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恩田陸 全作品一覧– 作家 –

恩田陸 シリーズ作品一覧

恩田陸 ノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)

『六番目の小夜子』(1992年7月)

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六番目の小夜子 (新潮文庫)―2001年1月30日発売

長編小説

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。

『球形の季節』(1994年4月)

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球形の季節 (新潮文庫)―1999年1月28日発売

長編小説

四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した!新鋭の学園モダンホラー。

『不安な童話』(1994年11月)

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不安な童話 (新潮文庫)―2002年11月28日発売

長編小説

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ――。強烈な既視感に襲われ、女流画家・高槻倫子の遺作展で意識を失った古橋万由子。彼女はその息子から「25年前に殺された母の生まれ変わり」と告げられる。時に、溢れるように広がる他人の記憶。そして発見される倫子の遺書、そこに隠されたメッセージとは……。犯人は誰なのか、その謎が明らかになる時、禁断の事実が浮かび上がる。

『象と耳鳴り』(1999年10月)

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象と耳鳴り―推理小説 (祥伝社文庫 お 13-3)―2003年2月1日発売

「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事・関根多佳雄が立ち寄った喫茶店。上品な婦人が語り始めたのは少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった……。表題作をはじめ、子供たちの会話、一枚の写真、携帯電話など、なにげないテーマに潜む謎を、鮮やかな手さばきで解き明かすロジックの芳醇なる結晶。幻惑と恍惚の本格推理コレクション!

本作は「六番目の小夜子」のスピンオフ作品です。(関根秋の父・元判事の関根多佳雄が主人公のミステリー短編集)

『木曜組曲』(1999年11月)

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木曜組曲: 〈新装版〉 (徳間文庫)―2019年2月8日発売

長編小説

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子の死は、自殺か、他殺か――? 長篇心理ミステリー。

『月の裏側』(2000年3月)

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月の裏側 (幻冬舎文庫)―2002年8月1日発売

長編小説

九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは〈人間もどき〉の存在に気づく……。

『ネバーランド』(2000年7月)

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ネバーランド (集英社文庫)―2003年5月20日発売

長編小説

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。

『上と外』(2000年8月)

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上と外〈上〉 (幻冬舎文庫)―2007年10月1日発売

長編小説

両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離ればなれに!? 疲労困憊でさまよう二人の身に、異変が……。息もつかせぬ面白さの新装版上巻。

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上と外 下 (2) (幻冬舎文庫 お 7-10)―2007年10月1日発売

長編小説

千華子を人質にとられ練は、ニコと名乗る少年から危険なマヤの儀式への参加を強制された。それは生死をかけて争う苛酷なレース。刻一刻と過ぎる時間。制限時間まで残りわずか――。しかし、そのとき国全体をさらに揺るがすとんでもないことが起こった。神は二人を見捨てるのか。兄妹は再会できるのか。そして家族は? 緊迫と感動の新装版下巻。

『puzzle[パズル]』(2000年10月)

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puzzle (祥伝社文庫)―2000年10月1日発売

学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。映画館の座席に腰掛けていた感電死体――コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人か?この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。

本作は「六番目の小夜子」のスピンオフ作品です。(関根秋の兄・検事の関根春が主人公の短編小説)

『ライオンハート』(2000年12月)

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ライオンハート (新潮文庫)―2004年1月28日発売

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ……。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って――。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。切なくも心暖まる、異色のラブストーリー。

『図書室の海』(2002年2月)

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図書室の海 (新潮文庫)―2005年6月26日発売

あたしは主人公にはなれない――。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる〈サヨコ〉伝説に関わる使命を……。少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。

本作には理瀬シリーズ外伝の「睡蓮」(理瀬の幼少期を描いた作品)、「六番目の小夜子」のスピンオフ作品(関根秋の姉・関根夏の高校時代の物語)、「夜のピクニック」の前日譚「ピクニックの準備」などが収録されています。

『劫尽童女』(2002年4月)

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劫尽童女 (光文社文庫)―2005年4月12日発売

長編小説

父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、7年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに! 激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが――。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か?

