目次

安東能明のシリーズ作品一覧

柴崎令司(撃てない警官)シリーズ(6作)

  1. 撃てない警官』(初刊:2010年10月)
  2. 出署せず』(初刊:2014年6月)
  3. 伴連れ』(初刊:2016年4月)
  4. 広域指定』(初刊:2016年8月)
  5. 総力捜査』(初刊:2017年12月)
  6. 消えた警官』(初刊:2020年1月)

生活安全特捜隊シリーズ(3作)

  1. 聖域捜査』(初刊:2010年12月)
  2. 境界捜査』(初刊:2012年3月)
  3. 伏流捜査』(初刊:2013年4月)

第II捜査官シリーズ(3作)

  1. 第II捜査官』(初刊:2013年9月)
  2. 第II捜査官 虹の不在』(初刊:2017年2月)
  3. 第II捜査官 凍える火』(初刊:2020年3月)

疋田務(赤羽中央署生活安全課)シリーズ(4作)

  1. 限界捜査』(初刊:2013年10月)
  2. 侵食捜査』(初刊:2014年10月)
  3. ソウル行最終便』(初刊:2016年4月)
  4. 彷徨捜査 赤羽中央署生活安全課』(初刊:2018年6月)

警察庁契約代理人(CAドラゴン)シリーズ(3作)

  1. 原潜侵入 警察庁契約代理人1』(初刊:2014年8月)
  2. 原潜暗闘 警察庁契約代理人2』(初刊:2014年12月)
  3. 天空突入 警察庁契約代理人3』(初刊:2015年3月)

夜の署長シリーズ(3作)

  1. 夜の署長』(初刊:2017年3月)
  2. 夜の署長2 密売者』(初刊:2019年11月)
  3. 夜の署長3 潜熱』(初刊:2023年2月)

安東能明のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)

『死が舞い降りた』(初刊:1995年1月)

死が舞い降りた

死が舞い降りた <単行本>

発売日:1995年1月1日

長編
あらすじ

朝もやに包まれた街で、ジョギング中の男が異様な手口で惨殺された。首には深い傷、眼球は失われ、現場には凶器も有力な遺留品もない。捜査陣を嘲笑うかのような犯行の背後に浮かぶのは、過去を忘れて平穏に暮らす者たちを狙う、正体不明の「狩人」の影だった。被害者はなぜ選ばれ、常人離れした襲撃はいかにして行われたのか。森に封じられた記憶と復讐が、現在の街へ静かに忍び寄る。自然と都市、加害と被害の境界を揺さぶりながら、執念の捜査が忘却された罪を掘り起こしていく。第7回日本推理サスペンス大賞優秀賞に輝いた、緊迫の長編サスペンス。追う者と追われる者の視点が交差し、荒々しい自然の気配が捜査の緊張をさらに高める。

『鬼子母神』(初刊:2001年1月)

鬼子母神

鬼子母神 <幻冬舎文庫>

発売日:2003年10月1日

長編
あらすじ

保健センターに勤める保健婦・工藤公恵のもとへ、若い母親から切迫した電話が入る。駆けつけた先で目にしたのは、血まみれになった三歳の少女だった。幼児虐待を疑った公恵は母子を見守り始めるが、救う側であるはずの彼女自身も、家庭と心に深い闇を抱えていた。母はなぜ、守るべきわが子を傷つけてしまうのか。二組の親子を結ぶ不穏な兆候は、やがて日常の輪郭を崩し、善意だけでは止められない恐怖へと変わっていく。親子の愛情と依存、孤立の果てに潜む地獄を息詰まる筆致で描く、第1回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。支援の手が届きにくい家庭の密室で、二人の母親の選択が互いの運命を大きく変えていく。

『漂流トラック』(初刊:2001年10月)

漂流トラック

漂流トラック <単行本>

発売日:2001年10月18日

長編
あらすじ

全国の道路を渡り歩くトラッカーたちの世界で、空前の金塊強奪計画が動き出す。検問をすり抜け、刻々と狭まる包囲網をかわしながら、一台のトラックは正体の知れない積荷を抱えて西へ走り続ける。飛び交うCB無線、行く手を阻む追跡者、そして道中に浮かび上がる謎の白骨死体。運送会社同士の熾烈な潰し合いまで絡み、単純な強奪事件は物流網そのものを舞台にした危険な駆け引きへ変貌していく。荷台に隠されたものは何か、誰が誰を利用しているのか。巨大な流通システムの裏側と、道路に生きる者たちの誇りを疾走感たっぷりに描くロードサスペンス。夜の国道を巨大なチェス盤に変え、運転手たちの連帯と裏切りが最後まで予断を許さない。

