじみで研究助手の少年ルーンとともに、彼女は自分の血筋を狙う陰謀から逃れ、王国の中心へ踏み出していく。閉ざされた高地から華やかな宮廷へ。少女の成長、友情と淡い恋、女王候補をめぐる政治劇が絡み合う本格ファンタジーの幕開け。
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西の善き魔女シリーズ第2巻。王家の血を引くことが明らかになったフィリエルは、女王候補の一人アデイルの庇護を受け、名門の女子寄宿学校トーラスへ入学する。だがそこは、優雅な作法の陰で派閥と駆け引きが渦巻く、もう一つの宮廷だった。生徒たちの憧れを集める特別な役目、学園祭の麦穂祭、誇りを懸けた決闘。慣れない規則に戸惑いながらも、フィリエルは自分らしく仲間を得ていく。一方、危険から身を隠すため少女に変装したルーンも学園へ潜入するが、二人を追う影はすぐそばまで迫っていた。華やかな花園に隠された秘密と陰謀を、持ち前の行動力で切り開く学園ファンタジー。少女たちの友情も見どころ。
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西の善き魔女シリーズ第3巻。女王の血を引く者として、フィリエルはついに王都ハイラグリオンの宮廷へデビューする。きらびやかな社交界では、女王候補たちとその支持者が笑顔の裏で主導権を争い、自由奔放なフィリエルの言動はたちまち注目の的になる。ところが、いつもそばにいたルーンが、王国の禁じられた知識につながる「暗黒の世界」へ姿を消してしまう。彼を捜すフィリエルは、薔薇に象徴される王家の秘密と、国を囲む世界そのものの謎へ近づいていく。宮廷の礼法にも策謀にも屈せず、大切な人を取り戻そうとする少女の勇気を描く。ユーシスとレアンドラの一幕を描く短編も収めた、陰影豊かな一冊。
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西の善き魔女シリーズ第4巻。女王候補アデイルのため、兄ユーシスは竜退治の騎士として南部へ向かう。兄を案じるフィリエルも一行に加わり、ルーンとの再会を願いながら、王都の外に広がる未知の土地へ旅立つ。国境に近い森では、古い伝承と異形の気配が息づき、騎士たちを待つ「竜」も単なる怪物とは言い切れない。さらに、王国を外界から隔てる「世界の壁」の秘密が、旅の行方に影を落とす。誰かが定めた英雄の役割や国の常識を疑い、目の前の命を守ろうとするフィリエル。冒険の舞台を大きく広げ、王国の成り立ちと世界のかなたへ読者を導く旅の物語。短編「ガーラント初見参」も収録し、世界観がさらに深まる。
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西の善き魔女シリーズ第5巻。南部から東へ広がる旅のなか、フィリエルは砂漠を越えてきた帝国軍に捕らえられる。王国とは異なる信仰と秩序に支配された敵地で、彼女は大司教と対峙し、自らの血筋や女王候補という立場を試されることになる。一方、ユーシスとルーンは、圧倒的な兵力を持つ帝国を前に、それぞれの知恵と覚悟でフィリエルの行方を追う。聖なる神殿に隠された真実、東西の国が抱える対立、世界を閉ざす仕組みが一つにつながり始めるなか、フィリエルは誰の言葉を信じ、どの未来を選ぶのか。シリーズの核心へ踏み込み、少女の強さと仲間たちの絆を描く、緊張感に満ちた壮麗な冒険ファンタジー。
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西の善き魔女シリーズ外伝。フィリエルがまだ八歳になる前、北のセラフィールドで暮らしていた頃。天文学者の父ディーは研究に没頭し、フィリエルはホーリー夫妻に見守られながら、父のいる塔へ通う日々を送っていた。ある日、彼女は行き場をなくし、数字の列をつぶやく痩せた少年に出会う。その並外れた頭脳にディーが関心を示したことで、孤独だった少年はルーンという居場所を得ていく。のちに強い絆で結ばれる二人は、どのように出会い、家族のような関係を育てたのか。幼いフィリエルのまっすぐな好奇心と、心を閉ざしたルーンが少しずつ変わる姿を描き、本編の原点を温かく照らす前日譚。ファン必読の一冊。
