柚月裕子のデビュー作から最新刊まで、全作品を出版順にまとめた完全網羅リストです。「佐方貞人」「孤狼の血」などの人気シリーズの読む順番や、長編・短編集などの分類も分かりやすく表示しています。
当サイトで紹介している作家さんは下のリンク先でまとめています。
柚月裕子のシリーズ作品一覧
柚月裕子のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)
臨床真理

臨床真理 <角川文庫>
発売日:2019年9月21日
新米臨床心理士の佐久間美帆が担当することになったのは、他人の感情を色として感じ取る「共感覚」を持つ青年・藤木司。彼が口にした、心を閉ざした少女の死への疑念は、単なる妄想なのか、それとも見過ごされた真実への入口なのか。美帆は司の言葉を信じ、警察官の友人とともに事件を追い始める。専門家としての冷静さと、一人の人間を救いたい思いの間で揺れながら、彼女は福祉施設の周囲に潜む不穏な影へ近づいていく。人の心はどこまで理解できるのか。共感覚という異色の題材を軸に、信じることの危うさと尊さを描く心理サスペンス。著者の原点となった鮮烈なデビュー作。読む者の倫理観も揺さぶる。
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蟻の菜園 アントガーデン

蟻の菜園 アントガーデン <角川文庫>
発売日:2019年6月14日
婚活サイトで知り合った複数の男性から金を受け取り、その男たちが相次いで死亡した――。結婚詐欺容疑で逮捕されたのは、美貌の介護士・円藤冬香だった。事件に強い関心を抱いたフリーライターの由美は、冬香の足跡を追い始める。だが、表面に見える欲望だけでは説明できない事実が次々と現れ、完璧に見えるアリバイの奥から、彼女の知られざる過去と別の素顔が浮かび上がる。獲物を誘い込む蟻の庭のように、誰が罠を仕掛け、誰が囚われているのか。婚活、孤独、貧困、家族という現代の影に踏み込み、罪の背景にある痛みと人間の脆さを鋭く照らす社会派ミステリー。真相の先に、救いは残されるのだろうか。
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パレートの誤算

パレートの誤算 <祥伝社文庫>
発売日:2017年4月12日
市役所のベテランケースワーカー・山川が、訪問先のアパートの焼け跡から撲殺死体で発見された。新人職員の牧野聡美は彼の担当世帯を引き継ぎ、生活保護受給者のもとを回ることになる。仕事熱心で人望も厚かったはずの山川。だが支援の現場を知るほどに、彼が暴力団と不適切な関係を持ち、不正受給に関わっていたのではないかという疑いが膨らんでいく。殺された先輩は善意の支援者だったのか、それとも制度を食い物にする側だったのか。聡美は戸惑いながらも、受給者たちの暮らしと事件の真相に向き合う。数字では切り捨てられない人間の尊厳を問い、社会保障の光と闇を描く社会派ミステリー。今こそ読みたい一冊。
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ウツボカズラの甘い息

ウツボカズラの甘い息 <幻冬舎文庫>
発売日:2018年10月10日
家事と育児に追われ、かつての輝きを失ったと感じている主婦・高村文絵。懸賞で当てたディナーショーで、彼女は中学時代の同級生だという謎めいた美女「加奈子」に声をかけられ、恩返しとして思いがけない話を持ちかけられる。一方、鎌倉の豪邸では男性が頭部を強打され殺害され、県警の秦圭介と鎌倉署の中川菜月が捜査を開始。現場にはサングラスの女が出入りしていたという。平凡な主婦の日常と、巨額詐欺を伴う殺人事件。無関係に見えた二つの筋が交わるとき、誰の心にも潜む弱さと狂気が露わになる。甘い誘いの奥に待つ罠を描く、緊迫の犯罪ミステリー。文絵を待つ運命から、最後まで目が離せない。
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あしたの君へ

あしたの君へ <文春文庫>
発売日:2019年11月7日
裁判所職員採用試験に合格し、九州の福森家庭裁判所へ配属された望月大地。正式な家裁調査官になるまでの研修中で、通称「カンポちゃん」と呼ばれる半人前の彼は、初めて少年事件を担当する。窃盗の本当の動機を語らない少女、ストーカー行為で逮捕された優等生、離婚や親権争いに揺れる家族。書類の奥には、当事者自身さえ言葉にできない痛みと願いが隠されていた。正しい答えを急ぐほど心は遠ざかり、善意だけでは人を救えない。迷い、失敗しながらも一人ひとりの声に耳を澄ます大地は、彼らの未来に手を差し伸べられるのか。人を裁くのではなく、その明日を考える仕事を描いた連作ミステリー。希望の物語。
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慈雨