『ロミオとロミオは永遠に』(2002年11月)

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ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)―2006年7月1日発売

長編小説

日本人だけが地球に居残り、膨大な化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。エリートへの道は唯一、「大東京学園」の卒業総代になることであった。しかし、苛酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルを待ち受けていたのは、前世紀サブカルチャーの歪んだ遺物と、閉ざされた未来への絶望が支配するキャンパスだった。やがて最下級の「新宿」クラスと接触したアキラは、学園の驚くべき秘密を目にするが…。

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ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)―2006年7月1日発売

長編小説

「大東京学園」の存在意義に疑問を感じはじめたアキラは、何者かの計略により「新宿」クラスへと降格になってしまう。そこでは、リーダーのシマバラはじめ13人の生徒たちが、学園からの脱走計画に命を燃やしていた。一方、肉親の死に絶望し、20世紀への思慕を募らせるシゲル。それぞれの想いが交錯するなか、学園最大のイベント「大東京オリンピック」の開催日にして、“脱走の特異日”である10月10日が迫っていた―。

『ねじの回転』(2002年12月)

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ねじの回転 上 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)―2005年12月16日発売

長編小説

近未来。時間遡行装置の発明により、過去に介入した国連は、歴史を大きくねじ曲げたことによって、人類絶滅の危機を招いてしまう。悲惨な未来を回避するために、もう一度、過去を修復してやり直す。その介入ポイントとして選ばれたのが1936年2月26日、東京「二・二六事件」の早朝。そして史実にかかわる3人の軍人が使命をおうことになる。過去の修復はできるのか!?

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ねじの回転 下 FEBRUARY MOMENT (集英社文庫)―2005年12月16日発売

長編小説

安藤大尉、栗原中尉、そして石原莞爾は、再生プロジェクトの指示のもと、コンピュータ『シンデレラの靴』がつくり出す時間の狭間で「再生」された過去をなぞり歴史を「確定」してゆく作業にとりかかる。だが、3人の胸の内には、異なる決意があった。錯綜する時間、空間、それぞれの思惑。「二・二六事件」という歴史の事実に材をとり、自在な筆致で想像の極限を描くSF長編。

『蛇行する川のほとり』(2002年12月)

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蛇行する川のほとり (集英社文庫)―2010年6月25日発売

長編小説

少女たちが胸に秘めた過去の事件の真相とは…美術部の憧れの先輩・香澄と芳野から、夏の合宿に誘われた毬子。胸躍らせて合宿先に向かった毬子を待っていたのは、遠い日の殺人事件の秘密。真犯人は? 少女たちの夏を描く傑作ミステリー。

『まひるの月を追いかけて』(2003年9月)

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まひるの月を追いかけて (文春文庫)―2007年5月10日発売

長編小説

異母兄が奈良で消息を絶った。たったの二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香…。旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。それは真実なのか嘘なのか。旅と物語の行き着く先は―。恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。

『禁じられた楽園』(2004年4月)

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禁じられた楽園 〈新装版〉 (徳間文庫)―2020年3月6日発売

長編小説

建築学部に通う大学生の平口捷は、姉と二人暮らしの平凡な生活を送っていた。そんな彼の前に若き天才美術家・烏山響一が同級生として現れる。カリスマ的な雰囲気があり取り巻きが絶えないが、なぜか響一の方から捷に近づいてくる。そして、届いた招待状。訪れた熊野の山奥には、密かに作られた野外美術館が…。奇怪な芸術作品は、見る者を悪夢に引きずり込む。幻想ホラー大作。

『Q&A』(2004年6月)

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Q&A (幻冬舎文庫)―2007年4月1日発売

長編小説

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず―多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。

『夜のピクニック』(2004年7月)

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夜のピクニック (新潮文庫)―2006年9月7日発売

長編小説

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

「本屋大賞2005(第2回)」ノミネート作(大賞受賞作)

『夏の名残りの薔薇』(2004年9月)