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西の善き魔女シリーズ外伝。女王候補アデイルは、東の帝国トルバートの内情を探るため、身分を隠して国境の向こうへ旅立つ。たどり着いたのは、滅ぼされた王国の王子をめぐって権力と信仰がせめぎ合う土地。彼女は大司教の罠に巻き込まれながらも、機知と物語を愛する心を武器に真相へ近づいていく。危機のなかで手を差し伸べるのは、敵か味方か分からない傭兵ティガ。王宮で守られる姫ではなく、自ら世界を見て選ぼうとするアデイルの冒険を通し、本編では見えにくかった東の国の姿と彼女の魅力を描く。ユニコーンと猫をめぐる短編「彼女のユニコーン、彼女の猫」も収録。知略に富む姫の活躍が痛快な一冊。
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かつて男子校だった伝統が残る都立辰川高校。二年生の上田ひろみは、合唱祭で指揮者の代役を務めたことをきっかけに、美しく人目を引く同級生・有理と親しくなる。文化祭、体育祭へ向けて学校全体が熱を帯びる一方、生徒会には脅迫状が届き、周囲では偶然とは思えない事故が続く。名前も顔もはっきりしない何者かの悪意が、校舎の奥から少しずつ姿を現していく。生徒を守り育てる「ゆりかご」であるはずの学校は、本当に安全な場所なのか。揺れる友情と恋、集団の空気に潜む危うさを、ひろみの視点から繊細に描く青春学園サスペンス。書き下ろし短編「週一の時間」も収録し、日常の底の不安を静かにすくい上げる。
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西の善き魔女シリーズ完結巻。女王候補として認められるため、フィリエルは王国の未来を左右する旅へ出る。守られるだけの少女ではなく、自ら見て考え、人々の声を受け止める者として、彼女はこれまで出会った土地と王国の秘密に向き合っていく。一方ルーンも、フィリエルの傍らに立つ騎士となる資格を得るため、別の道で命がけの試練に挑む。離れた二人を結ぶ思いの先で、女王候補たちの選択、世界の壁、東西の国をめぐる謎が収束へ向かう。生まれや制度に未来を委ねず、自分の言葉で進路を選ぼうとするフィリエルと仲間たち。冒険と恋、政治と科学が交差する物語を鮮やかに結ぶ、長い旅の集大成となる最終巻。
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風神秘抄 上
『空色勾玉』の世界に連なる物語・上巻。平安末期、源氏方の十六歳の武者・草十郎は、野山でひとり笛を吹くことを好む孤独な若者だった。敬愛した源義平の死に絶望する彼の前に現れたのは、義平の魂を鎮めるために舞う少女・糸世。草十郎が笛を奏で、糸世が舞うと、その場には風を呼び、人の心を揺さぶる不思議な〈力〉が生まれる。戦に敗れた者たちが散り、武士と宮廷の思惑が交錯する時代に、二人の芸能は思いがけない人々の目を引いていく。笛と舞によって結ばれた若者たちは、権力に利用されず自分たちの生を選べるのか。歴史の転換期を背景に、芸能の力と波乱の恋を描く、音楽が情景を彩る和風ファンタジー。
風神秘抄 下
『空色勾玉』の世界に連なる物語・下巻。天性の舞姫・糸世と笛の名手・草十郎が共に生み出す〈力〉を知った上皇は、自分のために舞い、笛を奏でるよう二人に命じる。権力の前で自由を奪われた舞台のさなか、糸世は神隠しに遭ったかのように姿を消してしまう。残された草十郎は、鳥たちの声とわずかな手がかりを頼りに、彼女を追って都の外へ。旅はしだいに人の世の境を越え、目に見えないものが息づく領域へ踏み込んでいく。愛する人を取り戻すため、草十郎は笛に宿る力と自らの覚悟を試される。平安末期の史実と伝承を重ね、恋する二人の選択と、芸能が魂を結ぶ瞬間を壮麗に描く完結編。深い余韻を残す。
風神秘抄 上
風神秘抄 下