『15秒』(初刊:2002年7月)

15秒

15秒 <単行本>

発売日:2002年7月1日

長編
あらすじ

二月十日午前五時。鉄道運転士の時計、ケーブルテレビの放送、精密機械工場の時刻が、互いに無関係な場所で一斉に十五秒遅れ、そのわずかなずれが二人の死を招いた。偶然では説明できない異常の背後に、時間を自在に操るという「絶対時計」の存在がちらつく。秒単位で動く鉄道と社会の仕組みを狙い、誰が、何のために時刻を狂わせたのか。調査が進むほど、日常を支える時刻の信頼は崩れ、人々は見えない罠へ追い込まれていく。たった十五秒が大事故と社会混乱を引き起こす恐怖を、タイムパラドックスの謎とともに描く、ノンストップ・サスペンスホラー。鉄道、放送、工場を結ぶ見えない連鎖を追うほど、社会全体が巨大な時計仕掛けに見えてくる。

『幻の少女』(初刊:2003年8月)

幻の少女

幻の少女 <単行本>

発売日:2003年8月1日

長編
あらすじ

福祉機器会社の営業部長・松永秀夫が目覚めると、そこは病院だった。会社で何が起きたのか、なぜ倒れたのか、目の前の人物が誰なのかさえ思い出せず、新しい記憶も留められない。折しも、経営難に陥った会社の社長が車内で焼身自殺を遂げていた。次期社長の有力候補だった松永は、自分がその死に関わったのではないかという疑念に怯えながら、失われ続ける記憶を手がかりに空白の時間をたどり始める。周囲の言葉は真実なのか、それとも彼を操るための虚構なのか。頼るべき自分自身さえ信用できない極限状況で、会社に潜む秘密と一人の少女の影が交錯する心理ミステリー。断片的な記憶が戻るたび、味方に見えた人物への疑いと、自分自身への恐怖が深まっていく。

『強奪 箱根駅伝』(初刊:2003年10月)

強奪 箱根駅伝

強奪 箱根駅伝 <PHP文芸文庫>

発売日:2023年11月9日

長編
あらすじ

箱根駅伝本戦を目前に、出場校の女子マネージャーが何者かに拉致された。犯人はチームの有力選手一人を指名して欠場を要求し、監禁映像をテレビ局へ送りつけ、駅伝中継そのものを乗っ取れると示唆する。解決の糸口がつかめないまま、選手たちは往路のスタートを切る。すると犯人は、コース上での身代金受け渡しを生中継せよという新たな条件を突きつけた。競技の栄光、仲間の命、報道の使命、警察の威信。沿道の熱狂の陰で、それぞれの思惑が激しく交錯する。全国が見守る箱根路を巨大な舞台に変えた、疾走感と感動に満ちた誘拐サスペンス。走者が一本の襷に託す思いと、救出を願う者たちの決断が、極限のレースを熱く加速させる。

『水没 青函トンネル殺人事件』(初刊:2005年7月)

水没 青函トンネル殺人事件

水没 青函トンネル殺人事件 <幻冬舎文庫>

発売日:2007年12月3日

長編
あらすじ

パリで活躍するファッションデザイナー・三上連には、誰にも明かせない過去があった。少年時代にある人物を殺し、その遺体を建設中の青函トンネルへ隠したのだ。二十五年後、成功を手にした彼のもとへ、忘れたはずの罪を知る者から脅迫状が届く。故郷へ戻った三上を待っていたのは、過去の関係者たちと、巨大海底トンネルに迫る異変だった。密室にも似た海峡の地下で、封印された殺人と現在の危機が結びついていく。脅迫者は誰なのか、なぜ今になって罪を暴こうとするのか。そして大量の海水に脅かされるトンネルから、人々は脱出できるのか。息詰まるパニック・ミステリー。過去を埋めた場所が現在の逃げ場を奪う中、三上は罪から目をそらさず生還への道を探す。

『螺旋宮』(初刊:2005年11月)

