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『飛燕』(発売日:2026年7月7日)
小舞藩で代々納戸頭を務める高蔵家。父亡きあと、長女の徳子は市中道場の師範代・藤十郎を婿に迎え、穏やかな暮らしを築いていた。だがある日、藤十郎が遊女と相対死にしたとの知らせが届く。夫には祝言後も続く古い縁があり、子までいたという。深い悲しみと疑念のなか、徳子は残された少年・萩丸を引き取って育て始める。一方、次女のあぐりは、母より年上の大店の主・紀野屋丈衛門に嫁ぎ、商いを通じて新たな情報をつかんでいく。やがて藤十郎の死に他殺の可能性が浮かび、姉妹は藩を揺るがす秘密へと近づいていく。理不尽な運命に翻弄されながらも、自ら選び、凛として生きる女性たちを描く時代小説。
『風を織る』(発売日:2026年2月2日)
深川の縫箔屋・丸仙の娘、おちえは、不吉な紋様の小袖を、とある大店の別邸へ届ける道すがら、突如として五人の男たちに襲われた。間一髪、駆けつけた一居とともに必死に応戦する二人の前に、ひとりの老婆が静かに姿を現す。その背後には、出雲屋という大店が抱える昏い過去と、おちえ自身の出自に深く関わる、思いも寄らぬ因縁があった——。剣を愛する娘と、武士の身分を捨てて針を握る男。二人がついに大きな宿命に正面から向き合う、針と剣 縫箔屋事件帖シリーズ第四巻。
『八州の風手控え帳』(発売日:2026年1月21日)
舞台は、関東八州を統べる広大な野と街道筋。八州廻りという役を任された、まだ若き役人・一柳直四郎は、お供の安助を伴い、農村から宿場へと足を運び続ける日々を送っていた。ある日の見廻り先で、彼らは思いもよらぬ不審な死体に出くわす——。村人たちの貧しき暮らし、宿場の人々の確かな矜持、そして街道筋に複雑に絡みつく人と人との因縁。風が運ぶごく微かな違和感を手繰り寄せて、二人は事件の真相へと静かに迫っていく。「作家生活三十数年で初の大転換点」と著者自らが語る、新たな捕物帳、あさのあつこ渾身の意欲作。
『夫婦じまい』(発売日:2025年7月15日)
「えにし屋」のお初を訪ねてきたのは、米問屋に嫁ぎながらも、ほどなくして実家へ出戻ってしまった若い娘・お藍であった。新たな縁を求めて訪れた彼女の話に静かに耳を傾けるうち、お初は、その夫婦のあいだに横たわっていた、誰にも明かしがたい本当の事情を、おもむろに見抜いていく。家族の情愛、長い年月の中でいつしか積もってしまった怨み、そして縁を結び直すための、それぞれのささやかな決意——。市井の人々の心の襞を温かく丁寧にすくい取る、えにし屋春秋シリーズ最終巻にしてシリーズ完結巻。
『紅色の幻』(発売日:2025年6月9日)
身重となったおいちのもとに、ある殺しの一報がもたらされる。殺されたのは、美しい玻璃の風鈴を懐に抱いていた、ひとりの簪職人だった——。亡き者の姿を見ることのできるおいちは、お腹の子を案じる夫を心配させまいとしながらも、岡っ引きの仙五朗とともに事件の真相へと近づいていく。風鈴に込められた紅色の幻のような想いとは、いったい何だったのか。江戸・深川を舞台に、一人の女が母となっていく日々と、人の業の哀しみを丹念に描き切る。歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞、おいち不思議がたりシリーズ第七巻。
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『残陽の廓』(発売日:2026年2月20日)
華やかな吉原の廓に、若い遊女たちを次々に蝕む奇妙な病が、静かに広がり始めていた。事の重大さを察した町の顔役の依頼で、闇医者おゑんが診療のため吉原へと足を踏み入れていく。深く昏い廓の奥には、いったいどんな闇が潜んでいるのか——。男たちの欲望と、女たちのささやかな祈り。沈み行く陽が、鮮やかに廓の屋根を、そして女たちの素肌を朱く染めていく。命を継ぎ、命を守ろうとする女たちの、力強く哀しい物語。シリーズの真骨頂を見せつける、闇医者おゑん秘録帖シリーズ第三巻。
『光のしるべ』(発売日:2025年6月13日)
浅草の片隅にひっそりと暖簾を掲げる、人と人との縁を結び、また絶ち切る不思議な見立て稼業——「えにし屋」。ある日、お作と才蔵のもとへ、五年前から行方知れずになっている息子・平太を、必死の思いで探し続けているという疲れ切った夫婦が、物乞いの少年・新太を伴ってひそかにやってきた。失踪した息子のいま、その消息はどこにあるのか。深い親心と、いまもこの世に揺らぐ縁の糸を、温かくも切なく描き切る。市井の人々の悲喜こもごもを丹念に綴る、えにし屋春秋シリーズ第二巻。
『渦の中へ』(発売日:2025年5月9日)
祝言の日。花嫁姿のままのおいちのもとへ、ある衝撃の知らせが飛び込んでくる——商家・浦野屋で食中毒が起こり、しかも毒を盛ったのは、自分のよく知るおみつだというのだ。父・松庵とともに現場へ駆けつけたおいちが目にしたのは、息絶える奉公人と、罪を一身に背負って自害したおみつの姿だった。本当におみつが下手人なのか。亡き者の姿を見ることのできるおいちは、岡っ引きの仙五朗とともに、事件の奥底に渦巻く本当の闇へと迫っていく。シリーズ累計三十五万部突破、おいち不思議がたりシリーズ第六巻。
『風を紡ぐ』(発売日:2025年4月4日)
おちえが大切にしていた竹刀が、ある日突然、何者かに盗まれた。同じ頃、丸仙が大店から請け負った大切な花嫁衣装にも、不気味な災いの影が忍び寄っていく。剣の腕に長けた一居でさえも、まったく気配を察することができぬ謎の盗人とは、いったい何者なのか——。さらに事態を揺らすように、おちえのもとには、思いがけぬ縁談がふいに舞い込んできた。少しずつ大人へと近づいていくおちえの心の揺らぎと、職人と剣士の矜持を併せ持つ一居の戦い。針と剣 縫箔屋事件帖シリーズ第三巻。
『野火、奔る』(発売日:2025年2月13日)
遠野屋清之介が紅花の商いに大金を投じた最中、紅餅を満載した船が忽然と海の上から消えた。一方、奉公人のおちやは、八代屋を継いだ長太郎に強引に連れ戻されかけ、思いがけぬ窮地に陥る。同じ頃、岡っ引きの伊佐治の縄張りである弥勒寺裏で、男の刺殺死体が見つかり、北町奉行所同心・木暮信次郎がただちに探索に乗り出す——。商いの謀、女への執着、そして殺しの陰謀。複数の事件が一気に絡み合い、平穏に見えた江戸の町を、野火のごとく駆け抜けていく災厄の正体とは何か。圧巻の筆致で描き切るシリーズ屈指の力作、弥勒シリーズ第十二巻。
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