高田崇史の新刊一覧表
単行本
| 発売日 | タイトル | シリーズ名 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| かぐや姫の怨霊 小余綾俊輔の実地講義 | 小余綾俊輔 | 詳細 |
新書
| 発売日 | タイトル | シリーズ名 | 詳細 |
|---|---|---|---|
| QED 天河伝説、桜舞い | QED | 詳細 |
文庫
高田崇史の単行本の新刊はこちら
『かぐや姫の怨霊 小余綾俊輔の実地講義』(発売日:2026年9月30日)
宗像大社の千木に違和感を覚えた編集者・橙子は、博覧強記の民俗学者・小余綾俊輔とともに丹後半島へ向かう。天橋立を中心とする土地には、浦島太郎、羽衣天女、七夕、徐福、かぐや姫と、海や天上界に関わる伝説が不思議なほど集まっていた。別々のおとぎ話に見える物語は、系図や神社の形を手がかりに重ねると、一つの古代史へつながるのか。机上の推論を現地で検証する二人の旅は、やがて伊勢神宮の「真の意味」にまで届いていく。橙子の素朴な疑問と小余綾の大胆な連想がかみ合い、現地を歩くたび伝説の景色が反転する。刊行時点の最新作として、シリーズの歴史推理をさらに大きな海の物語へ広げる。伝承の奥から悲劇を発掘する、小余綾俊輔シリーズ第4作。
高田崇史の新書の新刊はこちら
『QED 天河伝説、桜舞い』(発売日:2026年1月21日)
能を大成した世阿弥には、父・観阿弥や自らをもしのぐ才を持つ嫡男・元雅がいた。しかし元雅は若くして不審な死を遂げ、観世家の主流は世阿弥の弟の子・音阿弥へ移っていく。一介の能楽師が、なぜ命を狙われなければならなかったのか。弔問のため奈良・天川を訪れる小松崎良平に、桑原崇と棚旗奈々も同行。桜が舞う天川の美しさと、芸の継承をめぐる権力の冷酷さが、父子の悲劇を際立たせる。能の詞章を読み解く知的な高揚と、若き天才を失う哀しみが読後の胸にも長く深く響き合う。元雅が最後に舞を奉納した天河大弁財天社から南北朝の争いを辿り、世阿弥が傑作のなかへ封じた暗号に迫るQEDシリーズ。
高田崇史の文庫の新刊はこちら
『QED 恵比寿の漂流』(発売日:2026年4月15日)
神々が坐す国境の島・対馬。深い緑と海に包まれた土地で連続殺人が起き、最初の二人は首を斬り落とされていた。さらに第三の犠牲者は「さいきょう、くぎょう」という不可解な言葉を残す。桑原崇と棚旗奈々は、八月に行われる奇妙な無言の祭りや、島の社に祀られた神々を調べ始める。大陸と日本の間で多くの利害に巻き込まれてきた対馬で、海から来る神はなぜ「漂着するもの」として迎えられたのか。島の地理と国境の歴史が捜査を左右し、海を越えて流れ着くものへの畏れと祈りが胸に残る。首を奪う残虐さと声を出さない祭礼が、不気味な対照を形づくっている。ダイイング・メッセージと恵比寿信仰の本質を結ぶQEDシリーズ。
『猿田彦の怨霊 小余綾俊輔の封印講義』(発売日:2025年10月29日)
天孫降臨で神々を先導する大役を果たしながら、謎めいた死を遂げた猿田彦。その後は『古事記』『日本書紀』の中心から姿を消し、道祖神、庚申待ち、括り猿など、民間伝承の片隅へ形を変えて現れる。なぜ重要な神は神話から抹殺され、滑稽な「猿」と結びつけられたのか。民俗学者・小余綾俊輔は、道端の石神や祭りに残る断片を拾い、古代国家が封じた記憶へ切り込んでいく。講義のように明晰な語りを追ううち、身近な習俗が国家神話への抵抗の記憶に見えてくる。橙子ら聞き手の疑問が読者を導き、複雑な古代史にも自然に入り込める。親しまれてきた神の像を反転させ、常識の奥から失われた役割を呼び戻す歴史ミステリー、小余綾俊輔シリーズ第3作。
『江ノ島奇譚』(発売日:2025年7月15日)
江戸時代の藤沢宿。飯盛り遊女のお初は、顔のない坊主が暗闇から手招きする悪夢に三晩続けてうなされていた。恋人で破戒僧の勝道と厄落としのため江島明神へ向かい、稚児の白菊が身を投げたという稚児ヶ淵から島の奥へ進む。二人を待ち受けるのは、波音の響く岩屋と、血まみれの坊主の姿。弁財天信仰や島に残る伝説が、身分に縛られた二人の運命と絡み合う。江の島の潮と洞窟の闇を生かした怪談の趣に、報われにくい恋の哀切が重なっていく。身分を越えた二人の願いが、島に封じられた因縁へ思いがけず触れてしまう。怪異と人の情念を濃密に描く表題作に、歌舞伎台本「稲荷山恋者火花―小狐丸異聞」を収録した時代作品集。
『古事記異聞 陽昇る国、伊勢』(発売日:2024年11月15日)
「伊勢を知らなければ、出雲の半分しか分からない」。日枝山王大学で民俗学を学ぶ橘樹雅は、学会のため三重へ向かう准教授・御子神伶二に同行し、伊勢を歩く。男神を祀る造りなのに女神が鎮まる社、御神籤や注連縄など伊勢神宮には存在しない五つのもの、明治以前の天皇が参拝しなかった事実。素朴な疑問を重ねるほど、最高神・天照大神の像は揺らぎ始める。素直な疑問を口にする雅と、簡単には答えを渡さない御子神の師弟関係にも味わいがある。伊勢の明るい陽光の下で、勝者の神話が抱えた影はいっそう濃く見える。出雲と伊勢、敗者と勝者の物語を結び直し、長い研究の答えへ進む、古事記異聞シリーズ第5巻。
『采女の怨霊 小余綾俊輔の不在講義』(発売日:2024年7月29日)
奈良・猿沢池のほとりに鎮座する采女神社は、池に背を向け、普段は固く門を閉ざしている。入水した采女の霊を慰める祭りの夜だけ門が開くというが、なぜ一人の下級女官の鎮魂が千年以上も続くのか。民俗学者・小余綾俊輔の推理は、春日大社、壬申の乱、皇位継承の闇、平城京を守る怨霊封じへと広がっていく。宮廷で仕えた采女とは、本当はどのような存在だったのか。池の水面に映る古都の美しさと、女性たちが背負わされた政治的役割の暗さが鮮やかに対照をなす。不在の小余綾が残す思考の道筋をたどる趣向も、謎解きに独特の余白を生む。神社の向きと祭礼に残された手がかりから、古代国家の秘密を読み解く歴史ミステリー、小余綾俊輔シリーズ第2作。
高田崇史さんの関連記事はこちらです。