慈雨 <集英社文庫>
発売日:2019年4月19日
四十二年の警察官人生を終えた神場智則は、妻・香代子とともに四国遍路の旅へ出る。長年背負ってきた記憶を静かに整理するはずの道中、幼女殺害事件の発生を知り、心を大きく乱される。事件は十六年前、自ら捜査に加わって容疑者逮捕に至った未解決の痛みと酷似していた。あの捜査は本当に正しかったのか。神場はかつての部下を通じて新たな事件に関わりながら、組織への忠誠と刑事としての良心、そして封じてきた悔恨に向き合っていく。祈りの道を歩くほど、過去の疑念は鮮明になる。守るべき正義のために何を差し出せるのかを問う、静かな情感と緊迫感に満ちた長編警察ミステリー。雨のような慈しみが残る。
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盤上の向日葵 上

盤上の向日葵 上 <中公文庫>
発売日:2020年9月24日
山中から発見された身元不明の白骨死体。その傍らには、名匠が手がけた希少な将棋駒が残されていた。埼玉県警の二人の刑事は、駒の来歴を手がかりに被害者の身元と事件の背景を追う。一方、将棋界では、実業界から転身し、奨励会を経ずに頂点へ迫った異色の棋士・上条桂介が、世紀のタイトル戦に挑もうとしていた。栄光の舞台に立つ男と、山中に捨てられた遺体を結ぶものは何か。捜査が過去へ遡るにつれ、一枚の駒に刻まれた執念と、才能をめぐる苛烈な人生が浮かび上がる。二つの時代を貫く謎が、静かに動き出す。将棋の静かな盤面と殺人捜査の緊張が交差する、壮大なヒューマンミステリー、文庫版上巻。
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盤上の向日葵 下

盤上の向日葵 下 <中公文庫>
発売日:2020年9月24日
山中の白骨死体とともに見つかった名匠の将棋駒。刑事たちがその来歴を辿る一方、異色の棋士・上条桂介は、将棋界の頂点を懸けた世紀の一戦に臨む。実業界から転身し、奨励会を経ずに駆け上がった彼の強さはどこから生まれたのか。捜査の糸は、貧しさと暴力の影に覆われた少年時代、才能を見いだした恩人、そして勝負の世界で出会った人々へと伸びていく。盤上にすべてを賭けた男の壮絶な半生が明らかになるほど、現在の殺人事件は逃れがたい運命の形を帯びていく。向日葵のように光を求めた人生の果てに待つものとは。いよいよ、最後の一手まで息をつかせない。将棋と犯罪を結ぶ重厚な物語、文庫版完結巻。
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ミカエルの鼓動 上

ミカエルの鼓動 上 <単行本>
発売日:2026年5月18日
大学病院で手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條泰己。最先端技術こそ患者を救う道だと信じる彼の前に、ドイツ帰りの天才外科医・真木一義が現れる。真木はロボットを使わず、驚異的な速さと技術で手術を成功させ、病院長の方針まで揺らし始める。そんな折、同じくロボット支援手術を推進してきた医師と連絡が取れなくなり、思いもよらない医療ミスの可能性が浮上。西條は、自らが信じ広めてきた「ミカエル」に初めて疑念を抱く。技術と神の手、どちらが命を救うのか。医療の未来を問う第一幕。二人の外科医の正義が激突する医療サスペンス、直木賞候補作を鮮烈に描くコミカライズ上巻。
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ミカエルの鼓動 下

ミカエルの鼓動 下 <単行本>
発売日:2026年5月18日
手術支援ロボット「ミカエル」の第一人者として歩んできた心臓外科医・西條泰己は、天才外科医・真木一義の登場により、病院の方針と自らの信念を揺さぶられていた。やがて十二歳の難病の少年・白石航をめぐり、二人は治療方針で真っ向から対立する。ロボットによる最先端医療か、真木の神業に懸ける従来の開胸手術か。さらに「ミカエル」の欠陥疑惑と病院内の闇が深まり、疑念は確信へ変わっていく。それでも少年の生きる意志を前に、西條は決死の覚悟で手術へ向かう。医師の正義とは、命を救うとは何か。少年の命を巡る決断から目が離せない。最先端医療の光と影を描く医療サスペンス、コミカライズ完結巻。
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チョウセンアサガオの咲く夏

