伊兼源太郎のシリーズ作品一覧

警視庁監察ファイルシリーズ(4作)

  1. 密告はうたう 警視庁監察ファイル』(初刊:2017年3月)
  2. ブラックリスト 警視庁監察ファイル』(初刊:2019年10月)
  3. 残響 警視庁監察ファイル』(初刊:2021年7月)
  4. 偽りの貌 警視庁監察ファイル』(初刊:2024年9月)

地検のSシリーズ(3作)

  1. 地検のS』(初刊:2018年2月)
  2. 地検のS Sが泣いた日』(初刊:2020年7月)
  3. 地検のS Sの幕引き』(初刊:2022年12月)

伊兼源太郎のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)

『見えざる網』(初刊:2013年9月)

見えざる網

見えざる網 <角川文庫>

発売日:2015年9月24日

長編
あらすじ

街頭インタビューでSNSへの違和感を口にした会社員・今光。放送後、混雑する駅のホームで何者かに突き落とされかけたのを皮切りに、偶然とは思えない危険が次々と身辺に迫る。軽い一言が見知らぬ誰かの敵意を呼んだのか。助けを求めても、ネット上に広がる匿名のつながりは姿を見せず、日常だけが静かに侵食されていく。やがて今光は、学生時代の仲間や過去の出来事をたどりながら、自分を狙う「見えざる網」の正体を追い始める。人と人を結ぶはずの仕組みが監視と攻撃の装置へ変わる恐怖を描き、匿名社会の底に潜む孤独と悪意を突きつける、第33回横溝正史ミステリ大賞受賞の社会派サスペンス。

『事故調』(初刊:2014年5月)

事故調

事故調 <角川文庫>

発売日:2020年8月25日

長編
あらすじ

市が管理する人工海岸で砂浜が陥没し、九歳の少年が重体となった。事故調査委員会が設けられる一方、市役所は責任の所在を曖昧にしようと動き出す。調査を命じられた広報課職員・黒木は、かつて刑事だった過去を持ちながら、今は組織の論理に従うだけの男になっていた。だが、被害者家族の痛みや事故に関わった人々の姿に触れ、隠蔽に加担する自分を問い直していく。なぜ安全対策は機能しなかったのか。誰が真実を押しつぶそうとしているのか。行政、警察、業者の利害が絡むなか、黒木は失った正義を取り戻すため、孤立を覚悟して調査に踏み出す。事故の原因と一人の男の再生を重ね、組織に抗う勇気を描く社会派ミステリー。

『外道たちの餞別』(初刊:2015年2月)

外道たちの餞別

外道たちの餞別 <単行本>

発売日:2015年2月28日

長編
あらすじ

法学部で学ぶ門脇と南部は、門脇の行きつけの居酒屋で起きた客同士のトラブルに巻き込まれる。アルバイトの女性が無惨に殺され、その一部始終を収めた映像を盾に、二人まで脅迫されてしまう。法が届かず、加害者が平然と生きる現実を前に、胸に刻まれたのはただ復讐の二文字だった。やがて歳月が流れ、別々の道を歩んできた二人に、過去と向き合う期限が迫る。正義の名で裁くのか、外道に堕ちてでも報いを与えるのか。怒りと友情、罪悪感が交錯するなか、彼らが選ぶ餞別とは。復讐に人生を縛られた男たちの決断と、消えない記憶が人をどこへ導くのかを、切迫した時間の中で描くクライムサスペンス。

『巨悪』(初刊:2018年6月)

巨悪

巨悪 <講談社文庫>

発売日:2021年2月16日

長編
あらすじ

東京地検特捜部の検事・中澤源吾は、大手運送会社社長の巨額脱税疑惑を追うものの、決定的な証拠をつかめず苦境に立たされていた。捜査を支えるのは、特捜部機動捜査班の事務官・城島毅。高校時代に野球部のダブルエースだった二人は、ある出来事をきっかけに検察の道を選び、長い空白を経て再び同じ事件に向き合う。小さな金の流れをたどるうち、政治家、企業、秘密機関が絡み合い、東日本大震災の復興予算二兆円へとつながる巨大な疑惑が姿を現す。あまりに大きく、全貌さえ見えない悪を前に、二人は検察の正義を貫けるのか。敗北の許されない特捜部で、友情と信念まで試されていく。組織の深部に迫る社会派検察ミステリー。

『金庫番の娘』(初刊:2019年7月)