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『空色勾玉』から独自の和製ファンタジーを切り開いた荻原規子が、自身の物語を育んだ本や映像作品をたどる評論・エッセイ集。『ナルニア国物語』や『指輪物語』をはじめ、宮崎駿のアニメーション、コードウェイナー・スミスのSFなど、多彩な作品の魅力を一人の熱心な読者として語る。幼い頃の読書体験がどのように想像力の土台となり、古典や神話への関心と結びつき、自作の世界へ流れ込んでいったのか。作品を読み解く鋭い視点と、好きな物語への率直な喜びから、ファンタジーを読む楽しさ、書く面白さが伝わってくる。著者の創作の源を知りたい人にも、新しい本との出会いを求める人にも格好の案内書。
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RDG レッドデータガールシリーズ第1巻。世界遺産・熊野古道にある玉倉神社で育った鈴原泉水子は、人前が苦手で、機械に触れるとなぜか故障させてしまう中学三年生。山を出て東京の高校へ進むよう周囲に決められ、幼なじみの相楽深行が一緒に通うことになるが、反発する二人の関係はぎくしゃくしていた。修学旅行で初めて訪れた東京で、泉水子の内に「姫神」と名乗る存在が現れ、平凡ではない出生と力の一端が明らかになる。なぜ自分だけが守られ、進路まで決められるのか。自分の意思で世界に触れようとする少女の一歩と、古来の霊性を受け継ぐ者たちの物語が始まる現代ファンタジー。シリーズの扉となる一冊。
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RDG レッドデータガールシリーズ第2巻。紀伊の山深い神社を離れた泉水子は、東京郊外の鳳城学園へ進学し、先に入学していた深行と再会する。寮で同室になったのは、明るく行動的な宗田真響。双子の弟・真夏や、二人だけが知るもう一人のきょうだいの存在に触れ、泉水子はこの学園に特別な力を持つ生徒が集められていると気づく。クラスメートの意外な正体、学園内の派閥、見えないものをめぐる対立。慣れない化粧や新しい友人関係を経験しながら、泉水子は守られるだけだった自分から少しずつ変わろうとする。姫神の器としての運命と、等身大の高校生活が交差し始める学園ファンタジー。新たな友情も瑞々しい。
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RDG レッドデータガールシリーズ第3巻。鳳城学園で初めての夏を迎えた泉水子は、宗田真響・真夏きょうだいに誘われ、戸隠での合宿に参加する。山岳信仰の気配が色濃い土地で、学園祭のテーマ「戦国時代」に向けた準備が進む一方、宗田家の三つ子にまつわる秘密が泉水子の前に現れる。真夏が大切にする馬の危機をきっかけに、現世にはいない三人目のきょうだい・真澄が、彼を異界へ引き寄せようとするのだ。真響の願い、真夏の選択、深行の警戒が交錯するなか、泉水子は友人を守るため、自分にできることを探す。夏山の自然と異界が重なる、友情と成長の物語。三人のきょうだいの結びつきと、その代償が胸に迫る。
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RDG レッドデータガールシリーズ第4巻。戸隠での夏を終えて鳳城学園へ戻った泉水子は、学園祭の準備に加わる。戦国時代を再現する催しのなかで、彼女は着物姿のモデルを頼まれ、これまで避けてきた人々の視線を受け止めることになる。だが衣装を脱いだ後も、泉水子の様子はいつもと違っていた。深行は彼女の内に姫神が現れることを恐れ、学園に集う能力者たちもその力を見定めようと動き始める。世界遺産を選ぶという学園独自の競争と、姫神が告げる未来が重なるなか、泉水子は自分と姫神の境界に向き合う。少女の存在が人類の行方へつながっていく、転機の学園ファンタジー。学園生活の緊張も高まっていく。
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RDG レッドデータガールシリーズ第5巻。鳳城学園の学園祭がついに開幕する。生徒たちは黒装束に身を包み、八王子城の戦いを題材にした大規模な合戦ゲームへ。表向きは催しでも、その裏では「世界遺産候補」の座をめぐり、相楽深行、宗田真響、高柳一条ら能力者たちの思惑が激しくぶつかり合う。泉水子は争いを避けたいと願うが、高柳の仕掛けた罠と、大切な人を傷つける行為への怒りが、彼女の内に眠る力を呼び覚ましてしまう。制御できない姫神の気配が学園全体を覆うなか、泉水子は誰の指図でもない自分の選択を迫られる。長い一日に友情と対決が凝縮した、緊迫感あふれるシリーズの大きな転換点。
