『精霊の守り人』から始まる、上橋菜穂子作のファンタジー小説「守り人(もりびと)」シリーズの一覧まとめ。読む順番やあらすじ等も確認できます。読む順番をざっくり紹介すると『精霊の守り人』『闇の守り人』『夢の守り人』……です。詳しくは記事をご覧ください。
上橋菜穂子さんの全作品を下のリンク先でまとめています。興味がある方はご覧ください。
「守り人」シリーズ刊行順一覧
守り人シリーズは全13巻(本編10、外伝3)+ファンブック2冊発売中です。刊行順に並べると下の表のとおり。
刊行年月 | タイトル ※クリックで表紙が見れます | |
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1996年7月 | 精霊の守り人 | |
1999年1月28日 | 闇の守り人 | |
2000年5月25日 | 夢の守り人 | |
2001年7月13日 | 虚空の旅人 | |
2003年1月22日 | 神の守り人〈上〉来訪編 | |
2003年1月22日 | 神の守り人〈下〉帰還編 | |
2005年4月23日 | 蒼路の旅人 | |
2006年11月17日 | 天と地の守り人〈第一部〉ロタ王国編 | |
2007年1月23日 | 天と地の守り人〈第二部〉カンバル王国編 | |
2007年2月17日 | 天と地の守り人〈第三部〉新ヨゴ皇国編 | |
2008年4月15日 | 外伝 短編集 流れ行く者 ― 守り人短編集 ― | |
2012年1月24日 | 外伝 短編集 炎路を行く者 ― 守り人作品集 ― | |
2018年11月19日 | 外伝 風と行く者 ― 守り人外伝 ― |
刊行年月 | タイトル ※クリックで表紙が見れます | |
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2011年6月18日 | ファンブック 「守り人」のすべて 守り人シリーズ完全ガイド | |
2009年7月28日 | ファンブック バルサの食卓 |
「守り人」シリーズを読む順番
守り人シリーズは刊行順に読みましょう。第3作『夢の守り人』までは順番関係なく楽しめる作品になっています。
しかし、第1作『精霊の守り人』から 第3作『夢の守り人』までは時系列に沿ってストーリーは進んでいくので、刊行順に読むのをおすすめします。
なお、守り人シリーズの本編は10巻『天と地の守り人<第三部>新ヨゴ皇国編』までです。11巻『流れ行く者 ― 守り人短編集 ―』以降は「外伝」となります。
この順番に読もう
精霊の守り人 (新潮文庫)―2007年3月28日発売
長編小説
老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。
読んだ感想
女用心棒のバルサが、新ヨゴ皇国の皇子チャグムを助けたことから壮大な物語はスタートします。
守り人には「サグ(人間界)」と「ナユグ(異界)」の世界が存在していて、この2つの世界は密接に関わっています。
守り人独自の設定がいろいろとあるので物語に入って行きにくいかもしれませんが、徐々に世界観にも慣れてきたころには、もう「守り人ワールド」の虜になっていると思います!なんせ私がそうでしたから。
是非じっくりと読んでみてください。
闇の守り人 (新潮文庫)―2007年6月28日発売
長編小説
女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは―。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。
読んだ感想
『闇の守り人』は前作『精霊の守り人』の続きの物語。バルサが祖国カンバルに帰るところから始まります。
今作はとくに大人に人気があります。その理由は読んでみればわかるかなと。私はこの『闇の守り人』が大好きです。
夢の守り人 (新潮文庫)―2007年12月21日発売
長編小説
人の夢を糧とする異界の“花"に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は“花"の魔力に打ち克てるのか? 開花の時を迎えた“花"は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は? そして、今明かされる大呪術師トロガイの秘められた過去とは? いよいよ緊迫度を増すシリーズ第3弾。
読んだ感想
『夢の守り人』は前作『闇の守り人』から時系列でつながっています。舞台は夢の中ということもあって、私的には1番ファンタジーな作品だなと思いました。
虚空の旅人 (新潮文庫)―2008年7月29日発売
長編小説
隣国サンガルの新王即位儀礼に招かれた新ヨゴ皇国皇太子チャグムと星読博士シュガは、〈ナユーグル・ライタの目〉と呼ばれる不思議な少女と出会った。海底の民に魂を奪われ、生贄になる運命のその少女の背後には、とてつもない陰謀が――。海の王国を舞台に、漂海民や国政を操る女たちが織り成す壮大なドラマ。シリーズを大河物語へと導くきっかけとなった第4弾、ついに文庫化!