螺旋宮

螺旋宮 <徳間文庫>

発売日:2015年11月1日

長編
あらすじ

地下数十メートルに造られた居住施設で一か月暮らせば、待望の子を授かることができる。そんな触れ込みに望みを託し、不妊に悩む高代夫妻は実験への参加を決めた。やがて娘・朋香が生まれ、二人は幸福の絶頂に包まれる。だが同じ地下生活を経験した三組の夫婦の子どもたちが、いずれも生後百二十五日目に突然死していたと知る。さらに、先の参加者の一人がマンションから身を投げた。迫る運命の日までに、娘を救う方法を見つけなければならない。奇跡の懐妊をもたらした施設では何が行われていたのか。科学と欲望が生んだ密室の秘密へ挑む、ノンストップ・サスペンスホラー。幸福を約束したはずの住まいが、親たちを監視し選別する装置のような貌を見せ始める。

『通訳官エリザ 復讐捜査線』(初刊:2007年9月)

通訳官エリザ 復讐捜査線

通訳官エリザ 復讐捜査線 <双葉文庫>

発売日:2014年1月7日

長編
あらすじ

多くの日系ブラジル人が暮らす地方都市・大浜市。人材派遣会社で働きながら司法通訳を務める日系三世の片桐エリザは、コンビニ強盗で逮捕された少年の取調べに立ち会う。そこで耳にしたのは、勤務先から大金を奪ってブラジルへ逃げた男が再び日本へ来たという情報だった。事件を追ううち、エリザがサルバドールの貧民街でストリートチルドレンとして生きた過去と、仲間を奪った「死の部隊」の記憶がよみがえる。言葉の壁に隠された証言、移民社会の孤立、迫り来る追手。通訳として他人の言葉をつなぐ彼女は、自らの復讐心と向き合いながら、現在と過去が交差する危険な捜査へ踏み込んでいく。日本とブラジル、二つの文化の狭間で生きる人々の声が、事件の真相を多面的に映し出す。

『死紋調査』(初刊:2009年7月)

死紋調査

死紋調査 <角川文庫>

発売日:2019年7月24日

長編
あらすじ

踏切事故で命を落とした少女は、その数時間前、事故の光景と奇妙に一致する絵を描いていた。偶然その絵を見つけた万里は、死の直前に描かれるという「予知絵」に惹かれ、同じような事例を調べ始める。やがて複数の子どもの絵に共通する不気味な形が、描き手の周囲で起きる死と結びついていることに気づく。万里が「死紋」と名づけたその印が、今度は自分の息子の絵に現れた。絵は未来を告げるだけなのか、それとも死を呼び寄せるのか。残された時間の中、息子を守ろうと奔走する母の前で、偶然と超常現象の境界が崩れていく。家族への愛が恐怖を貫く異色サスペンス・ミステリー。子どもたちの無垢な線に刻まれた警告を読み解くほど、万里自身の過去にも異変が迫る。

『殺人予告』(初刊:2010年9月)

殺人予告

殺人予告 <朝日文庫>

発売日:2018年5月7日

長編
あらすじ

新聞社の窓際記者・岩田修一郎のもとへ、かつて取材した元服役囚から一本の電話が入る。「このままでは人を殺してしまう」。起死回生の特ダネを予感した岩田は半信半疑で男のもとへ急ぐが、やがて警官が殺され、予告は現実の事件として牙をむく。容疑者の背後を追う取材は、自殺した少女、音大受験を左右した補導記録、警察内部の対立、企業との癒着へとつながっていく。男は本当に殺人者なのか、それとも誰かの罪を背負わされているのか。組織が隠そうとする過去に対し、記者たちは言葉と足で真実を追う。報道と警察の正義が激突する、骨太の社会派サスペンス。記事にする責任と人を救う責任の間で、岩田は記者としての覚悟を厳しく試されていく。

『潜行捜査』(初刊:2010年9月)