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物語のなかで出会った動物たちは、なぜいつまでも心に残るのだろう。荻原規子が、幼い頃から親しんできた児童文学やファンタジーを振り返り、人と動物、現実と想像世界を結ぶ存在について語るエッセイ集。犬や猫、馬といった身近な動物から、狼、熊、そしてグリフィンのような幻獣まで、多彩な作品に描かれた生きものの姿を読み解く。動物は主人公の友であるだけでなく、言葉の通じない他者や、野生、変身への憧れを映す鏡でもある。愛読書への温かな思いと、物語作家ならではの鋭い視点が、新旧の名作へ読者を誘う。ファンタジーが心にもたらすものを、動物たちとの出会いから考える、名作を読み返したくなる読書案内。
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RDG レッドデータガールシリーズ完結巻。学園祭を経て自らの力を表した泉水子は、鳳城学園の「世界遺産候補」を選ぶ影の生徒会から注目される。高柳はその決定に異議を唱え、さらに人類の未来を見極めようとする組織IUCNの存在が、泉水子と姫神をめぐる争いを現実のものにしていく。姫神が示した破滅の未来を避けるため、泉水子と深行は、周囲が用意した筋書きとは異なる道を探し始める。守る者と守られる者だった二人の関係も、互いに選び合う関係へ。星降る夜、泉水子は自分の願いを言葉にできるのか。少女の自立と淡い恋、世界の行方を結ぶ、二人の成長が胸に残る現代ファンタジーの最終章。
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荻原規子版「源氏物語」紫の結び第1巻。帝の子として生まれ、比類ない美貌と才を持つ光源氏は、亡き母に似た藤壺の宮へ、許されない思いを抱く。宮中で恋と危うい駆け引きを重ねるなか、彼は北山で藤壺を思わせる幼い少女を見いだし、のちの紫の上として手元で育てようとする。憧れの女性と、その面影を宿す少女。二人との関わりを軸に、若き源氏の栄光と秘密、宮廷社会の華やかさと窮屈さが動き出す。藤壺の宮、紫の上、光源氏の流れを中心に主要な帖を再構成し、敬語を抑え、和歌を意訳した現代的な文章で物語を加速させる。人物の息遣いを近く感じながら、古典の人間ドラマへ物語として入れる新訳。
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荻原規子版「源氏物語」紫の結び第2巻。都を離れて須磨・明石で過ごした光源氏は、紫の上のもとへ帰り、再び宮廷の中心へ上っていく。明石の君との間に生まれた姫君を紫の上が養育し、その入内を進めることで、一門は並ぶ者のない栄華を築く。六条院には季節ごとの美しい住まいが整えられ、源氏に縁ある女性たちが集うが、華やかさの陰でそれぞれの孤独も深まっていく。やがて高い身分の女三宮を正妻に迎える話が持ち上がり、源氏を支えてきた紫の上の心に暗い影が差す。栄華の頂点にあるからこそ見える愛の不均衡を、女性たちの視線とともに描く、読みやすく再構成され、優雅さと切なさが胸に迫る現代語訳。
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荻原規子版「源氏物語」紫の結び第3巻。女三宮の降嫁により、紫の上は長く信じてきた源氏との愛にも、思うようにならない世にも、静かな諦めを抱くようになる。そんな六条院に起きた密通事件は、それまで栄華の物語に見えた世界を一変させる。不義の子をわが子として抱く源氏は、若い日に自らが犯した過ちを思い、晩年に巡ってきた宿命を見つめることになる。一方、出家を願う紫の上の心と、彼女を手放せない源氏の思いはすれ違っていく。愛した相手を所有することはできるのか。老いと喪失へ向かう光源氏、藤壺の宮、紫の上の長い物語を、現代のリズムで読み通せるよう再構成し、長い愛の果てを見届ける完結巻。