読んだ感想
『~の守り人』と3作続いてきましたが、今作の語尾は『旅人』です。そう、『虚空の旅人』はチャグムが主人公となる物語なんです。
新ヨゴ皇国の皇太子となったチャグムは、シュガとともに隣国サンガルの「新王即位ノ儀」に参列することになり……ここからさまざまな事件に巻き込まれていきます。
今作は読んでいてドキドキハラハラしました。それゆえ、読む手が止まらなかった作品でもあります。チャグムの成長っぷりをとくとご覧あれ。
神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)―2009年7月28日発売
長編小説
女用心棒バルサは逡巡の末、人買いの手から幼い兄妹を助けてしまう。ふたりには恐ろしい秘密が隠されていた。ロタ王国を揺るがす力を秘めた少女アスラを巡り、〈猟犬〉と呼ばれる呪術師たちが動き出す。タンダの身を案じながらも、アスラを守って逃げるバルサ。追いすがる〈猟犬〉たち。バルサは幼い頃から培った逃亡の技と経験を頼りに、陰謀と裏切りの闇の中をひたすら駆け抜ける!
読んだ感想
『神の守り人』は『~の守り人』ということで、バルサ視点のお話です。シリーズ初の上下巻となっています。
神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)―2009年7月28日発売
長編小説
南北の対立を抱えるロタ王国。対立する氏族をまとめ改革を進めるために、怖ろしい〈力〉を秘めたアスラには大きな利用価値があった。異界から流れくる〈畏ろしき神〉とタルの民の秘密とは? そして王家と〈猟犬〉たちとの古き盟約とは? 自分の〈力〉を怖れながらも残酷な神へと近づいていくアスラの心と身体を、ついに〈猟犬〉の罠にはまったバルサは救えるのか? 大きな主題に挑むシリーズ第5作。
読んだ感想
『神の守り人』の下巻。私は読んでいてバルサの身が持たないんじゃないのかと心配になるくらい、命のやり取りが多かったように感じます。
蒼路の旅人 (新潮文庫)―2010年7月28日発売
長編小説
生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、祖父を助けるために、罠と知りつつ大海原に飛びだしていく。迫り来るタルシュ帝国の大波、海の王国サンガルの苦闘。遥か南の大陸へ、チャグムの旅が、いま始まる! ──幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは? 壮大な大河物語の結末へと動き始めるシリーズ第6作。
読んだ感想
そして、来ましたチャグム視点の『蒼路の旅人』。チャグムの成長がまたグ~ンと感じられるお話です。
おそらく今作を読み終えたらすぐに『天と地の守り人』を読みたくなるはずなので、ぜひ同時に購入しておきましょう(笑)
天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫)―2011年5月28日発売
長編小説
大海原に身を投じたチャグム皇子を探して欲しい―密かな依頼を受けバルサはかすかな手がかりを追ってチャグムを探す困難な旅へ乗り出していく。刻一刻と迫るタルシュ帝国による侵略の波、ロタ王国の内側に潜む陰謀の影。そして、ゆるやかに巡り来る異界ナユグの春。懸命に探索を続けるバルサは、チャグムを見つけることが出来るのか…。大河物語最終章三部作、いよいよ開幕。
天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編 (新潮文庫)―2011年5月28日発売
長編小説
再び共に旅することになったバルサとチャグム。かつてバルサに守られて生き延びた幼い少年は、苦難の中で、まぶしい脱皮を遂げていく。バルサの故郷カンバルの、美しくも厳しい自然。すでに王国の奥深くを蝕んでいた陰謀。そして、草兵として、最前線に駆り出されてしまったタンダが気づく異変の前兆―迫り来る危難のなか、道を切り拓こうとする彼らの運命は。狂瀾怒涛の第二部。
天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)―2011年5月28日発売