金庫番の娘

金庫番の娘 <講談社文庫>

発売日:2022年7月15日

長編
あらすじ

一流商社で十年近く働いた藤木花織は、政治家秘書である父のもとへ転職し、ベテラン衆議院議員・久富隆一の事務所で働き始める。慣れない永田町の業務に追われるなか、久富から突然、父とともに財務秘書――政治資金を預かる「金庫番」になるよう命じられた。表向きの理念と、票や金で動く現実。権力を守るため、企業や個人が人知れず犠牲にされる構図を目の当たりにした花織は、政治を内側から変える道を探し始める。しかし、金庫の鍵を握ることは、事務所の秘密と危険まで引き受けることだった。父が長年守ってきたものは何か。新米秘書の選択を通して、権力と家族のしがらみを描く政治ミステリー。誠実さが通じない世界で、彼女の反撃が始まる。

『事件持ち』(初刊:2020年5月)

事件持ち

事件持ち <角川文庫>

発売日:2023年8月24日

長編
あらすじ

千葉県内で、被害者の手指が切断された連続猟奇殺人事件が起きる。入社二年目の報日新聞記者・永尾哲平は、聞き込み先で被害者二人を知る不審な男・魚住優に出会うが、魚住はほどなく姿を消した。県警捜査一課の刑事・津崎庸介も重要参考人として行方を追うものの、捜査も報道も思うように進まない。情報を求める記者クラブと、予断を避けたい警察。対立が深まるなか、県警は報日新聞へある取引を持ちかける。真実を伝える使命と、事件を解く使命は両立するのか。異なる正義を背負った若手記者と刑事が衝突し、時に手を結びながら、失踪者と事件の核心へ迫る。現場の矜持と危うさを描く社会派ミステリー。

『ぼくらはアン』(初刊:2021年10月)

ぼくらはアン

ぼくらはアン <創元推理文庫>

発売日:2025年5月21日

長編
あらすじ

弁護士事務所で働く諒佑のもとへ、幼馴染みの誠を捜してほしいという依頼が舞い込む。毎年、少年時代の仲間たちが必ず集まると約束したクリスマスを目前に、誠はなぜ姿を消したのか。手掛かりを追う諒佑の記憶は、十八年前の山里へ戻っていく。無戸籍、ヤクザの家、不法滞在など、それぞれ複雑な境遇を抱え、学校に通えない五人の子どもたち。それでも自然の中で支え合った日々は、ある殺人事件を境に一変した。現在の失踪と過去の事件はつながっているのか。社会の外側に置かれた彼らは、互いを家族のように守れるのか。大人になった彼らが背負う秘密と、あの日交わした約束の意味をたどる、友情と喪失、再生の長編ミステリー。

『祈りも涙も忘れていた』(初刊:2022年8月)

祈りも涙も忘れていた

祈りも涙も忘れていた <ハヤカワ文庫 JA>

発売日:2026年7月15日

長編
あらすじ

犯罪が多発するV県神浜へ赴任し、県警配属早々に捜査一課管理官となった新人キャリア警察官・甲斐。現場経験の乏しい若者を待っていたのは、連続する放火、凄惨な死体遺棄、そして捜査関係者の不審死だった。互いに無関係に見える事件を追ううち、甲斐は県警内部の思惑と、地元の政財界を揺るがす巨大な闇に行き当たる。誰が味方で、誰が捜査を妨げているのか。事件を解決するためなら、どこまで踏み越えてよいのか。正義を信じるほど罪の重さを思い知らされるなか、若き管理官は取り返しのつかない選択へ近づいていく。守るべき市民と組織の間で、甲斐の信念は激しく揺れる。警察官の使命と良心を鋭く問うハードボイルド。

『約束した街』(初刊:2023年7月)

約束した街

約束した街 <幻冬舎文庫>

発売日:2025年10月9日

長編
あらすじ

父の横領によって「犯罪者の子」となった隼は、転校先で組長の息子と、いじめられっ子のニナに出会う。周囲からはじかれた三人だけが互いの居場所だった。だがある朝、クラスメイトが校舎から転落して死亡する。自殺として処理された現場には、なぜかニナがいた。それから二十八年。商社で働く隼の前にニナの娘が現れ、行方不明になった母を捜してほしいと訴える。過去を封じて築いた現在と、少年時代に交わした約束。ニナの失踪を追うほど、あの日の死と大人たちが隠した事情が浮かび上がる。守れなかった約束は、いまからでも果たせるのか。傷ついた子どもたちの友情と、時を越えて突きつけられる罪を描く慟哭のミステリー。

『リンダを殺した犯人は』(初刊:2024年11月)