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夏の名残りの薔薇 (文春文庫)―2008年3月7日発売

長編小説

沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。これは真実なのか、それとも幻か?巻末に杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。

『ユージニア』(2005年2月)

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ユージニア (角川文庫)―2008年8月25日発売

長編小説

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー。

『ネクロポリス』(2005年10月)

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ネクロポリス 上 (朝日文庫)―2009年1月9日発売

長編小説

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。ジュンは文化人類学の研究のために来たが、多くの人々の目的は死者から「血塗れジャック」事件の犯人を聞きだすことだった。ところがジュンの目の前に鳥居に吊るされた死体が現れる。これは何かの警告か。ジュンは犯人捜しに巻き込まれていく―。

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ネクロポリス 下 (朝日文庫)―2009年1月9日発売

長編小説

聖地にいる173人全員に殺人容疑が降りかかる。嘘を許さぬ古来の儀式「ガッチ」を経ても犯人は見つからない。途方にくれるジュンの前に、「血塗れジャック」の被害者たちが現れて証言を始めた。真実を知るために、ジュンたちは聖地の地下へ向かうが…。

『チョコレートコスモス』(2006年3月)

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チョコレートコスモス (角川文庫)―2011年6月23日発売

長編小説

芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。二人の女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。これは戦いなのだ。知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに何があるのかを―。少女たちの才能が、熱となってぶつかりあう!興奮と感動の演劇ロマン。

『中庭の出来事』(2006年11月)

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中庭の出来事 (新潮文庫)―2009年7月28日発売

長編小説

瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。容疑は、パーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かる。警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『告白』を演じさせようとする――という設定の戯曲『中庭の出来事』を執筆中の劇作家がいて……。虚と実、内と外がめまぐるしく反転する眩惑の迷宮。芝居とミステリが見事に融合した山本周五郎賞受賞作。

『朝日のようにさわやかに』(2007年3月)

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朝日のようにさわやかに (新潮文庫)―2010年5月28日発売

葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。しかしなぜ……(「楽園を追われて」)。ある共通イメージが連鎖して、意識の底に眠る謎めいた記憶を呼び覚ます奇妙な味わいの表題作など全14編。ジャンルを超越した色とりどりの物語世界を堪能できる秀逸な短編集。

本作には理瀬シリーズ外伝の「水晶の朝、翡翠の夜」が収録されています。

『木洩れ日に泳ぐ魚』(2007年7月)

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木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)―2010年11月10日発売

長編小説

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿-――。共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始め、〝最後の夜〟に濃密な心理戦が繰り広げられる。かつての恋人は、ひょっとして殺人犯なのか?過去をめぐる物語は次々と意外な事実を明らかにし、朝の光とともに訪れる真実とは――。

『いのちのパレード』(2007年12月)

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いのちのパレード (実業之日本社文庫)―2010年10月5日発売

あちこちから指や手の形をした巨岩が飛び出す奇妙な村に、妻と私はやって来た(『観光旅行』)。主人公フレッドくんが起き抜けから歌うのは、ミュージカルだから(『エンドマークまでご一緒に』)。「上が」ってこの町を出るために、今日も少女たちはお告げを受ける(『SUGOROKU』)。小説のあらゆるジャンルに越境し、クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する恩田マジック15編。

『不連続の世界』(2008年7月)

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不連続の世界 (幻冬舎文庫)―2011年10月12日発売

長編小説

妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。車中、多聞の携帯に何度も無言電話が……。友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」(「夜明けのガスパール」)――他四篇、『月の裏側』の塚崎多聞、再登場。恩田陸のトラベル・ミステリー!

