2004年本屋大賞TOP3(第1回)
個人的評価:
読んだ感想
300頁もなく読みやすい文体のため、普段小説を読まない方にもおすすめの作品です。
ただタイトルにもあるように、数学絡みの話題はちょくちょく出てくるので、苦手な人にはけっこうキツイかもしれません……。
読んでいて切なくなる場面もありますが、救いのない暗い物語ではありません。読破後はあたたかい気持ちが強かったです。
個人的評価:
読んだ感想
500頁弱あるのに中だるみを感じることもなく、自分が物語の登場人物の一人のように錯覚するほど臨場感がありました。
最初の数十頁は読みにくく感じる方もいると思いますが、読破後の清々しい気持ちをぜひ味わっていただきたいです。
個人的評価:
読んだ感想
濱田岳と瑛太のダブル主演で2007年に映画化。
この作品は「現在」と「2年前」の物語が交互に展開されていきます。現在は大学進学で東京から東北にきた椎名視点の話。2年前はペットショップで働く琴美視点の話。
とくに「2年前」は琴美が事件に巻き込まれていくので、読んでいてヒヤヒヤする場面が多かったです。それゆえに読み進める手が止まらない作品でした。
2005年本屋大賞TOP3(第2回)
2006年本屋大賞TOP3(第3回)
個人的評価:
読んだ感想
千葉という名の「死神」が主人公の連作短編集。伊坂さんお得意の繋がりがあるパターンでこれまた面白かったです。
『重力ピエロ』の春が登場するシーンもあって、読んだことある人は「お~!!」となること間違いなし。(まさかのあのシーンに出くわします……)
なので先に『重力ピエロ』を読んでおくと面白さ倍増です!
2007年本屋大賞TOP3(第4回)
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)―2009年7月15日発売
長編小説
春野台高校陸上部、1年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第1部、スタート! 2006年本の雑誌が選ぶノンジャンルベスト10 第1位。(講談社文庫)春野台高校陸上部、1年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第一部、スタート!
2008年本屋大賞TOP3(第5回)
個人的評価:
読んだ感想
首相殺し犯人になってしまった主人公の逃走劇。後半は一気読みでした。700頁弱あるので、ぜひ気合を入れて読んでみてください!
2009年本屋大賞TOP3(第6回)
のぼうの城 上 (小学館文庫)―2010年10月11日発売
長編小説
2012年秋映画化原作!戦国エンタメ大作戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。従来の武将とは異なる新しい英傑像を提示した四十万部突破、本屋大賞二位の戦国エンターテインメント小説!【編集担当からのおすすめ情報】カバー装画は、単行本に続き、カリスマ漫画家、オノ・ナツメ氏に描いてもらいました。上巻は、単行本時と同じ、「のぼう様」こと成田長親、下巻は、描き下ろしの石田三成。上下巻を合わせると、どこかクールなのに迫力に満ちた両雄が激突するような絵柄が立ち上がってきます。
2010年本屋大賞TOP3(第7回)
神様のカルテ (小学館文庫)―2011年6月7日発売
長編小説
この病院では、奇蹟が起きる。栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作。2010年本屋大賞第2位。【編集担当からのおすすめ情報】50万部を突破した感動のベストセラー待望の文庫化!さらに映画化!櫻井翔さんと宮崎あおいさんが、初の夫婦役で競演します。他豪華キャストで、2011年8月27日、全国東宝系にて公開!続編『神様のカルテ2』も大ヒット、シリーズ100万部突破!
横道世之介 (文春文庫)―2012年11月9日発売
長編小説
誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。1980年代後半、時はバブル真っただ中。大学進学のため長崎からひとり上京した横道世之介、18歳。自動車教習所に通い、アルバイトに精を出す、いわゆる普通の大学生だが、愛すべき押しの弱さと、隠された芯の強さで、さまざまな出会いと笑いを引き寄せる。友だちの結婚に出産、学園祭でのサンバ行進、お嬢様との恋愛、そして、カメラとの出会い・・・。そんな世之介と、周囲にいる人たちの20年後がクロスオーバーして、静かな感動が広がる長編小説。第7回本屋大賞第3位に選ばれた、第23回柴田錬三郎賞受賞作。2013年、沖田修一監督で映画化されている。
2011年本屋大賞TOP3(第8回)
謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)―2012年10月5日発売
令嬢刑事×毒舌執事コンビの傑作ミステリ国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが、難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は”執事兼運転手”の影山。「お嬢様の目は節穴でございますか?」暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに謎を解き明かしていく――2011年本屋大賞受賞の大人気ミステリ。書き下ろしショートショート収録!【編集担当からのおすすめ情報】麗子と影山のコミカルなかけ合いが楽しい!ちょっとウザい(!?)麗子の上司、風祭警部にも注目です。全部で6つの難事件――果たしてあなたはいくつ謎を解けるか麗子&影山とともに挑んでみてください。単行本未収録のショートショートもお楽しみに!
