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『失われた貌』(発売日:2025年8月20日)
J県の山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、両手首から先を切り落とされた身元不明の男性遺体が見つかる。徹底して身元を隠そうとしたのは、いったいなぜなのか。捜査が始まった矢先、警察署を訪れた八歳の少年は、遺体が十年前に失踪し、すでに法律上は死亡した父親ではないかと問いかける。所轄署の新任係長・日野雪彦が足取りを追うなか、児童への声かけ、別の変死体、行方不明者、脅迫の痕跡など、無関係に見えた出来事が現在と過去を巻き込み、思わぬ形で絡み始める。丹念な聞き込みと小さな違和感から、日野たちは複雑な人間関係の奥へ。張り巡らされた伏線が一つの像を結ぶとき、事件の貌は静かに反転する。謎解きと人間ドラマがせめぎ合う、著者初の長編警察ミステリー。
『六色の蛹』(発売日:2024年5月31日)
昆虫好きで心優しい青年・魞沢泉は、旅先で事件に出会うたび、虫を見るような繊細な観察眼で人々の言葉と沈黙を読み解いていく。ハンターたちが狩りをしていた山で起きた銃撃事件を追う「白が揺れた」。一年前、季節外れのポインセチアを求めた少女の真意に迫る「赤の追憶」。亡きピアニストの遺品から、ただ一枚消えた楽譜の行方を探る「青い音」。ほか、「黒いレプリカ」「黄色い山」「緑の再会」を収録。鮮やかなロジックの先で明らかになるのは、事件関係者が抱えてきた心の痛みと、言葉にできなかった願い。謎を解くだけで終わらず、そっと寄り添う魞沢の優しさが、色彩豊かな余韻を残す連作本格ミステリー、魞沢泉シリーズ第3巻。
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『蟬かえる』(発売日:2023年2月13日)
全国を旅する昆虫好きの青年・魞沢泉は、飄々としたたたずまいの奥に、人の痛みを見逃さないまなざしを持つ。十六年前、災害ボランティアに参加した青年が目撃したのは、行方不明になった少女の幽霊だったのか。長い歳月を越えて浮かび上がる記憶の謎に、魞沢が意外な角度から迫る表題作。さらに蜘蛛や甲虫、蛍、蠅を手がかりに、日常のすぐそばに生まれた不可解な事件を解き明かしていく。論理が鮮やかに組み上がるたび、その向こうから現れるのは、悲しみや悔い、誰かを守ろうとした愛おしい思い。謎解きの驚きと静かな余韻を湛えた全五編。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞に輝いた、魞沢泉シリーズ第2巻。
『サーチライトと誘蛾灯』(発売日:2020年4月21日)
昆虫を追って各地を訪ねる、飄々とした青年・魞沢泉。虫の知識は豊富でも、普段はどこかとぼけて見える彼が、行く先々で不可解な出来事に出会う。奇妙な来訪者が現れた夜、公園で起きた変死。バー〈ナナフシ〉の常連客を襲った悲劇。火事と標本をめぐる謎、クリスマスを待つ繭――一見ばらばらな出来事の陰には、人が胸の奥に隠してきた思いと、思いがけない綻びが潜んでいた。何気ない会話や虫の生態から違和感をすくい上げ、鮮やかな論理で真相へ迫る魞沢。その推理は事件を解くだけでなく、傷ついた者たちの心にも静かな光を当てていく。第10回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む、ユーモアと切なさ、驚きが響き合う全五編、魞沢泉シリーズ第1巻。
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