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平治の乱に敗れ、伊豆へただ一人流された源頼朝は、まだ十代の少年だった。土地の豪族から疎まれ、命を狙われる日々のなかで、生きる希望を失いかけている。そんな頼朝のもとへ、意外な客が訪れる。かつて不思議な方法で彼の命をつないだ笛の名手・草十郎と、その妻である舞姫・糸世。二人もまた、人の力では測れない導きによって伊豆へ引き寄せられていた。地の底には、この土地を守る神竜が眠り、人々の思惑と古い力が絡み合う。流人の少年は、異郷を自分の生きる場所に変えられるのか。『風神秘抄』の人物たちと若き頼朝を結び、史実の隙間に土地神の伝承を織り込む。土地の記憶が鮮やかに立ち上がる歴史ファンタジー。
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エチュード春一番シリーズ第1巻。大学合格と父の英国転勤が重なり、家族と離れて日本の自宅に残ることを選んだ美綾。決断への迷いを抱える春の日、家に一匹のパピヨンが迷い込む。飼い主が見つからず世話を始めると、小犬は突然、自分は人間へ転生するために来た八百万の神だと話し出した。モノクロと名付けた奇妙な同居人に振り回される一方、大学では小学校時代の友人たちと再会。事故で亡くなった同級生の思い出を語ったことから、幽霊にまつわる不穏な出来事が起こり始める。新生活の人間関係と古い記憶、神様らしくない犬との共同生活が交差し、青春の不安も細やかに描く、少し怖くて温かな現代ファンタジー。
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エチュード春一番シリーズ第2巻。大学生活にも、八百万の神を名乗る小犬モノクロとの暮らしにも慣れてきた美綾は、祖母の家で氷川神社の娘・弓月と出会う。彼女を通して、美綾は蛇の姿をした土地の神を目にし、身近な風景の奥に古い神々が息づいていることを知る。美綾に特別な力があるのではと疑う青年・トビは、彼女とモノクロの様子を探り始めるが、モノクロは相変わらず神らしい威厳も力も見せない。ところが、その小さな同居人が何者かにさらわれてしまう。人間になりたいというモノクロの願いと、美綾自身にも分からない感覚の正体。神社と大学、家族の記憶を結ぶ謎が動き出す現代ファンタジー。

源氏物語 宇治の結び 上
初刊:2017年4月
源氏物語 宇治の結び 下
初刊:2017年4月
源氏物語シリーズ
歴史・時代
長編
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源氏物語 宇治の結び 上
荻原規子版「源氏物語」宇治の結び上巻。光源氏亡き後、都で評判を集める若者・薫と匂宮は、性格も恋への向き合い方も対照的だった。自らの出生に疑いを抱き、仏道へ心を寄せる薫は、宇治に隠棲する八の宮を訪ね、忘れられた宮家の姉妹・大君と中の君に出会う。静かな大君へ思いを深める薫と、華やかな匂宮を中の君に結びつけようとする周囲。都と宇治の距離、身分の不安、ためらいが、四人の恋を複雑にしていく。世間からもてはやされる二人の貴公子と、世間から遠ざけられた姫君たちの出会いを軸に、光源氏の孫世代が織りなす新たな人間ドラマを、軽やかな現代語で描く。古典の続編が生き生きと立ち上がる。
源氏物語 宇治の結び 下
荻原規子版「源氏物語」宇治の結び下巻。宇治の姫君たちとの恋を経て、薫と匂宮の前に現れるのは、姉妹からも遠ざけられて育った異母妹・浮舟。薫は彼女に失った面影を重ね、宇治に住まわせて守ろうとするが、匂宮もまた浮舟に強く惹かれていく。慎重で内省的な薫と、情熱のまま進む匂宮。二人の間で、浮舟は自分の望みを言葉にできないまま追い詰められていく。愛されることは、誰かの物語に組み込まれることなのか。都の華やかさから離れた宇治を舞台に、恋の喜びだけでなく迷いと孤独、女性が自らの生を選ぶ難しさを描く。女性の切実な声にも耳を澄まし、人物の心の揺れが鋭く迫る宇治十帖の完結巻。
源氏物語 宇治の結び 上
源氏物語 宇治の結び 下