2012年本屋大賞TOP3(第9回)
2013年本屋大賞TOP3(第10回)
海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)―2014年7月15日発売
長編小説
すべてのビジネスマンに捧ぐ。本屋大賞の話題作、早くも文庫化!ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
64(ロクヨン) 上 (文春文庫)―2015年2月6日発売
長編小説
D県警の三上義信は46歳にして20年ぶり2度目の広報室への人事異動をくらった。1度目のときは捨て鉢な態度で職務につき広報マン失格。1年で刑事に戻れたものの、人事異動へ怯えが精勤を支え、結果、刑事として確かな実績を作ってきた。だがしかし――。職能を見限られた気はしたものの、前のような愚はおかさず、警務部長の意向に沿うだけではない、広報室に改革に乗り出し、記者との歪な関係も解消されてきていた。そんな矢先、ひとり娘のあゆみが失踪した。全国への捜索手配を警務部の赤間に願い出た三上は、上司に服従するほかなくなったのだった。 変節をした三上が、記者クラブと加害者のやっかいな匿名問題で対立する中、警察庁長官による、時効まであと1年と少しの「64(ロクヨン)」視察が1週間後に決定した。64とは、たった7日間の昭和64年に発生した「翔子ちゃん誘拐殺人事件」を指す刑事部内での符丁だった。遺族の雨宮に長官慰問の件を知らせに行くとけんもほろろに断られる。なぜここまで雨宮と拗れたのか。雨宮を懐柔するための情報を得ようと、当時の捜査員など64関係者にあたるうち、刑事部と警務部の間に鉄のカーテンが引かれていることを知る。それには元捜査員が口を滑らした「幸田メモ」が関わっているらしい。警務部で「陰のエース」の名を恣にする三上の同期・二渡真治も幸田メモに関して動いていた。幸田メモの真相をつきとめ、警察庁長官の視察の新の目的をさぐるために動く三上の前に二渡が現れる。二渡は名将の誉れ高く、8年前に退官した尾坂部の家に入っていった。
楽園のカンヴァス (新潮文庫)―2014年6月27日発売
長編小説
とうとう、みつけたわね。ルソーの名画に酷似した一枚の絵。そこに秘められた真実の究明に、二人の男女が挑む。興奮と感動の傑作アート・ミステリ。山本周五郎賞受賞。ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。
2014年本屋大賞TOP3(第11回)
村上海賊の娘(一) (新潮文庫)―2016年6月26日発売
長編小説
あいつは見るのだ、本物の戦を。信長vs本願寺、睨み合いが続く難波海に敢然と向かう海賊王の娘。壮絶な陸海の戦いが幕を開ける。累計300万部。本屋大賞受賞の大ベストセラー。時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊――。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く――。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞! 木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。
島はぼくらと (講談社文庫)―2016年7月15日発売
長編小説
この島の別れの言葉は「行ってきます」。きっと「おかえり」が待っているから。 瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。17歳。卒業までは一緒にいよう。この島の別れの言葉は「行ってきます」。きっと「おかえり」が待っているから。瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。大人も子供も一生青春宣言!辻村深月の新たな代表作。
2015年本屋大賞TOP3(第12回)
サラバ! (上) (小学館文庫)―2017年10月6日発売
長編小説
累計百万部突破!第152回直木賞受賞作僕はこの世界に左足から登場した――。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
ハケンアニメ! (マガジンハウス文庫)―2017年9月6日発売
長編小説
アニメ業界の舞台裏を描いた熱血エンタテインメント、待望の映画化!吉岡⾥帆 中村倫也 / 柄本佑 / 尾野真千⼦2022年5月全国ロードショー「どうして、アニメ業界に入ったんですか?」時間に追われる過酷な現場で、目の前の仕事に打ち込む仕事人たちが、追い求めるものはいったい何なのか?監督・プロデューサー・声優・アニメーターたちが登場。辻村深月が紡ぎ出す最高に刺激的なお仕事小説。人気声優の花澤香菜さん、小林ゆうさんも絶賛!(ストーリー概要)1クールごとに組む相手を変え、新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いたプロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている・・・。同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。ファンの心をつかむのはトウケイ動画「サウンドバック 奏の石」か?スタジオえっじ「運命戦線リデルライト」か?今クールも、熱き戦いが始まっている――。
2016年本屋大賞TOP3(第13回)
羊と鋼の森 (文春文庫)―2018年2月9日発売
長編小説
第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った感動作。解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。豪華出演陣で映画完成!外村青年を山﨑賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。6月8日公開。「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
2017年本屋大賞TOP3(第14回)
罪の声 (講談社文庫)―2019年5月15日発売
長編小説
☆☆☆いよいよ映画公開☆☆☆小栗 旬×星野 源監督:土井裕泰 脚本:野木亜希子日本中を震撼させた未解決事件を描いた感動ヒューマンミステリー大作!!35年の時を経て蘇る哀しき宿命。脅迫テープに使われたのは、幼きころの自分の「声」だった――第7回山田風太郎賞受賞作。「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、本屋大賞第3位。圧倒的な取材と着想で、昭和最大の未解決事件を描いた傑作長編小説。「これは、自分の声だ」京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。それはかつて、日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と、まったく同じものだった。一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始め--。圧倒的リアリティで衝撃の「真実」を捉えた傑作。文芸/ミステリー/ノンフィクション--ジャンルを超え新聞・出版界が騒然とした超話題作、ついに文庫化!逃げ続けることが、人生だった。その運命に、必ず涙する。
2018年本屋大賞TOP3(第15回)
屍人荘の殺人 (創元推理文庫)―2019年9月11日発売
長編小説
ミステリランキング驚異の4冠!シリーズ累計50万部! ! 映画化!デビュー作にして5冠達成!待望の文庫化!!21世紀最高の大型新人による前代未聞のクローズド・サークル豪華キャストによる映画化!監督:木村ひさし脚本:蒔田光治出演:神木隆之介浜辺美波中村倫也ほか2019年全国東宝系にて公開神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通うもう一人の名探偵、剣崎比留子と共に曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れる。初日の夜、彼らは想像だになかった事態に見舞われ荘内に籠城を余儀なくされるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。たった一時間半で世界は一変した。数々のミステリランキングで1位に輝いた第27回鮎川哲也賞受賞作!
