翔田寛の新刊一覧表
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『二人の誘拐者』(発売日:2024年8月28日)
静岡県北の廃村で、十年前に誘拐された少女の白骨遺体が見つかる。当時、県警は身代金一千万円を奪われ、少女を取り戻せぬまま事件は迷宮入りしていた。静岡中央署の日下悟警部補が捜査を始めると、かつて見えなかった事情が少しずつ明らかになる。腎臓に持病を抱えていた少女、事件に関わった人々のその後、そして廃村で子供の泣き声がするという噂。時を経て残された材料は、何を指し示すのか。実直な捜査で核心へ近づく刑事たちの前に、さらに新たな事件が起きる。十年の空白は、悲劇を過去にしてくれない。誘拐の行方を追う日下は、失われた命にどんな真実を届けられるのか。未解決事件を掘り起こし、人間の事情へ迫る、日下警部補シリーズ第3巻。
『油絵は謎をささやく』(発売日:2022年3月26日)
日本文化史の大学教授・小宮山香織に、教え子から相談が持ち込まれる。山形の実家にある油彩画に、贋作の疑いがかけられたという。明治を代表する洋画家・高橋由一の作とされる《隧道図》は、真筆に近い特徴を備えながら、いくつもの謎をはらんでいた。鑑定を進める香織は、描かれた当時の事件が鍵を握ると気づく。不可解な失踪、道路事業をめぐる百姓一揆、そして新たな殺人。一枚の絵の真贋を探る問いが、過去と現在をまたぐ謎へ広がっていく。画面に残されたものは、何を伝えようとしているのか。美術の知識と歴史への眼差しを通じ、絵に秘められた事情を追う長編ミステリー。明治の風景と現代の事件が重なる時、油彩画の見え方が静かに変わり始める。
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『人さらい』(発売日:2024年8月6日)
静岡県警浜松中央署の日下悟警部補に、少女誘拐の一報が届く。犯人の要求は身代金一億円で、運搬役には母親が指名された。県警は総力を挙げるが、浜松まつりの人混みと複数のタクシーを利用する犯人の策に翻弄されてしまう。大金は奪われ、少女も帰らなかった。最悪の結果を受け、捜査本部は家族の周囲と事件の経過を改めて追い始める。銀行員である父親の身辺、身代金を運んだ母親の証言、事件中に炎上した車。ばらばらに見える材料は、どんな計画を示しているのか。救出に失敗した刑事たちは、その重さを背負って犯人へ迫る。身代金の消失と家族を襲った悲劇をめぐり、巧妙な誘拐の仕掛けを実直な捜査で追う、日下警部補シリーズ第2巻。
『知能犯』(発売日:2023年10月24日)
西船橋駅近くで傷害致死事件が起き、男が現行犯逮捕される。ところが男は、連行されるパトカーの中で急死してしまった。船橋署の香山亮介らは衝動的な犯行とみて、裏付けを進める。しかし酒を飲めないはずの男が事件前に飲酒していたこと、凶器の出所、現場への移動時間のずれなど、不可解な点が次々に現れる。さらに半年前から男へ急接近していた、謎の人物の存在も浮かび上がった。目の前で起きた犯罪は、見えたとおりのものだったのか。香山は細かな矛盾を追い、単純に思われた事件の背後へ踏み込んでいく。亡くなった男が語れぬ事情を、捜査はどこまで明らかにできるのか。人を取り巻く悪意と刑事の執念を描く、船橋署刑事課・香山亮介シリーズ第4巻。
『時効犯』(発売日:2022年6月10日)
船橋署の香山亮介は、マンションで起きた不可解な転落死を調べていた。亡くなったのは大学で美術史を教える非常勤講師の女性で、大物画家・門脇修太郎の未発表作品を研究していたという。門脇は二十五年前、強盗殺人事件で命を落とし、犯人が見つからぬまま時効を迎えていた。高く評価された画家が、なぜ一枚だけ作品を世に出さなかったのか。女性の死と幻の絵をたどる捜査は、終わったはずの事件へと近づいていく。法律上の区切りがついても、過去の謎が消えるわけではない。香山は、絵をめぐる事情から現在と昔を結ぶ糸を探す。美術に秘められた問いと、刑事の執念が交差する。幻の作品の奥へ踏み込む、船橋署刑事課・香山亮介シリーズ第3巻。
『黙秘犯』(発売日:2021年8月24日)
住宅街で大学生が撲殺される。目撃証言があり、凶器には指紋も残っていた。船橋署の香山亮介らが捜査を進める中、犯人は明らかになったかに見えたが、事件には説明しきれない点が残る。やがて海水浴場での溺死と、連続する婦女暴行事件との奇妙なつながりが浮かび上がった。別々の出来事に見えた死と暴力は、どこで結びつくのか。そして語られない言葉は、保身のためか、それとも償いのためなのか。証拠の示す筋道を追いながらも、香山は不可解さを置き去りにせず、事件の背景へ踏み込んでいく。沈黙に隠れた事情と人間の思いを、刑事たちの捜査を通じて描く。確かな証拠の先にある真実へ向き合う、船橋署刑事課・香山亮介シリーズ第2巻。
『クライム・プランナー』(発売日:2021年2月15日)
渋谷ののんべい横丁で、ホットドッグとビールだけを出す店を営む大柳。彼には、知恵を使って悪人を罠へ誘い、自滅へ追い込む「クライム・プランナー」としての過去があった。いじめ、詐欺、パワハラ。道理や理屈を説くだけでは解決できない問題に、影から働きかける存在である。そんな彼のもとへ、友人が血まみれで高速道路に放置されていたという知らせが入る。穏やかな店の暮らしと、かつて身につけた企ての技。友を襲った出来事を前に、大柳はどう動くのか。悪意に対して知略を巡らせる男の姿を通じ、きれいごとでは救えない現実に踏み込む犯罪小説。誰かを守るための計画は、どこまで許されるのか。日常の裏へ足を踏み入れる物語が、正義と制裁の境を揺さぶる。