長編小説
ロタとカンバルがうごいた!北の諸国のうねりを背に、瀕死の故国へ帰還するチャグムに父との対決の時が迫る。緒戦の犠牲となったタンダの行方を必死に探し求めるバルサ。大地が揺れ、天変地異が起こるとき、金の鳥が空を舞い、地を這う人々の群れは、ひたすらに生きのびようとする。―十年余りの時をかけて紡ぎだされた大河物語の最終章『天と地の守り人』三部作、ついに完結。
読んだ感想
これで守り人シリーズ本編は終了です。
『天と地の守り人』面白かった!もうページをめくる手が止まらない止まらない。先がどうなるか知りたくてあっという間に読み終えてしまいました。
守り人に出会えてよかった。
流れ行く者: 守り人短編集 (新潮文庫)―2013年7月27日発売
王の陰謀に巻き込まれ父を殺された少女バルサ。親友の娘である彼女を託され、用心棒に身をやつした男ジグロ。故郷を捨て追っ手から逃れ、流れ行くふたりは、定まった日常の中では生きられぬ様々な境遇の人々と出会う。幼いタンダとの明るい日々、賭事師の老女との出会い、そして、初めて己の命を短槍に託す死闘の一瞬―孤独と哀切と温もりに彩られた、バルサ十代の日々を描く短編集。
読んだ感想
外伝1作目となる『流れ行く者』は 「浮き籾・ラフラ〈賭事師〉・流れ行く者・寒のふるまい」の4編が収録された短編集です。
幼い頃のタンダの様子、バルサとタンダの関係性などもわかりました。また「流れ行く者」ではバルサが護衛士として初めて命のやり取りをする場面などもあり、守り人好きにはたまらない作品です。
炎路を行く者: 守り人作品集 (新潮文庫)―2016年12月23日発売
『蒼路の旅人』、『天と地の守り人』で暗躍したタルシュ帝国の密偵、ヒュウゴ。彼は何故、祖国を滅ぼし家族を奪った国に仕えるのか。謎多きヒュウゴの少年時代を描いた「炎路の旅人」。そしてバルサは、養父と共に旅を続けるなか、何故、女用心棒として生きる道を選んだのか。過酷な少女時代を描いた「十五の我には」―やがてチャグム皇子と出会う二人の十代の頃の物語2編。シリーズ最新刊。
読んだ感想
外伝2作目となる『炎路を行く者』には、タルシュ帝国の密偵ヒュウゴの少年時代を描いた中編「炎路の旅人」。バルサの少女時代を描いた短編「十五の我には」の2つの物語が収録されています。
私は本編を読んだときからヒュウゴの過去が気になっていました。辛く険しい人生だったことは予想できましたが、ちゃんと道を外れていたりして、そんなヒュウゴが好きになりました!
風と行く者 (新潮文庫)―2022年7月28日発売
長編小説
つれあいの薬草師タンダと草市を訪れた女用心棒バルサは、二十年前、共に旅した旅芸人サダン・タラムの一行と偶然再会する。魂の風をはらむシャタ〈流水琴〉を奏で、異界〈森の王の谷間〉への道を開くサダン・タラムの若い女頭エオナは、何者かに狙われていた。再び護衛を頼まれたバルサは、養父ジグロの娘かもしれないと気づいたエオナを守るため、父への回顧を胸にロタ王国へと旅立つが。
読んだ感想
外伝3作目となる『風と行く者』は『天と地の守り人』のその後の物語ですが、まだジグロとバルサの二人で護衛をしていた過去ともリンクしています。
この現在と過去が絶妙に交わりつつ展開する物語には、終始引き込まれてしまいました。
沼にハマった人向け
増補改訂版 「守り人」のすべて―2016年12月14日発売
ファンタジーの金字塔、上橋菜穂子「守り人」シリーズガイドブック増補改訂版!書き下ろし短編「天への振舞い」を新収録しました!豪華対談やエッセイから「守り人」百科、人物事典までシリーズの魅力に迫ります。
バルサの食卓 (新潮文庫)―2009年7月28日発売
バルサとチャグムが熱々をかきこんだ“ノギ屋の鳥飯”、タンダが腕によりをかけた“山菜鍋”、寒い夜に小夜と小春丸が食べた“胡桃餅”、エリンが母と最後に食べた猪肉料理…上橋作品に登場する料理は、どれもメチャクチャおいしそうです。いずれも達人の「チーム北海道」が、手近な食材と人一倍の熱意をもって、物語の味の再現を試みました。夢のレシピを、さあ、どうぞ召し上がれ。
読む順番のおさらい
この順番に読めばOK!
以上、「守り人」シリーズ一覧と読む順番でした。