2019年本屋大賞TOP3(第16回)
ひと (祥伝社文庫)―2021年4月16日発売
長編小説
人生の理不尽にそっと寄り添い、じんわり心にしみ渡る。今だからこそ読みたいベストセラー、ついに文庫化!独りだから、そばにひとがいるありがたさを知る。―― 女優・作家・歌手 中江有里さん女手ひとつで僕を東京の私大に進ませてくれた母が、急死した。僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商店街の惣菜屋で、最後に残った五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。本屋大賞から生まれたベストセラー、待望の文庫化。
ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)―2022年3月14日発売
長編小説
第二次大戦直後のドイツを舞台に迫真の臨場感で描かれた歴史ミステリの傑作待望の文庫化!1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。圧倒的密度で書かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化! 解説=酒寄進一第1位 第9回Twitter文学賞(国内編)第3位 2019年本屋大賞第2位 このミステリーがすごい! 2019年版(国内編)第160回直木賞候補その他各紙誌でも大絶賛!!この作家の集中力と咀嚼力には、その若さからは想像もつかないほどの馬力がある。素直に脱帽!――逢坂剛
2020年本屋大賞TOP3(第17回)
流浪の月 (創元文芸文庫 LA な 1-1)―2022年2月26日発売
長編小説
2022年5月13日映画公開! !監督:李相日主演:広瀬すず 松坂桃李横浜流星 多部未華子ほか出演2020年本屋大賞受賞作愛ではない。けれどそばにいたい。新しい人間関係への旅立ちを描いた、息をのむ傑作小説。あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
線は、僕を描く (講談社文庫)―2021年10月15日発売
長編小説
2020年本屋大賞第3位、ブランチBOOK大賞2019受賞。こころ温まる水墨画小説「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」家族を失い真っ白い悲しみのなかにいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。なぜか湖山に気に入られ、霜介は一方的に内弟子にされてしまう。それに反発する湖山の孫娘・千瑛は、一年後「湖山賞」で霜介と勝負すると宣言。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。第59回メフィスト賞受賞作。
2021年本屋大賞TOP3(第18回)
お探し物は図書室まで―2020年11月11日発売
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集......。そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」と――。自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
2022年本屋大賞TOP3(第19回)
同志少女よ、敵を撃て―2021年11月17日発売
長編小説
【2022年本屋大賞受賞! 】キノベス! 2022 第1位、2022年本屋大賞ノミネート、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介!史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作アクションの緊度、迫力、構成のうまさは只事ではない。とても新人の作品とは思えない完成度に感服。──北上次郎(書評家)これは武勇伝ではない。狙撃兵となった少女が何かを喪い、何かを得る物語である。──桐野夏生(作家)復讐心に始まった物語は、隊員同士のシスターフッドも描きつつ壮大な展開を見せる。胸アツ。──鴻巣友季子(翻訳家)多くの人に読んで欲しい! ではなく、多くの人が目撃することになる間違いなしの傑作!──小島秀夫(ゲームクリエイター)文句なしの5点満点、アガサ・クリスティー賞の名にふさわしい傑作。──法月綸太郎(作家)独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?
赤と青とエスキース―2021年11月10日発売
2022年本屋大賞 第2位!!2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作!メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。●プロローグ●一章 金魚とカワセミメルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。●二章 東京タワーとアーツ・センター日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。●三章 トマトジュースとバタフライピー中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。●四章 赤鬼と青鬼パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。●エピローグ水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。
スモールワールズ―2021年4月22日発売
【2022年 本屋大賞ノミネート】【第165回直木賞候補作】【第9回静岡書店大賞受賞】【キノベス!2022 第4位】最終話に仕掛けられた一話目への伏線。気付いた瞬間、心を揺さぶる、鳥肌モノの衝撃が襲う!!読売新聞、日経新聞、本の雑誌……各紙書評で絶賛の声続々!「驚きの完成度!」――瀧井朝世さん(『スモールワールズ』公式HP書評より)「BL界の鬼才恐るべし」――北上次郎さん(日本経済新聞 5月6日書評より)夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。