リンダを殺した犯人は

リンダを殺した犯人は <単行本>

発売日:2024年11月14日

長編
あらすじ

二〇二三年冬、新宿・大久保のマンションで若いベトナム人女性「リンダ」の遺体が見つかる。捜査に当たるのは、警視庁捜査一課殺人犯捜査第二係の女性刑事・志々目春香と、後輩の男性刑事・藤堂遥。名前の読みが同じ二人の〈ハルカ〉コンビは、被害者の足取りを追って四国・松山へ向かう。そこで見えてきたのは、外国人技能実習制度の陰で、弱い立場の人々が搾取される現実だった。不法滞在者へ仕事を仲介する謎の人物「Q」は敵か味方か。言葉も国境も越えて複雑に絡む証言をたどり、二人はリンダが日本で見た希望と絶望、そして殺人の裏に潜む悪の正体へ迫る。異なる個性がぶつかり合う〈ハルカ〉コンビの警察バディ小説。

『戦火のバタフライ』(初刊:2025年3月)

戦火のバタフライ

戦火のバタフライ <単行本>

発売日:2025年3月5日

長編
あらすじ

太平洋戦争末期、南方戦線でただ一人生き残った尾崎と、東京大空襲で家族を失ったさくら。前線でさくらの兄に命を救われ、戦後に厚生省職員となった尾崎は、大物政治家の助力を得て、民間戦争被害者への国家補償を実現しようと奔走する。だが、その身辺では不審な出来事が相次ぎ、署名運動を始めたさくらにも妨害の手が伸びる。官僚組織の論理、見え隠れする特務機関の影、そして失われていく時間。それでも二人が託した願いは、次の世代へと受け渡されていく。小さな行動は、やがて歴史を動かす羽ばたきになるのか。戦場と空襲を生き延びた者たちの声を、時代を越えてつなぐ人々の闘いを描く、祈りと継承の長編。

『このノラ猫、幸せ調査員にて』(初刊:2025年9月)

このノラ猫、幸せ調査員にて

このノラ猫、幸せ調査員にて <単行本>

発売日:2025年9月25日

短編集
あらすじ

人類に分配される幸せの総量は、あらかじめ決められている。神様は誰に幸せを届けるかを判断するため、ごく一部の野良猫を「幸せ調査員」に任命し、人間たちを観察させていた。主人公のノラも、その一匹。神様の伝書鳩・ピースとともに街を歩き、悩みや孤独を抱えた人々の暮らしをそっと見つめる。棒アイスの当たり、信号に一度も捕まらない一日、片思いの相手との短い会話。人が見過ごしてしまう小さな幸運の陰で、ノラたちは誰に幸せを渡すべきか考え続ける。幸せは誰かだけのものなのか。猫の目を通すと、ありふれた毎日が少し違って見えてくる。昨日より明日を少し楽しみにしてくれる、猫と人間が織りなす温かな連作ファンタジー。

『少女Aが消えたとき』(初刊:2026年4月)

少女Aが消えたとき

少女Aが消えたとき <単行本>

発売日:2026年4月22日

長編
あらすじ

千葉県美浜市のスーパーマーケット駐車場から、十四歳の少女が忽然と姿を消した。誘拐の恐れから県警が情報を封鎖するなか、報日新聞の若手記者「事件持ち」こと永尾哲平は独自の手掛かりで失踪をつかむ。県警幹部との取引により報道を控えると約束するが、支局内では事件を伝えるべきだという声がぶつかり合う。一方、捜査一課の刑事・津崎庸介は、同時刻に現場にいた前科者を追う捜査方針に小さな違和感を抱く。少女は誰に連れ去られ、なぜ消えたのか。伝えることが誰かを救い、同時に傷つけることもある。警察と報道、それぞれの使命と危うさが交差するなか、二人は公にしてはならないかもしれない真相へ近づいていく。

『警察署回り奇譚』(初刊:2026年9月)

警察署回り奇譚

警察署回り奇譚 <単行本>

発売日:2026年9月2日

短編集
あらすじ

事件や事故の情報を求め、警察署へ通い詰める「サツ回り」。新人記者がそこで耳にするのは、記事の材料になる事実ばかりではない。誰もいない場所から聞こえる声、そこにいるはずのない女性、説明のつかない気配。警察官や事件関係者が語る不可解な体験は、取材を重ねても明快な答えにたどり着かず、日常と怪異の境目だけを揺らしていく。証言を信じるのか、偶然や錯覚として片づけるのか。真実を確かめることを仕事とする記者だからこそ、正体のないものに心を捕らえられてしまう。怖さの奥には、事件に関わった人々の忘れがたい記憶も残る。警察署の片隅に残された不思議な話を、報道現場の手触りと静かな恐怖で描く六編の連作短編集。

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