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米澤穂信のシリーズ作品一覧

古典部シリーズ(6作)

  1. 氷菓』(初刊:2001年10月)
  2. 愚者のエンドロール』(初刊:2002年7月)
  3. クドリャフカの順番』(初刊:2005年6月)
  4. 遠まわりする雛』(初刊:2007年10月)
  5. ふたりの距離の概算』(初刊:2010年6月)
  6. いまさら翼といわれても』(初刊:2016年11月)

ベルーフ(太刀洗万智)シリーズ(3作)

  1. さよなら妖精前日譚(初刊:2004年2月)
  2. 王とサーカス』(初刊:2015年7月)
  3. 真実の10メートル手前』(初刊:2015年12月)

小市民シリーズ(6作)

  1. 春期限定いちごタルト事件』(初刊:2004年12月)
  2. 夏期限定トロピカルパフェ事件』(初刊:2006年4月)
  3. 秋期限定栗きんとん事件 上』(初刊:2009年2月)
    秋期限定栗きんとん事件 下』(初刊:2009年3月)
  4. 巴里マカロンの謎』(初刊:2020年1月)
  5. 冬期限定ボンボンショコラ事件』(初刊:2024年4月)
  6. 倫敦スコーンの謎』(初刊:2026年4月)

図書委員シリーズ(2作)

  1. 本と鍵の季節』(初刊:2018年12月)
  2. 栞と噓の季節』(初刊:2022年11月)

米澤穂信のノンシリーズ(単発)作品一覧(刊行順)

『犬はどこだ』(初刊:2005年7月)

犬はどこだ

犬はどこだ <創元推理文庫>

発売日:2008年2月28日

長編
あらすじ

病気で大学を休学し、故郷へ戻った二十五歳の青年が開いた調査事務所〈紺屋S&R〉。想定していた仕事は、ただ一つ――犬捜しだった。ところが開業早々に持ち込まれたのは、家族にも行方を告げず姿を消した若い女性の捜索と、神社に伝わる古文書の由来を調べる依頼。彼は高校時代の後輩と手分けし、聞き込みとインターネット上の痕跡を追い始める。無関係に見えた二つの調査は、古い土地の記憶と現代の人間関係を介して、思いがけず交差していく。依頼人が語らなかったこと、失踪者が残した沈黙の意味とは。探偵を名乗るつもりのなかった青年の最初の事件を描く、端正でほろ苦い私立探偵ミステリー長編。

『ボトルネック』(初刊:2006年8月)

ボトルネック

ボトルネック <新潮文庫>

発売日:2009年9月29日

長編
あらすじ

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れた高校生のリョウは、断崖から転落した――はずだった。目を覚ますと、そこは見慣れた金沢の街。だが自宅で彼を迎えたのは、存在するはずのない姉・サキだった。この世界ではリョウは生まれず、その代わりにサキが家族の一員として生きている。もう一つの人生をたどるうち、家族の関係も、友人の選択も、恋人の運命さえも、元の世界とは違う形を見せ始める。二つの世界を分けた「ボトルネック」は何だったのか。自分の不在によって好転した現実を前に、リョウは否応なく自らの生を見つめ直す。若さの痛みと可能性を鋭く、容赦なくえぐる、異色の青春ミステリー。

『インシテミル』(初刊:2007年8月)

インシテミル

インシテミル <文春文庫>

発売日:2010年6月10日

長編
あらすじ

時給十一万二千円という破格の求人に集まった十二人の男女。彼らは人里離れた地下施設〈暗鬼館〉で、七日間の「人文科学的実験」に参加する。各自に与えられた奇妙な凶器、館内を監視する機械、殺人を犯せば報酬が増える規則――実験の正体は、参加者同士に疑心暗鬼と殺意を植えつける犯人当てゲームだった。最初の犠牲者が出たとき、平凡な大学生・結城理久彦は、生き残るため推理と交渉に踏み出す。限られた空間、疑わしい仲間、古典ミステリーを思わせる仕掛けの数々。誰が何のために殺し、運営側はどこまで見通しているのか。閉鎖空間の恐怖は一夜ごとに加速する。読者の先入観まで試す、緊迫のクローズド・サークル。

『儚い羊たちの祝宴』(初刊:2008年11月)

儚い羊たちの祝宴

儚い羊たちの祝宴 <新潮文庫>

発売日:2011年6月28日

短編集
あらすじ

名家の令嬢たちが集う読書サークル〈バベルの会〉。古今の物語を愛し、優雅な知的遊戯に興じる彼女たちの周囲では、静かな日常を切り裂く惨劇がひそかに繰り返されていた。夏合宿を目前にした屋敷で起きる殺人、北の館に閉ざされた秘密、山荘に残る不穏な記憶、忠実な使用人が守ろうとする誇り――五つの物語は、それぞれ独立した謎を描きながら、〈バベルの会〉の名のもとでゆるやかにつながっていく。端正で甘美な語りの隙間からのぞくのは、階級と欲望、献身と悪意が生む冷たい影。古典作品への目配せも随所にきらりと光る。最後の一行まで気を抜けない、優雅さと残酷さが同居する暗黒ミステリー連作集。

