村上龍の新刊情報
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「世界一もてない男」を自称する四十代のユーチューバーが、七十歳の著名作家・矢﨑健介に、自分のYouTube番組への出演を頼み込む。作者自身を彷彿とさせるこの作家は、半世紀にわたる女性遍歴を語ってほしいという願いを受け入れ、これまで誰にも話さなかった女性たちとの思い出をカメラの前で語りはじめる。初体験の相手や家具デザイナーの女性をはじめ、十五人ほどの女性たちにはそれぞれ固有の物語がある。ユーチューバーが仕掛けた一本の番組は、どこへ向かうのか。二〇二五年六月刊の幻冬舎文庫で、表題作のほか「ホテル」「サブスクリプション」「ディスカバリー」を収めた全四編の連作小説。
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猫から「あの女を捜すんだ」と告げられた小説家の「わたし」。その女の正体は、若き女優の真理子だった。彼女とともに「過去へ向かう電車」に乗り込むと、驚きの変化が起こる。やがて真理子との再会をきっかけに、かつての自分を見つめる「母」の声が聞こえ始める。シェパードの子犬、日曜日の図書室、中学生の時の作文、そしてデビュー作となった小説。記憶の断片をたどるうち、作家は自らのルーツへと少しずつ迫っていく。幻想と現実が溶け合う世界で、失われているものとは何かを静かに問いかける、村上龍の傑作長編小説。メールマガジンで連載され、作者が当初は幻想小説を思い描きながら、途中から母が現れたと語る一作でもある。
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1984年に連載が始まった村上龍のエッセイが、ついに最終巻を迎える。68歳になった著者は、もう政治を語らず、メディア批判もやめた。けれども、現代日本の空気に寄り添うことは決してない。文章は澄んだ湖のように静謐でありながら、その内側には獰猛な生きものがひそんでいるという。長く書き継がれた連載の果てに、著者がたどり着いた視線とは何か。声高に何かを主張するのではなく、抑えた筆致のなかに凄みをたたえている。時代に流されず、自分の感覚だけを頼りに世界を見つめてきた書き手の現在地を、静かな緊張感とともに味わえる一冊。長年の読者はもちろん、初めて手に取る人にも響くだろう。、すべての男は消耗品である。シリーズ最終巻。
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おしゃれであること、幸福になること、成功を収めること。そんな目標に追われる毎日を、少し離れて眺めてみたらどうだろう。村上龍が、身近な楽しみから社会の動きまでを題材に、生き方をめぐる思い込みを問い直すエッセイ集。贈り物の効用、クールジャパンと偏愛、韓流ドラマと復讐、ワインの味わい、企業の不祥事、インターネットと読書など、話題は多彩に広がっていく。幸福や成功に決まった形が見えない時代に、嫌なことを我慢し続ける必要はあるのか。これから自分は何をしたいのか。世間の尺度に合わせようと焦る気持ちをほどきながら、自分の日々を考え直すきっかけをくれる。立ち止まり、何もしない時間にも目を向ける一冊。
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二〇一八年の東京。NHKに、「満洲国の人間」を名乗る老人から爆破予告の電話が入る。やがて、日本を再び焼け野原にしようとする老人たちの企てが動き出す。妻子に去られ、ボロアパートで暮らす元週刊誌記者のセキグチは、カツラギという魅惑的な女性に導かれ、巨大なテロ計画に巻き込まれていく。与えられた使命は、暴走する「オールド・テロリスト」たちを食い止めること。だが、静かな怒りを抱えた彼らの言葉は、反発するセキグチの価値観を少しずつ揺さぶっていく。『希望の国のエクソダス』に続きセキグチが語り手を務める、村上龍の長編社会派小説。年寄りをなめんなよ――その怒りは、どこへ向かうのか。
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