『きのうの世界』(2008年9月)

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きのうの世界(上) (講談社文庫)―2011年8月12日発売

長編小説

上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。一年後の寒い朝、彼は遠く離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。失踪後にここへやってきた彼は、町の外れの「水無月橋」で死んでいた。この町の人間に犯人はいるのか。不安が町に広がっていく。恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。

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きのうの世界(下) (講談社文庫)―2011年8月12日発売

長編小説

塔のある町が抱える秘密を住人たちは何も知らない。夜に塔を見てはいけないという町に伝わる不思議な教え。亀とハサミと天の川のステンドグラスが表す意味とは。殺された男は駅の掲示板に奇妙な貼り紙を持ち込み、誰かと連絡を取っていた。彼は町の秘密に触れてしまったのか。雨が降る。町の本当の姿が明らかになる。

『ブラザー・サン シスター・ムーン』(2009年1月)

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ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)―2012年5月8日発売

長編小説

ねえ、覚えてる?空から蛇が落ちてきたあの日のことを―本と音楽と映画、それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。高校の同級生、楡崎綾音・戸崎衛・箱崎一のザキザキトリオが過ごした大学時代を描く、青春小説の新たなスタンダードナンバー!本編に加え、三人の出会いを描いた単行本未収録作「糾える縄のごとく」、さらに文庫版特別対談「恩田陸、大学の先輩と語る」を収録。

『訪問者』(2009年5月)

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訪問者 (祥伝社文庫)―2012年4月12日発売

長編小説

急死した映画監督峠昌彦の親友井上は、湖を一望する山中の洋館を訪ねた。三年前、昌彦を育てた実業家朝霞千沙子が不審死を遂げた湖だ。館には「訪問者に気をつけろ」という不気味な警告状が届いていた。死んだはずの「大おばちゃま」の姿を見たと主張する少女。そして冬の雷が鳴る中、新たな死体が…。やがて残されたシナリオから浮上してきた意外な真実とは。

『六月の夜と昼のあわいに』(2009年6月)

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六月の夜と昼のあわいに (朝日文庫)―2012年9月7日発売

ミステリー、SF、ファンタジー、ノンフィクション等々……あらゆる小説の形式と恩田作品がもつ魅力をすべて投入した、「夢十夜」を思わせる全く新しい小説集。フランス文学者・杉本秀太郎による序詞(詩、俳句、短歌)に秘められた謎と、希代の新鋭画家による10のイメージに誘われた、摩訶不思議な10の作品世界。本好きであれば手許におかずにはいられない、恩田ファンには必携の奇書、ここに誕生!

『私の家では何も起こらない』(2010年1月)

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私の家では何も起こらない (角川文庫)―2016年11月25日発売

長編小説

小さな丘に佇む古い洋館。この家でひっそりと暮らす女主人の許に、本物の幽霊屋敷を探しているという男が訪れた。男は館に残された、かつての住人たちの痕跡を辿り始める。キッチンで殺し合った姉妹、子どもを攫って主人に食べさせた料理女、動かない少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年―。家に刻印された記憶が重なりあい、新たな物語が動き出す。驚愕のラストまで読む者を翻弄する、恐怖と叙情のクロニクル。

『夢違』(2011年11月)

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夢違 (角川文庫)―2014年2月25日発売

長編小説

夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女は―。悪夢が現実に起こるのを、止めることはできるのか?戦慄と驚愕の新感覚サスペンス!

『私と踊って』(2012年12月)

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私と踊って (新潮文庫)―2015年4月30日発売

パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。いつのまにか彼女に手をひかれた私は、光の中で跳びはねていた。孤独だけれど、独りじゃないわ。たとえ世界が終わろうと、ずっと私を見ていてくれる?――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフにした表題作ほか、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、彩り豊かに味わい異なる全十九編の万華鏡。

『夜の底は柔らかな幻』(2013年1月)

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夜の底は柔らかな幻 上 (文春文庫)―2015年11月10日発売