『追想五断章』(初刊:2009年8月)

追想五断章

追想五断章 <集英社文庫>

発売日:2012年4月20日

長編
あらすじ

大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光。店を訪れた女性から、亡き父が生前に書いた五つの短い物語を探してほしいと依頼される。それらは結末が伏せられ、読者に真相を委ねる〈リドルストーリー〉だった。古い雑誌をたどり、一篇ずつ作品を集める芳光は、物語の背景に二十二年前の未解決事件があること、作者である依頼人の父がその容疑者だったことを知る。五つの断章は何を語り、失われた最後の一篇には何が書かれていたのか。虚構の中に隠された手がかりを読み解くほど、家族が長く封じてきた記憶が輪郭を帯びていく。本を探す営みと過去への追想が重なる、静かで精緻な、ほろ苦い本格ミステリー。

『折れた竜骨 上』(初刊:2010年11月)

折れた竜骨 上

折れた竜骨 上 <創元推理文庫>

発売日:2013年7月12日

長編
あらすじ

十二世紀末、ロンドンから北海を進んだ先に浮かぶソロン諸島。領主の娘アミーナは、遍歴の騎士ファルク・フィッツジョンと従士ニコラに出会う。ファルクは、恐るべき魔術を操る〈暗殺騎士〉が領主の命を狙っていると警告するが、堅固なはずの城で殺人が起きてしまう。呪われたデーン人の襲来が迫り、島には戦の緊張が満ちるなか、容疑者として浮かぶのは領主に近い八人。人を操る術が実在する世界で、証言やアリバイはどこまで信じられるのか。アミーナは二人の騎士とともに、魔術の規則を踏まえながら論理の力で真相へ迫る。剣と呪い、歴史ロマンと本格推理が大胆に融合する息詰まる壮大な物語・上巻。

『折れた竜骨 下』(初刊:2010年11月)

折れた竜骨 下

折れた竜骨 下 <創元推理文庫>

発売日:2013年7月12日

長編
あらすじ

自然の要塞であるソロン諸島で、領主は〈暗殺騎士〉の魔術に斃れた。犯人に操られた〈走狗〉は、領主に近い八人のうち誰なのか。アミーナ、遍歴の騎士ファルク、従士ニコラは、封印の鐘が海に沈められた謎や、塔上の牢から不死の青年が消えた不可解な事件を追い、容疑者たちの証言を吟味していく。その間にも、海の向こうでは呪われたデーン人が再び島を狙い、刻一刻と戦の時が迫る。超自然の力が確かに存在しても、犯行には必ず人の意思と論理がある。魔術の制約を手がかりに、孤島の殺人と迫り来る侵略の真相へ挑む。最後の対決まで緊張と驚きが連鎖する。第64回日本推理作家協会賞に輝いた、剣と推理の巨編・下巻。

『リカーシブル』(初刊:2013年1月)

リカーシブル

リカーシブル <新潮文庫>

発売日:2015年6月26日

長編
あらすじ

父が失踪し、母の故郷へ移り住んだ中学生・越野ハルカ。過疎化の進む地方都市で、幼い弟サトルと新しい生活を始めるが、町には高速道路の誘致をめぐる大人たちの暗闘と、未来を見通す子どもの伝承が残っていた。やがて、サトルが口にした奇妙な言葉をなぞるように事件が起こり、ハルカは偶然では片づけられない不安にとらわれる。閉鎖的な町で繰り返される出来事、家族が隠してきた事情、都合よく語り継がれる過去。弟の予言は本当に未来を示すのか、それとも誰かが同じ構図を再演しているのか。町の未来と家族の秘密が不穏に絡み合う。大人の矛盾に囲まれながら自分の進む道を探す少女を描く、切実な青春ミステリー。

『満願』(初刊:2014年3月)

満願

満願 <新潮文庫>

発売日:2017年7月28日

短編集
あらすじ

交番勤務の警官が殉職した事件に残る違和感。恋人との復縁を望む男が訪れた、宿泊客の自殺が続く温泉宿。海外赴任中の商社員を追い詰める資源開発の対立。そして、若き弁護士がかつて世話になった下宿先の女性の殺人事件――。日常の足元にひそむ小さなほころびから、人が胸の奥に抱えた切実な動機をすくい上げる六篇を収録する。なぜその選択をするしかなかったのか。緻密な謎解きの果てで、登場人物の人生は鮮やかに別の表情を見せる。孤独な人間心理の深奥まで静かに照らし出す。張りつめたサスペンスと幕切れの余韻が際立つ傑作集。第27回山本周五郎賞受賞、主要ミステリーランキング三冠を達成した短篇集。