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RDG レッドデータガールシリーズ短編集。鳳城学園での大きな出来事を越えた後、物語の中心に立つのは宗田真響。正月明けに寮へ戻った彼女は、泉水子と深行の関係の変化を感じ取る一方、宗田家と高柳家をめぐる新たな駆け引きに向き合う。横浜でのスケート合宿では、従兄の克己が結婚相手の候補として現れ、その執着が思わぬ悪霊を呼び寄せてしまう。華やかな氷上の時間と、家に受け継がれた力の重さが交差する表題作に加え、「影絵芝居」「九月の転校生」「相楽君は忙しい」を収録。泉水子、深行、真響たちの本編では見えなかった表情と、その後の日常を描く、本編を補完するファン必読の四つの物語。

源氏物語 つる花の結び 上
初刊:2018年6月
源氏物語 つる花の結び 下
初刊:2018年6月
源氏物語シリーズ
歴史・時代
長編
源氏物語 つる花の結び 上
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源氏物語 つる花の結び 下
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源氏物語 つる花の結び 上
荻原規子版「源氏物語」つる花の結び上巻。長雨の夜、男たちがさまざまな女性の魅力を語り合う「雨夜の品定め」を聞いた若き光源氏は、身分の異なる女性たちへ関心を広げていく。夫のある空蝉、頭中将のかつての恋人・夕顔、没落した宮家の姫・末摘花。華やかな宮中の外で生きる女性との逢瀬は、源氏に新鮮な喜びを与える一方、秘密と危険を伴うものだった。恋する貴公子の視線だけでなく、選ばれる側の戸惑い、誇り、生活の現実を鮮やかに描き出す。主要人物ごとに五十四帖を組み直し、敬語を抑えた語りと意訳した和歌で、古典の恋愛群像を一気に読ませる。恋の喜びと残酷さを近く感じられる現代語訳。
源氏物語 つる花の結び 下
荻原規子版「源氏物語」つる花の結び下巻。夕顔の遺児・玉鬘は、長い流浪の末に光源氏に迎えられ、六条院で美しく成長する。源氏は彼女を実父の頭中将と再会させる機会をうかがい、宮中への出仕を勧めるが、その魅力に惹かれた貴公子たちが次々と求婚に乗り出す。螢兵部卿宮、鬚黒大将らの思惑に、玉鬘自身の気持ち、源氏の保護者とは言い切れない感情が絡み、華やかな恋の競争は危うさを増していく。一人の女性を誰がどのように扱うのかという「玉鬘十帖」の人間模様を軸に、中流階級の女性たちから続く物語を結ぶ。古典の女性群像を鮮やかに浮かび上がらせ、荻原規子版全五十四帖を締めくくる現代語訳。
源氏物語 つる花の結び 上
源氏物語 つる花の結び 下
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物語作家・荻原規子は、どんな本に心を動かされ、どのように自分だけの物語世界を築いたのか。『赤毛のアン』と『枕草子』の意外な響き合い、『十二国記』や佐藤さとるのコロボックル物語、『ナルニア国物語』など、長く愛してきた作品を読み直しながら、想像力が羽ばたく瞬間を語るエッセイ・読書案内。デビュー作『空色勾玉』を生み出した経験や、古典を現代の物語として読む面白さ、ファンタジーを書くことへの思いも率直につづられる。名作の魅力を新しい角度から知りたい読者にも、創作の舞台裏に触れたい読者にもおすすめ。読むことが、現実とは別の空を飛ぶ力になると教え、創作への勇気もくれる一冊。
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エチュード春一番シリーズ第3巻。大学生の美綾は、八百万の神を名乗る小犬モノクロと『将門記』について話したことをきっかけに、意識だけが平将門の生きた時代へ飛ばされる。目覚めると、彼女は将門を守る蝦夷の少女ユカラの体に閉じ込められていた。そこでは正体不明の病「えやみ」が広がり、人々を苦しめている。山の民から姿を変えた狼たちの助けを借り、美綾は歴史上の人物と古い神々が交わる世界を進むが、現代へ帰る方法は見つからない。モノクロやトビは彼女を救えるのか。平将門の伝承と、土地に残る異族の記憶を大胆に結び、古代と現代をつなぐ、時空を越えた危機へ挑む壮大な歴史ファンタジー。