潜行捜査

潜行捜査 <双葉文庫>

発売日:2014年4月8日

長編
あらすじ

大晦日、一家三人が惨殺される凄惨な事件が発生した。捜査本部で重要な役目を担った刑事・幸本は、捜査方針をめぐる対立から本部を外され、やがて所轄の生活安全課へ追いやられる。五年後、膨大な物証に翻弄された事件は迷宮入り寸前。それでも幸本は、公式捜査とは異なる視点から密かに犯人を追い続けていた。偶然手にした一つの指紋が、止まっていた時間を動かす。しかし勝負に使える猶予はわずか十日。組織の支援もなく、過去の失敗と向き合いながら、幸本は執念の単独捜査に踏み出す。積み上げられた証拠の迷路から真実への一本の道を探す、重厚な警察ミステリー。時間切れが迫るほど、かつて本部が見落とした小さな違和感が、決定的な意味を帯びてくる。

『ゼンカン 警視庁捜査一課・第一特殊班』(初刊:2016年10月)

ゼンカン 警視庁捜査一課・第一特殊班

ゼンカン 警視庁捜査一課・第一特殊班 <幻冬舎文庫>

発売日:2016年10月7日

長編
あらすじ

江東区で女性を狙う執拗なストーカー事件が起きた。被害者・長井由里は無言電話や誹謗中傷のビラに苦しめられ、ついには地下鉄のホームから突き落とされる。警視庁捜査一課第一特殊班が警護に入るが、周囲に不審者は見当たらず、犯人は姿を見せない。ただ一人、係長の辰巳だけは、かつて担当した奇妙な事件と同じ匂いを感じ取っていた。殺人に至る前の脅威を、警察はどこまで事件として扱えるのか。見えない加害者の心理と日常に潜む危険を追い、拉致、監禁、つきまといなど凶悪化する事案へ特殊班が挑む、緊迫の連作警察小説。執念深い嫌がらせの一つひとつを読み解くうち、辰巳は加害者の巧妙な支配構造へ迫る。

『女形警部 築地署捜査技能伝承官・村山仙之助』(初刊:2019年4月)

女形警部 築地署捜査技能伝承官・村山仙之助

女形警部 築地署捜査技能伝承官・村山仙之助 <実業之日本社文庫>

発売日:2019年4月5日

長編
あらすじ

歌舞伎好きが高じて子役となった高部研一は、将来を嘱望されながら高校卒業後に警察官へ転身。難事件を次々に解決し、三十三歳で警視庁捜査一課の警部に昇任した。ところが翌年、歌舞伎界へ戻って人気女形・村山仙之助として活躍する一方、卓越した捜査能力を惜しまれ、極秘の「捜査技能伝承官」に任命される。築地署の若き女性巡査・九重佐知と組み、舞台と稽古の合間に拉致監禁、ストーカー、地面師など都会の悪へ目を光らせる仙之助。役者の観察眼と刑事の筋読みが鮮やかに重なる、華やかで異色の連作警察ミステリー。舞台で磨いた変装と所作の知識も駆使し、仙之助は犯人の演技の綻びを鮮やかに見抜く。

『頂上捜査』(初刊:2019年9月)

頂上捜査

頂上捜査 <角川文庫>

発売日:2022年1月21日

長編
あらすじ

山梨県警捜査二課長に着任したばかりのキャリア・仁村は、県知事・有泉の贈収賄疑惑を任される。人事委員長の職をあっせんする見返りに、葬儀会社会長から高額な洋服仕立券を受け取ったというのだ。一方、叩き上げの組織犯罪対策室長・皆沢は、地元暴力団の激しい抗争を追っていた。抗争に巻き込まれて死亡した女性が、実は警察へ情報を流す協力者だったことから、別々に見えた二つの事件がつながり始める。県政の頂点と裏社会の底で動く利害を前に、異色の二人は共闘できるのか。権力の核心へ切り込む、緻密で骨太な警察サスペンス。立場も捜査手法も正反対の二人が、互いの情報を結んだとき、県警を揺るがす構図が現れる。

『蚕の王』(初刊:2021年11月)

蚕の王

蚕の王 <中公文庫>

発売日:2024年11月20日

長編
あらすじ

昭和二十五年、静岡県で一家四人が殺害される二俣事件が発生した。警察は少年を犯人として逮捕し、自白を決定的な証拠として捜査を進める。だが、その供述は過酷な取調べと拷問によって作られたものではないのか。地元社会を覆う沈黙、警察の威信、司法の追認。真相を求める者たちは、国家権力が一人の若者へ罪を着せようとする巨大な流れに立ち向かう。なぜ捜査は暴走し、裁判はそれを止められなかったのか。戦後日本に実在した冤罪事件を土台に、捜査機関と司法が結んだ暗部、人間の尊厳を奪う仕組みを緻密に描き出す、事実に基づく重厚な社会派ミステリー。一人の少年の運命を追う視線は、正義を掲げる制度が誤ったときの恐ろしさを現在へ問い返す。

