当サイトで紹介している作家さんは下のリンク先でまとめています。興味がある方はご覧ください。
倉知淳 ノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)
シュークリーム・パニック (講談社文庫)―2017年9月13日発売
「絶食って、何も食べちゃいけないんですか」―体質改善セミナーに参加したメタボな男性4人組。インストラクターの無慈悲な指導によって、耐え難い空腹感が行き場のない怒りへと変わっていく中、冷蔵庫のシュークリームが盗まれる事件が発生する。ミステリマニアの受講者、四谷は探偵役に名乗りを上げるが―!?爆笑必至の「限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件」はじめ、ひと味違う本格ミステリ作品を全6編収録。「兄ちゃん――金、欲しいないか?」人生大逆転を狙って、場外馬券売り場で見知らぬおっさんが持ち掛けてきた、1人あたり1億円ゲットの銀行強盗計画に参加することにした僕。しかし、その計画は綿密なようでどこかがおかしい。僕の人生は、どうなる!?――スリルと笑いが溢れ出す「現金強奪作戦!(但し現地集合)」。高校2年生の夏休み。受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏、「僕」は仲間たちと映画制作を始めた。監督の「僕」は以前から気になっていた同級生、百合川京子を主役に抜擢し、撮影は快調。しかしその最終日、ラストシーンのロケ場所から、彼女の姿が消えた―!?感動的な結末に心がほっこりする中編「夏の終わりと僕らの影と」はじめ、本格ミステリの名手の技が光る。25歳のOL、真紀の暮らすワンルームマンションに通ってくる、おなかの横に渦巻き模様のある猫――いつしか真紀は、猫を部屋に招き入れ、「うずまきちゃん」と名付けて部屋で遊ぶようになった。そんな日常の中、近隣で傷害事件が発生! 所轄署の若手刑事にして真紀の彼氏である満久は、なんと、うずまきちゃんに事件にかかわる秘密が隠されているという――本格ミステリーなのにかわいさ満点(?)の「通い猫ぐるぐる」。
ドッペルゲンガーの銃 (文春文庫 く 40-2)―2021年10月6日発売
名手・倉知淳がフェアプレイ精神で贈る奇妙奇天烈な三つの殺人事件。ユーモアあふれる本格ミステリ中篇集。女子高生ミステリ作家(の卵)灯里は、小説のネタを探すため、警視監である父と、キャリア刑事である兄の威光を使って事件現場に潜入する。彼女が遭遇した奇妙奇天烈な三つの事件とは――?・密閉空間に忽然と出現した他殺死体について「文豪の蔵」・二つの地点で同時に事件を起こす分身した殺人者について「ドッペルゲンガーの銃」・痕跡を一切残さずに空中飛翔した犯人について「翼の生えた殺意」あなたにはこの謎が解けますか?
大雑把かつあやふやな怪盗の予告状: 警察庁特殊例外事案専従捜査課事件ファイル (一般書)―2023年2月15日発売
<内容紹介>ミステリ小説みたいな事件なんて、現実にはそうそう起きたりしない。殺人事件の犯人はだいたい怪しい人間だし、犯行現場の指紋を偽装するヤツなんてめったにいない。世に起きる事件の98%は一般的な事件であり、優秀な日本の警察によって早急に解決されていく。だが、しかし。2%はそうではない。この平和な日本でも起きるのだ。密室殺人が。怪盗による犯行予告が。そうしたやっかいな事件は並の警察官では歯が立たない。いわゆる「名探偵」の力が必要だが、毎回民間人に協力を仰ぐのも警察の名折れである。それならば警察組織にしてしまえばいい!こうして生まれたのが、警察庁特殊例外事案専従捜査課――略称「特専課」――通称「探偵課」。探偵課に所属するのは民間の名探偵たち。名探偵の例にもれず全員クセがすごい、というか全員めんどくさい。事件が起きると召集され、ずかずかと現場に現れて華麗に解決する。なお報酬は歩合制である。そんな愉快な探偵課に配属になったのは、警察庁に入庁したばかりの新人・木島。中途半端な密室、あやふやな予告状、見立てっぽい殺人事件。次々と巻き起こるヘンテコな事件に天を仰ぎながら、クセツヨ探偵とともに今日も立ち向かう。<プロフィール>1962年静岡県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年、『競作 五十円玉二十枚の謎』への投稿を経て翌94年、『日曜の夜は出たくない』で本格的な作家デビューを飾る。2001年、『壺中の天国』で第1回本格ミステリ大賞を受賞。『星降り山荘の殺人』で第50回日本推理作家協会賞(長編部門)候補。「桜の森の七分咲きの下」で第55回日本推理作家協会賞(短編部門)候補