『Iの悲劇』(初刊:2019年9月)

Iの悲劇

Iの悲劇 <文春文庫>

発売日:2022年9月1日

短編集
あらすじ

無人になって六年が過ぎた山間の集落・簑石を、Iターン移住で再生させる――市長肝いりの事業を担うため、市役所に〈甦り課〉が新設された。実務を背負う万願寺邦和は、やる気の見えない課長・西野と新人・観山を相手に、集まった移住希望者の暮らしを支え始める。ところが、住居や仕事、集落の習慣をめぐって、風変わりな謎とトラブルが続発。定住者は一人、また一人と集落を去っていく。過疎地の現実と行政の理想のはざまで、万願寺が見落としていたものは何か。地方再生をめぐる善意と打算が静かにせめぎ合う。人を呼び戻す計画の行き着く先を、苦みの利いたユーモアと精密な謎で描く連作ミステリー。

『黒牢城』(初刊:2021年6月)

黒牢城

黒牢城 <角川文庫>

発売日:2024年6月13日

短編集
あらすじ

本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し、有岡城へ立て籠もった荒木村重は、圧倒的な軍勢に包囲されながら籠城戦を続けていた。閉ざされた城内で、不可解な人質殺し、密室めいた首の消失など難事件が相次ぎ、兵と民の間に疑念が広がる。城を保つため真相を突き止めたい村重が知恵を求める相手は、土牢に幽閉した織田方の軍師・黒田官兵衛。村重が集めた手がかりを、官兵衛は暗闇の中で冷徹に組み直していく。二人の推理は人心を救うのか、それとも籠城の運命をさらに揺るがすのか。戦と信念の重圧が、謎解きの一手ごとに増していく。史実の巨大な密室に四つの謎を織り込んだ、第166回直木賞受賞の歴史本格ミステリー。

『米澤屋書店』(初刊:2021年11月)

米澤屋書店

米澤屋書店 <文春文庫>

発売日:2024年11月6日

あらすじ

〈古典部〉〈小市民〉シリーズから『黒牢城』まで、数々の謎を生み出してきた米澤穂信。その頭の中の書棚には、どんな本が並んでいるのか。学生時代から現在までに読んだミステリーや小説をめぐるエッセイ、書評、対談を集め、作家の豊かな読書遍歴と創作の背景を明かす。本との出会い、書店との付き合い、先達への敬意、物語を読む喜びが、率直でユーモラスな言葉でつづられる。文庫化にあたり本人による脚注を大幅に加筆し、巻末には直木賞受賞をめぐるエッセイも収録。読み手の本棚まで豊かに広げてくれる。紹介された本を次々と読みたくなる、ミステリー好き・本好きのための奥行き豊かなビブリオエッセイ。

『可燃物』(初刊:2023年7月)

可燃物

可燃物 <文春文庫>

発売日:2026年9月2日

短編集
あらすじ

群馬県警捜査第一課の葛警部は、愛想がなく、上司にも部下にも煙たがられている。だが、その捜査能力を疑う者はいない。連続放火で一軒だけ狙われなかった家、刺殺事件から消えた凶器、山中に遺棄されたバラバラ死体、不可解な立てこもり――現場に残された事実を丹念に拾い、捜査陣の思い込みを削ぎ落としたとき、葛だけが事件の奥に潜む論理を見抜く。派手な直感ではなく、地道な観察と推論が、見慣れた景色を鮮やかに反転させていく。葛の無口な横顔にも刑事としての信念がにじむ。無骨な刑事の人物像と、短篇ならではの切れ味を五つの事件で描く、著者初の警察本格ミステリー。主要ミステリーランキング三冠に輝いた傑作集。

『談話室米澤』(初刊:2026年8月)

談話室米澤

談話室米澤 <単行本>

発売日:2026年8月7日

あらすじ

作家生活二十五周年を迎えた米澤穂信が、デビュー以来さまざまな媒体に記してきた文章を、書き下ろしも交えて厳選したエッセイ集。日本で三番目ぐらいにうまい麻婆豆腐を作り、丘の上の図書館に絶大な信頼を寄せ、各地のスコーンを食べ比べ、歴史ある建物や美術に足を運ぶ。日常の小さな疑問から本、旅、食、創作へと好奇心が枝分かれし、精密な観察と思索が軽やかな文章へ変わっていく。〈古典部〉〈小市民〉から直木賞受賞作『黒牢城』まで、幅広い作品を生んだ感性の軌跡も垣間見える。作家の素顔にも出会える。歴史好きにも甘いもの好きにも、本好きにも開かれた、ビターでスイートな珠玉の精選エッセイ集。