チョウセンアサガオの咲く夏 <角川文庫>
発売日:2024年4月25日
小さな油断が招く犯罪、家族のすれ違い、猫たちが見つめる人間の可笑しさ、そして胸を刺す別れ。ミステリーから人情譚、ホラー、ユーモアまで、日常のすぐ隣にある十一の景色を切り取ったオムニバス短編集。表題作をはじめ、短い物語のなかで人物の思い込みや欲望が反転し、思いがけない余韻を残す。巻末の「ヒーロー」では、米崎地検で佐方貞人の事務官を務める増田陽二が、高校時代の柔道部の恩師の告別式で旧友と再会。かつて自分を救ってくれたヒーローには、誰にも言えない秘密があった。十一通りの読後感を味わえる贅沢な一冊。多彩な語り口で人の弱さと温かさを映し出す、著者初のオムニバス作品集。
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教誨

教誨 <小学館文庫>
発売日:2025年2月6日
幼い女児二人を殺害したとされる女性死刑囚・三原響子が、刑の執行前に残した言葉は「約束は守ったよ、褒めて」。遠縁の吉沢香純と母・静江は身柄引受人に指名され、東京拘置所で遺骨と遺品を受け取る。事件当時、響子は「毒親」「ネグレクト」と激しく報じられた。だが香純の記憶にある彼女と、世間が描いた像はどうしても重ならない。最期の言葉は誰に向けられ、どんな約束を指すのか。香純は教誨師の助けを借り、遺骨を納めるため響子の故郷・青森県相野町へ向かう。閉ざされた土地と家族の過去を辿るほど、語られなかった声が立ち上がる。罪を犯した人間の心の奥へ迫る長編犯罪小説。響子の声は届くのか。
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ふたつの時間、ふたりの自分

ふたつの時間、ふたりの自分 <文春文庫>
発売日:2023年10月11日
会社員、主婦、そして人気ミステリー作家。いくつもの役割を生きてきた柚月裕子が、二〇〇八年のデビューから十五年の歩みを振り返る初のエッセイ集。作品が生まれる舞台裏や取材で出会った人々、家族との時間、故郷への思い、作家として味わった喜びと苦しみを、飾らない言葉で綴る。『孤狼の血』をはじめとする骨太な小説からは意外に思える日常の素顔や、創作を支えてきた小さな出来事も鮮やかに浮かび上がる。過去を生きた自分と、書き手として今を生きる自分。二つの時間を結ぶ記憶には、笑いと涙、そして物語へ向かう原点がある。著者の人柄と創作への情熱に触れられる、温かな文庫オリジナル作品。
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風に立つ

風に立つ <単行本>
発売日:2024年1月10日
岩手で南部鉄器の工房を営む父・孝雄と、その跡を継ぐ息子・悟。腕は確かだが不器用な父に、悟は長年複雑な思いを抱いてきた。ある日、孝雄は補導委託を引き受け、罪を犯した少年・春斗を家に住まわせると一方的に決める。少年の処分を考えるため、一定期間家庭で預かり、生活をともにしながら立ち直りを支える制度だ。家族にさえ思いを伝えられない父が、なぜ見ず知らずの少年には手を差し伸べるのか。反発する悟をよそに始まった共同生活は、固く閉ざされた春斗の心と、近すぎて向き合えなかった親子の関係を少しずつ揺らしていく。受け継ぐこと、信じて待つことの意味を問う家族小説。再生への風が吹き始める。
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逃亡者は北へ向かう

逃亡者は北へ向かう <単行本>
発売日:2025年2月27日
大震災直後の混乱のなか、福島で殺人を犯した二十二歳の青年・真柴亮は、死刑を覚悟しながらも、ある人物を探すため北へ逃げる。彼を追う刑事・陣内康介は津波で幼い娘を失い、捜査と家族の悲嘆の間で引き裂かれていた。一方、岩手の漁師・村木圭祐も、行方不明の息子を求めて被災地を歩き続ける。逃げる者、追う者、待ち続ける者。壊れた町と避難所を進む三人の道は、やがて思いがけない形で近づいていく。極限状態で露わになる罪と優しさ、誰かを救いたいという切実な願い。真柴は何を求めて北へ向かうのか。彼らは明日へ辿り着けるのか。著者が故郷・東北を舞台に描く、緊迫の震災クライムサスペンス。
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