長編小説

国家権力すら及ばぬ治外法権の地である〈途鎖国〉。ここには在色者と呼ばれる特殊能力を持った者が多く、暗殺者を養成しているとも噂されている。自身も在色者である有元実邦は、警察官という身分を隠し、ある目的を持って途鎖国に密入国を企てる。闇月といわれるこの時期、在色者たちは途鎖に君臨する導師の地位をめぐって殺戮を繰り返し、またある者は密かな目的を持って山深くを目指す。密入国に成功した実邦だが、かつての実邦の婚約者で入国管理官として強権を揮う葛城や、途鎖での同級生だったが何かを隠している黒塚と再会する。さらに実邦の指導者だった屋島風塵、葛城の旧友で快楽殺人者となった青柳淳一など、関係者がいっせいに闇月の山を目指しだす。山の奥にひそむ導師の神山倖秀――実邦の元夫であり、葛城、青柳とともに幼少期を過ごした殺人者――と、途鎖の山奥に隠された〈宝〉をめぐって、彼らの闘いが始まる。

本作にはスピンオフ作品の『終りなき夜に生れつく(短編集)』があります。

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夜の底は柔らかな幻 下 (文春文庫)―2015年11月10日発売

長編小説

煌びやかな闇が、手招きする。目前に迫った暗黒の世界“フチ”。そこで待つ“ソク”の正体とは!?ここでは何が起きているのか。

本作にはスピンオフ作品の『終りなき夜に生れつく(短編集)』があります。

『雪月花黙示録』(2013年12月)

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雪月花黙示録 (角川文庫)―2016年2月25日発売

長編小説

ミヤコの最高学府、光舎の生徒会長選挙。それはミヤコ全体の権力者を決定する伝統と狂騒のイベント。美形剣術士で春日家の御曹司、紫風は三期目の当選を目指していた。ある日、紫風は立会演説会中に選挙活動を妨害される。それは反体制勢力、「伝道者」の宣戦布告だった。彼といとこの女子高生剣士、蘇芳は次第に巨大な力に巻き込まれていき―。アクション満載、近未来の日本を舞台に繰り広げられる、絢爛豪華な玉手箱!

『怪談えほん〈6〉かがみのなか』(2014年7月)

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怪談えほん (6) かがみのなか―2014年7月21日発売

怪談えほんシリーズ〈第2期〉、恩田陸と樋口佳絵が描く身近にひそむ恐怖の世界。いえでもまちでも、見ない日はないかがみ。かがみのなかはいつもあべこべ。少女とかがみをめぐるふしぎなお話。かがみを見るたびにふしぎな気持ちとこわさがよみがえる。

『EPITAPH 東京』(2015年3月)

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EPITAPH東京 (朝日文庫)―2018年4月6日発売

長編小説

東日本大震災を経て、東京五輪へ。少しずつ変貌していく「東京」―。その東京を舞台にした戯曲「エピタフ東京」を書きあぐねている“筆者”は、ある日、自らを吸血鬼だと名乗る謎の人物・吉屋と出会う。吉屋は、筆者に「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが…。将門の首塚、天皇陵…東京の死者の痕跡をたどる筆者の日常が描かれる「piece」。徐々に完成に向かう戯曲の内容が明かされる作中作「エピタフ東京」。吉屋の視点から語られる「drawing」。三つの物語がたどり着く、その先にあるものとは―。これは、ファンタジーか?ドキュメンタリーか?「過去」「現在」「未来」…一体、いつの物語なのか。ジャンルを越境していく、恩田ワールドの真骨頂!!

『消滅 VANISHING POINT』(2015年9月)

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消滅 VANISHING POINT (上) (幻冬舎文庫)―2019年1月24日発売

長編小説

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。時間だけが経過し焦燥する彼ら。大規模な通信障害で機器は使用不能。その中の一人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言った。女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に戦おののきながら推理を開始する。

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消滅 VANISHING POINT (下) (幻冬舎文庫)―2019年1月24日発売

長編小説

北米からの帰国者に感染力の高い新型肺炎の疑いが生じる。連行は細菌兵器ゆえの隔離、ヒューマノイド対応だったのか。テロ集団はなぜ「破壊」でなく「消滅」という用語を使うのか。様々な憶測が渦巻くが依然、首謀者が誰か摑めない。やがて孤絶した空港に近づく高潮の危険。隔離された10人の忍耐と疲労が限界を超え「消滅」が近づいた時、爆発音が!