『消える息子』(初刊:2022年3月)

消える息子

消える息子 <小学館文庫>

発売日:2022年3月4日

長編
あらすじ

八王子で暮らす公務員・宮津和夫は、幼い息子と相模湖を訪れた際、「ぼく、あそこで殺されたんだ」と告げられる。同時に息子の首には、誰かに絞められたような痕が浮かんだ。以来、和夫自身も水辺で男を絞め殺す悪夢に苦しみ、三十三年前に見つかった変死体と息子の言葉に奇妙な符合を見いだす。息子は、自分が前世で殺した男の生まれ変わりなのか。答えを求める和夫の視界が歪み、気づけば三十三年前の八王子に立っていた。過去の男を救えば、現在の息子は消えてしまうのか。父の愛と罪の記憶をめぐる、切迫したタイムスリップ・ミステリー。親子を結ぶ時間の輪が閉じようとする中、和夫は愛する者を守るため過去の選択に介入する。

『突破屋 警視庁捜査二課・五来太郎』(初刊:2023年4月)

突破屋 警視庁捜査二課・五来太郎

突破屋 警視庁捜査二課・五来太郎 <潮文庫>

発売日:2023年4月5日

長編
あらすじ

警視庁捜査二課第四知能犯捜査第三係の統括主任・五来太郎警部補は、困難な捜査の壁を打ち破る「突破屋」として知られている。ある日、彼のもとへ匿名の密告電話が入り、指定された料亭を張り込むと、国運省の官僚と建設業者が密かに会食していた。国家規模の公共事業を巡り、入札情報が特定企業へ漏れているのではないか。疑惑は濃いが、巧妙な工作に阻まれ、贈賄の証拠はつかめない。尾行、張込み、資金の洗い出し。華やかな逮捕劇の陰にある地道な積み重ねで、五来たちは権力と企業の癒着へ食い込んでいく。知能犯捜査の真髄を描く王道警察小説。数字と書類の奥に隠された人間の欲を読み、五来は一見崩せない防壁へ粘り強く穴を開ける。

『ブラックバード』(初刊:2023年6月)

ブラックバード

ブラックバード <祥伝社文庫>

発売日:2026年6月10日

長編
あらすじ

敗戦後、GHQ占領下の日本。元海軍パイロット・堀江功は米軍関係者から声をかけられ、GHQにも秘された飛行訓練へ参加する。やがて朝鮮戦争が勃発し、マッカーサーが原爆使用を計画する中、堀江ら四人の日本人は米軍機A-26を駆る極秘飛行隊を結成。敵味方の思惑が交錯する戦地の空へ送り込まれる。彼らに最後に下された密命は、さらなる原爆投下を阻止することだった。敗戦国の空を奪われた男たちは、誰の命令に従い、何を守るために飛ぶのか。歴史の陰に潜む謀略と飛行士たちの矜持を、圧倒的なスケールで描く航空軍事サスペンス。実在の歴史を大胆な着想で組み替え、戦闘機乗りの技量と友情を息詰まる空戦に刻み込む。

『残響の檻』(初刊:2026年11月)

残響の檻

残響の檻 <単行本>

発売日:2026年11月26日(予約商品)

長編
あらすじ

老人介護施設で、入所者の不審死が相次いだ。偶然や老衰として片づけるには不可解な点が残り、被害者たちにはそれぞれ複雑な過去があることも分かってくる。捜査に挑むのは、元刑事だった父の死を胸に抱える若き刑事。閉ざされた施設で職員と家族の証言をたどるうち、過去の事件と現在の死を結ぶ、消えない残響が聞こえ始める。老いと介護の現場に潜む孤独、守られるべき人々を取り巻く利害、父が遺した刑事としての教え。誰が、何のために沈黙を重ねているのか。逃げ場のない「檻」のような人間関係から真相を探る、重厚な長編警察ミステリー。若き刑事は父ならどう見たかを問い続けながら、施設の穏やかな表情の裏へ踏み込んでいく。

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