『タマゴマジック』(2016年3月)

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タマゴマジック―2016年3月18日発売

直木賞作家、恩田陸さんの作品です。空から謎の卵が降り、赤い犬が宙に浮かぶ―。東北の中心・S市で起きた奇怪な出来事。宇宙人襲来か、はたまた都市伝説か?恩田ワールドが東北で炸裂する。仙台出身の著者が放つミステリー集震災後の都市の苦悩を描く書き下ろし『魔術師二〇一六』も収録。

『蜜蜂と遠雷』(2016年9月)

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蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)―2019年4月10日発売

長編小説

近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。

本作にはスピンオフ作品の『祝祭と予感(短編集)』があります。
「本屋大賞2017(第14回)」ノミネート作(大賞受賞作)

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蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)―2019年4月10日発売

長編小説

2次予選での課題曲「春と修羅」。この現代曲をどう弾くかが3次予選に進めるか否かの分かれ道だった。マサルの演奏は素晴らしかった。が、明石は自分の「春と修羅」に自信を持ち、勝算を感じていた……。12人が残る3次(リサイタル形式)、6人しか選ばれない本選(オーケストラとの協奏曲)に勝ち進むのは誰か。そして優勝を手にするのは――。

本作にはスピンオフ作品の『祝祭と予感(短編集)』があります。
「本屋大賞2017(第14回)」ノミネート作(大賞受賞作)

『七月に流れる花』(2016年12月)

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七月に流れる花 (講談社タイガ)―2018年9月20日発売

長編小説

六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、全身緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。逃げ出したミチルの手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。五人の少女との古城での共同生活。少女たちはなぜ城に招かれたのか?長く奇妙な夏が始まった。

『八月は冷たい城』(2016年12月)

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八月は冷たい城 (講談社タイガ)―2018年10月24日発売

長編小説

夏流城での林間学校に参加した四人の少年を迎えたのは、首を折られた四本のひまわりだった。初めて夏流城に来た光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城の中で、互いに疑心暗鬼を募らせるような悪意を感じる事故が続く。光彦たちを連れてきた「みどりおとこ」が絡んでいるのか。四人は「夏のお城」から無事帰還できるのか。短く切ない夏が終わる。

『終りなき夜に生れつく』(2017年2月)

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終りなき夜に生れつく (文春文庫)―2020年1月4日発売

索条痕のない窒息死体が連続で見つかった。この殺人事件に、あの男は関与しているのか。雑誌記者が、あとを追う。特殊能力を持つ者たちが覇権を争う「途鎖国」でやがて犯罪者の王として君臨する神山が、闇に目覚める瞬間を描く(表題作)。傑作ダーク・ファンタジー『夜の底は柔らかな幻』へと続く鮮烈な作品集。

本作は『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ短編集です。

『失われた地図』(2017年2月)

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失われた地図 (角川文庫)―2019年8月23日発売

錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木。日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、現代に蘇る。鮎観の一族は代々、この「裂け目」を封じ、記憶の化身たちと戦う“力”を持っていた。彼女と同族の遼平もまた同じ力を有した存在だった。愛し合い結婚した二人だが、息子を授かったことから運命の歯車は狂い始め―。直木賞作家の真髄を味わえる、魅惑の幻想ファンタジー。

『錆びた太陽』(2017年3月)

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錆びた太陽 (朝日文庫)―2019年11月7日発売

長編小説

「最後の事故」で、人間が立ち入れなくなった地域をパトロールしているロボット「ウルトラ・エイト」。彼らの居住区に、ある日、人間が現れた。国税庁から来たという20代の女性・財護徳子。人間である彼女の命令に従わざるを得ないロボットたち……。恩田陸の想像力が炸裂する本格長編小説。

『おともだちできた?』(2017年6月)

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おともだち できた? (講談社の創作絵本)―2017年6月30日発売

少女が引っ越してきたのは、縁もゆかりもない見知らぬ街。お母さんは少女に言います。「おともだち さがしてらっしゃい」お父さんも少女に言います。「だれかと あそんだかい」近所のおばさんも少女に言います。「おともだち できた?」少女は答えます。「うん できたよ」その瞬間、世界は反転する。

『祝祭と予感』(2019年10月)

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祝祭と予感 (幻冬舎文庫)―2022年4月7日発売

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。菱沼が課題曲「春と修羅」を作曲するきっかけとなった忘れ得ぬ教え子への追憶「袈裟と鞦韆」。幼い塵と巨匠ホフマンの永遠のような出会い「伝説と予感」ほか全6編。最終ページから読む特別オマケ音楽エッセイ集「響きと灯り」付き。

本作は『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ短編集です。

『歩道橋シネマ』(2019年11月)

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歩道橋シネマ (新潮文庫)―2022年1月28日発売

それは他愛のない噂だった。その日、その時間にその場所に行けば、かつて大事にしていた記憶に出会えると――。郷愁と不思議に彩られた表題作。学園のおぞましい秘密「球根」。偶然出会った光景が物語を生成する「皇居前広場の回転」。ある青年の死をめぐる驚愕の真実が明かされる「降っても晴れても」。憧憬、恐怖、諧謔、戦慄、衝撃、恍惚……あらゆる感情が押し寄せる小説の奇跡、全18話。

本作には理瀬シリーズ外伝の「麦の海に浮かぶ檻」が収録されています。

『七月に流れる花 八月は冷たい城』(2020年7月)

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七月に流れる花/八月は冷たい城 (講談社文庫)―2020年7月15日発売

長編小説

呼ばれた子どもは必ず行かなければならない──。「夏のお城」への林間学校へ招待された少年少女たち。全身緑色をした不気味な「みどりおとこ」の引率のもと、古城での共同生活がはじまった。彼らはなぜ城に招かれたのか?同じひと夏を少女の視点で描く「七月」と少年側から描く「八月」を一冊に収録。

『スキマワラシ』(2020年8月)

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スキマワラシ―2020年8月5日発売

長編小説

白いワンピースに、麦わら帽子。廃ビルに現れる“少女”の都市伝説とは?物に触れると過去が見える、不思議な能力を持つ散多。彼は亡き両親の面影を追って、兄とともに古い「タイル」を探していた。取り壊し予定の建物を訪ねるうち、兄弟はさらなる謎に巻き込まれて―。消えゆく時代と新しい時代のはざまで巻き起こる、懐かしくて新しいエンタテインメント長編。再開発予定の地方都市を舞台にした、ファンタジックミステリー。

『灰の劇場』(2021年2月)

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灰の劇場―2021年2月16日発売

長編小説

大学の同級生の二人の女性は一緒に住み、そして、一緒に飛び降りた――。いま、「三面記事」から「物語」がはじまる。きっかけは「私」が小説家としてデビューした頃に遡る。それは、ごくごく短い記事だった。一緒に暮らしていた女性二人が橋から飛び降りて、自殺をしたというものである。様々な「なぜ」が「私」の脳裏を駆け巡る。しかし当時、「私」は記事を切り取っておかなかった。そしてその記事は、「私」の中でずっと「棘」として刺さったままとなっていた。ある日「私」は、担当編集者から一枚のプリントを渡される。「見つかりました」――彼が差し出してきたのは、一九九四年九月二十五日(朝刊)の新聞記事のコピー。ずっと記憶の中にだけあった記事……記号の二人。次第に「私の日常」は、二人の女性の「人生」に侵食されていく。新たなる恩田陸ワールド、開幕!

『愚かな薔薇』(2021年12月)

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愚かな薔薇 (文芸書)―2021年12月23日発売

長編小説

夏が近づく季節、母方の故郷・磐座を訪れた奈智。十四歳になると参加することになる二か月に及ぶ長期キャンプは、「虚ろ舟乗り」の適性を見極めるためのものだった。キャンプの本当の目的を知らないまま参加した奈智は、磐座の地や両親の死にまつわる因縁、謎めいた人物たちに翻弄されていく……。恩田陸が放つ、吸血鬼小説の新機軸!SF長編。